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レインボーポット編
第37話「ひれ伏しなさい!お嬢様は魔法使いですのよ!!!」⑤
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ほぼ同時刻、あかねは雪斗の母の運転で、氷見家から少し離れた住宅街にある瀬戌メモリアルパークという霊園にやって来ている。この霊園に氷見家代々の墓があり、そこに氷見しぐれと夫の螢次郎が眠っている。
「ひいおばあ様の隣にあるあのお墓が、勇者モンブランのお墓ですわね。」
「えぇ…おばあ様はよっぽど、勇者モンブランが好きだったの。私の名前…彼女の真名の一部から取ったって…だから、勇者ガレットが来た時、あれだけ目を輝かせて彼女の人間界用のお墓の用意をしていたのね。」
氷見家の墓の隣には、「首藤家之墓」と記された勇者モンブランの人間界としての墓がある。この墓に関しては、時折氷見家が掃除に来ていたが、大勇者ガレットが瀬戌市で長女と再び暮らし始めて以降、ガレットが度々掃除に来ている。そんな勇者モンブランの墓の真横にある墓誌には「英三郎」、「来人」、「美夜子」、「淑乃」、「乃絵」の順で、5人の名前が刻まれている。
「いずれ、彼は家族を連れてこちらへ来られるでしょう…その前に…」
雪斗の母に見せる穏やかな表情から一変して、あかねは険しい表情をしながら、1人の少年を睨みつける。赤と黒が混ざったような髪色で、両目の殆どは前髪で覆われている17歳ほどの若い少年は、あかねの表情を見るや否や、慌てふためく。
「わたしは今日、親族の用事のために瀬戌の街へ行くと言ったはずですが?緋月「さん」?」
「あかねちゃん…あの子は?」
「神宮寺緋月…冷華さん、この輩は事あるごとにわたしに干渉や横やりを入れる不届き者です!!!このしつこさは知った上での行為ですので、雪斗さんが千葉一悟という殿方に行った行為よりも、はるかに悪質ですわ!!!!!」
まるで母のいとこを守るかのように、あかねは魔導義塾高等学校に入学した際に支給された専用のスマートフォンを構える。
「し、親戚の用事でも…あかねに変な虫が寄り付いたら…」
「彼氏ヅラしないでいただけます?わたし、あなたのようなしつこい男の彼女となった覚えはありません!今すぐ神聖なる霊園から立ち去りなさい!!!」
「で、でも…俺は…」
「緋月さん、日本語理解できてます?学習能力はございます?これ以上しつこくするなら、今…この場であなたとの雇用契約を破棄してもいいのですわよ?」
いとこの娘の言葉に、雪斗の母は緋月が自分の息子が過去に一悟に対してのストーカー行為以上にタチが悪い行為をやっと理解した。
あかねの反対を押し切ってでも、あかねにつきまとう…言葉が通じないのである。息子と一緒にカフェを手伝う明日香も、父親に付きまとわれていると、息子から聞いている。要するに、緋月は高確率で危害を加える恐れがある…氷見冷華はそう判断した。
「あらぁ、ボナパルト森野さんじゃありませんかー!こんなところで奇遇ですねー!!!」
わざとらしい大きな声で、いるはずもない一悟の母のリングネームを叫んだ刹那、雪斗の母はあかねの手を引き、緋月に目もくれず駐車場へ走り去ってしまった。
「冷華さん…ボナパルト森野って…」
「一悟くんのお母さんの現役時代のリングネームよ!普段は元夫避けに防犯ブザー持ち歩いてるんだけど、あいにく車の中に置いてきちゃって…」
あかねと共に、運転してきたスバル社製の青いステラに滑るようにして乗り込むと、そのまま彩聖会瀬戌病院方面へ車を走らせる。
墓地へ取り残された緋月は、大急ぎで魔導義塾高等学校から支給されたスマートフォンであかねの居場所を探ろうとするが…
「マナを補給してください」
スマートフォンの操作に必要な魔力が足りず、愕然とする。それでも、あかねの行きそうな場所へと走ろうとするが…
「フラれたストーカーの負の感情…美味そう…食っちまお♪」
突然タヌキが緋月の肩に乗り、緋月の全身に黒い光を解き放つ。タヌキが放った黒い光を浴びた緋月はみるみるうちにスイーツの怪物へと姿を変えていく…
「なんて強い負の感情…1人の人間から、2体のカオスイーツ…上玉♪」
「♪~」
大勇者のスマートフォンから、着信音が鳴り響く。カフェは本日の営業が終わる30分前のため、大勇者は手が離せない状況だ。そんな彼に変わって、1人の青年がスマートフォンを手に取り…
「はい、首藤です。」
息子が出た。電話の主は、大勇者ではない男性の声に戸惑いを示すが…
「て、汀良瑞希です。もしかして…大勇者様の…ご子息ですか?」
「いかにも、俺は大勇者ガレットの長男アラン。現在、「首藤嵐」として求職中。」
「きゅ、求職中?それはさておき…どら焼きのカオスイーツが2体、瀬戌メモリアルパーク近隣に現れました!!!現在、斜瑠々川方面…東の方角へ向かって逃走中です!!!」
「まだ川へはたどり着いていないって事だな?了解っ!!!すぐ父さんたちに伝える!」
アランはそう言うと、スマートフォンをそのままテーブルの上に置き、カフェの方へ降りる。
「父さん、姉さん!!!緊急事態だ!瀬戌メモリアルパーク近隣でどら焼きのカオスイーツが2体現れた!!!」
アランの言葉に、2人の勇者はアランの方へ駆け寄る。
「「てら」瑞希って女の子から電話があって、カオスイーツは斜瑠々川方面…東の方角へ逃走中…って連絡が来た。」
アランも…「汀良」が読めなかった。(「首里駅」で検索してください)
「とにかく今は一悟、明日香、ユキ、玉菜!!!手の空いてるお前らが先に行け!!!セーラとみるくは手が空き次第、後から合流だ!!!他のマジパティにも対応できるか問い合わせる。」
大勇者の言葉に、一悟達はブレイブスプーンを構える。
「「「「マジパティ・スイート・トランスフォーム!!!!!」」」」
カフェにいる客たちに見えぬよう、一悟達は住居スペース内の階段で変身を始めた。
緋月をまいた雪斗の母は、無事に彩聖会瀬戌病院に到着し、あかねと共に姫路若葉が入院している病室へと向かう。
「病室は?」
「C棟の5階…内科の501号室です。」
病室のある5階へ向かうエレベーターの中、あかねのカバンから、黄色い光がぼわっと光る。
「あかねちゃん…」
「わかってます…ですが、父方のひいおばあ様の様子を一目だけでも見させてください。」
姫路家代表としての意地と、勇者モンブランのマジパティの血を引く者としての想い…それらがあかねの心の中、板挟みとなる。それは、まるで彼女を迷いの海へ誘うようだ。
「禍々しい混沌のスイーツ達よ、勇者の光を恐れぬのならかかってきなさいっ!!!」
精霊ガトーの力によって一悟達は、発見した瑞希と共に木苺ヶ丘地区とくるみの地区のほぼ境目付近にある瀬戌市立胡桃野中学校のグラウンドで、2体のどら焼きのカオスイーツと合流した。
「2体もいるのぉ~?ありえなーい!!!」
「カオスソルベ時代に合体カオスイーツ出していながら、何を言ってるんですか…あのカオスイーツ、元々は1人の人物のようです。」
ユキの苦言に、瑞希は1台のスマートフォン型のデバイスを見せる。魔導義塾高等学校の生徒に支給されるデバイスだ。
「このデバイス、学生証にもなるようで…出ました。ご説明いたします!あの2体のどら焼きのカオスイーツの正体は、魔導義塾高等学校普通科2年、神宮寺緋月ですっ!!!」
「うわっ…あかねちゃんに付きまとってるメカクシくんじゃん!!!最悪…」
瑞希の説明を聞くや否や、玉菜は右手を顔に当てる。どうやら、玉菜はあかねから彼の事を聞いていたようである。
「知ってるの?」
「あかねちゃんから聞いてたの…あのゴリラみたいに気持ち悪いストーカーよ!!!しかも、表向きは普通の高校を謳った魔法学校の子だから一筋縄ではいかないわ。」
玉菜がそう言うと、2体のカオスイーツは目を光らせると、瞬く間に分身し、4人のマジパティを取り囲みつつ、グラウンドの真ん中で爆発した。
「皆さんっ!!!!!」
「へぇー…2体も出てきたのは、魔法学校の生徒だから…ねぇ…超上玉♪」
瑞希の背後に、タヌキがガムを音を立てて噛みながら現れる。
「俺はニョニャ…双子の狐のようにはいかないよ?」
ニョニャの言葉に振り向いた瑞希だが、ニョニャは噛んでいたガムを瑞希と精霊達に向かって吐き出した。
「プップップッ…」
瑞希は両手の自由を失ったと同時にグラウンドに倒れこみ、ショコラ兄妹はガムによって平皿ごと拘束されてしまった。
「ガトー!フォンダン!!!」
「な、なんて外道な行い…」
ココアの叫びに、瑞希は苦虫を噛み潰したような顔をする。
「俺はヒタム様の命令に忠実なだけ。一般ぴーぽーと無能精霊は引っ込んでなよ。」
爆発による土煙が晴れた瞬間、2人のミルフィーユはあんこのような個体で片足ずつ拘束され、ソルベとクリームパフは、向かい合うように両方の手首をあんこのような個体で拘束されてしまった。
「ちょ…なにこれーっ!!!」
「クリームグレネード、出せないんですけどーっ!!!」
「あすちゃん…」
「とにかく、キックくらいなら大丈夫よね?行くわよ、一悟!!!!!」
明日香がそう言うと、2人はお互いの右手、左手を互いの腰に回し、二人三脚の要領でカオスイーツに飛び掛かるが…
「プッ…」
ニョニャが吐き出したガムに明日香がつまづき、2人は転倒してしまった。
「ヒタム様の命令に従うためなら、妨害くらいはしておくものさ。あの差別主義の悪趣味鎧とは違うんでね…」
そんなタヌキの言葉に逆上したココアは、モカと連携しつつニョニャにココアパウダーを振りかけようとするが…
「んげっ!!!」
「くっ…」
2人もニョニャが吐き出したガムをまともに食らい、瑞希の足元へ投げ出された。
「ココア!モカ!」
ユキと玉菜も何とかあんこのような個体を壊そうとするが、びくともしない。そんなマジパティ達に追い打ちをかけるかのように、2体のカオスイーツは4人のマジパティに襲い掛かる。
「ひいおばあ様の隣にあるあのお墓が、勇者モンブランのお墓ですわね。」
「えぇ…おばあ様はよっぽど、勇者モンブランが好きだったの。私の名前…彼女の真名の一部から取ったって…だから、勇者ガレットが来た時、あれだけ目を輝かせて彼女の人間界用のお墓の用意をしていたのね。」
氷見家の墓の隣には、「首藤家之墓」と記された勇者モンブランの人間界としての墓がある。この墓に関しては、時折氷見家が掃除に来ていたが、大勇者ガレットが瀬戌市で長女と再び暮らし始めて以降、ガレットが度々掃除に来ている。そんな勇者モンブランの墓の真横にある墓誌には「英三郎」、「来人」、「美夜子」、「淑乃」、「乃絵」の順で、5人の名前が刻まれている。
「いずれ、彼は家族を連れてこちらへ来られるでしょう…その前に…」
雪斗の母に見せる穏やかな表情から一変して、あかねは険しい表情をしながら、1人の少年を睨みつける。赤と黒が混ざったような髪色で、両目の殆どは前髪で覆われている17歳ほどの若い少年は、あかねの表情を見るや否や、慌てふためく。
「わたしは今日、親族の用事のために瀬戌の街へ行くと言ったはずですが?緋月「さん」?」
「あかねちゃん…あの子は?」
「神宮寺緋月…冷華さん、この輩は事あるごとにわたしに干渉や横やりを入れる不届き者です!!!このしつこさは知った上での行為ですので、雪斗さんが千葉一悟という殿方に行った行為よりも、はるかに悪質ですわ!!!!!」
まるで母のいとこを守るかのように、あかねは魔導義塾高等学校に入学した際に支給された専用のスマートフォンを構える。
「し、親戚の用事でも…あかねに変な虫が寄り付いたら…」
「彼氏ヅラしないでいただけます?わたし、あなたのようなしつこい男の彼女となった覚えはありません!今すぐ神聖なる霊園から立ち去りなさい!!!」
「で、でも…俺は…」
「緋月さん、日本語理解できてます?学習能力はございます?これ以上しつこくするなら、今…この場であなたとの雇用契約を破棄してもいいのですわよ?」
いとこの娘の言葉に、雪斗の母は緋月が自分の息子が過去に一悟に対してのストーカー行為以上にタチが悪い行為をやっと理解した。
あかねの反対を押し切ってでも、あかねにつきまとう…言葉が通じないのである。息子と一緒にカフェを手伝う明日香も、父親に付きまとわれていると、息子から聞いている。要するに、緋月は高確率で危害を加える恐れがある…氷見冷華はそう判断した。
「あらぁ、ボナパルト森野さんじゃありませんかー!こんなところで奇遇ですねー!!!」
わざとらしい大きな声で、いるはずもない一悟の母のリングネームを叫んだ刹那、雪斗の母はあかねの手を引き、緋月に目もくれず駐車場へ走り去ってしまった。
「冷華さん…ボナパルト森野って…」
「一悟くんのお母さんの現役時代のリングネームよ!普段は元夫避けに防犯ブザー持ち歩いてるんだけど、あいにく車の中に置いてきちゃって…」
あかねと共に、運転してきたスバル社製の青いステラに滑るようにして乗り込むと、そのまま彩聖会瀬戌病院方面へ車を走らせる。
墓地へ取り残された緋月は、大急ぎで魔導義塾高等学校から支給されたスマートフォンであかねの居場所を探ろうとするが…
「マナを補給してください」
スマートフォンの操作に必要な魔力が足りず、愕然とする。それでも、あかねの行きそうな場所へと走ろうとするが…
「フラれたストーカーの負の感情…美味そう…食っちまお♪」
突然タヌキが緋月の肩に乗り、緋月の全身に黒い光を解き放つ。タヌキが放った黒い光を浴びた緋月はみるみるうちにスイーツの怪物へと姿を変えていく…
「なんて強い負の感情…1人の人間から、2体のカオスイーツ…上玉♪」
「♪~」
大勇者のスマートフォンから、着信音が鳴り響く。カフェは本日の営業が終わる30分前のため、大勇者は手が離せない状況だ。そんな彼に変わって、1人の青年がスマートフォンを手に取り…
「はい、首藤です。」
息子が出た。電話の主は、大勇者ではない男性の声に戸惑いを示すが…
「て、汀良瑞希です。もしかして…大勇者様の…ご子息ですか?」
「いかにも、俺は大勇者ガレットの長男アラン。現在、「首藤嵐」として求職中。」
「きゅ、求職中?それはさておき…どら焼きのカオスイーツが2体、瀬戌メモリアルパーク近隣に現れました!!!現在、斜瑠々川方面…東の方角へ向かって逃走中です!!!」
「まだ川へはたどり着いていないって事だな?了解っ!!!すぐ父さんたちに伝える!」
アランはそう言うと、スマートフォンをそのままテーブルの上に置き、カフェの方へ降りる。
「父さん、姉さん!!!緊急事態だ!瀬戌メモリアルパーク近隣でどら焼きのカオスイーツが2体現れた!!!」
アランの言葉に、2人の勇者はアランの方へ駆け寄る。
「「てら」瑞希って女の子から電話があって、カオスイーツは斜瑠々川方面…東の方角へ逃走中…って連絡が来た。」
アランも…「汀良」が読めなかった。(「首里駅」で検索してください)
「とにかく今は一悟、明日香、ユキ、玉菜!!!手の空いてるお前らが先に行け!!!セーラとみるくは手が空き次第、後から合流だ!!!他のマジパティにも対応できるか問い合わせる。」
大勇者の言葉に、一悟達はブレイブスプーンを構える。
「「「「マジパティ・スイート・トランスフォーム!!!!!」」」」
カフェにいる客たちに見えぬよう、一悟達は住居スペース内の階段で変身を始めた。
緋月をまいた雪斗の母は、無事に彩聖会瀬戌病院に到着し、あかねと共に姫路若葉が入院している病室へと向かう。
「病室は?」
「C棟の5階…内科の501号室です。」
病室のある5階へ向かうエレベーターの中、あかねのカバンから、黄色い光がぼわっと光る。
「あかねちゃん…」
「わかってます…ですが、父方のひいおばあ様の様子を一目だけでも見させてください。」
姫路家代表としての意地と、勇者モンブランのマジパティの血を引く者としての想い…それらがあかねの心の中、板挟みとなる。それは、まるで彼女を迷いの海へ誘うようだ。
「禍々しい混沌のスイーツ達よ、勇者の光を恐れぬのならかかってきなさいっ!!!」
精霊ガトーの力によって一悟達は、発見した瑞希と共に木苺ヶ丘地区とくるみの地区のほぼ境目付近にある瀬戌市立胡桃野中学校のグラウンドで、2体のどら焼きのカオスイーツと合流した。
「2体もいるのぉ~?ありえなーい!!!」
「カオスソルベ時代に合体カオスイーツ出していながら、何を言ってるんですか…あのカオスイーツ、元々は1人の人物のようです。」
ユキの苦言に、瑞希は1台のスマートフォン型のデバイスを見せる。魔導義塾高等学校の生徒に支給されるデバイスだ。
「このデバイス、学生証にもなるようで…出ました。ご説明いたします!あの2体のどら焼きのカオスイーツの正体は、魔導義塾高等学校普通科2年、神宮寺緋月ですっ!!!」
「うわっ…あかねちゃんに付きまとってるメカクシくんじゃん!!!最悪…」
瑞希の説明を聞くや否や、玉菜は右手を顔に当てる。どうやら、玉菜はあかねから彼の事を聞いていたようである。
「知ってるの?」
「あかねちゃんから聞いてたの…あのゴリラみたいに気持ち悪いストーカーよ!!!しかも、表向きは普通の高校を謳った魔法学校の子だから一筋縄ではいかないわ。」
玉菜がそう言うと、2体のカオスイーツは目を光らせると、瞬く間に分身し、4人のマジパティを取り囲みつつ、グラウンドの真ん中で爆発した。
「皆さんっ!!!!!」
「へぇー…2体も出てきたのは、魔法学校の生徒だから…ねぇ…超上玉♪」
瑞希の背後に、タヌキがガムを音を立てて噛みながら現れる。
「俺はニョニャ…双子の狐のようにはいかないよ?」
ニョニャの言葉に振り向いた瑞希だが、ニョニャは噛んでいたガムを瑞希と精霊達に向かって吐き出した。
「プップップッ…」
瑞希は両手の自由を失ったと同時にグラウンドに倒れこみ、ショコラ兄妹はガムによって平皿ごと拘束されてしまった。
「ガトー!フォンダン!!!」
「な、なんて外道な行い…」
ココアの叫びに、瑞希は苦虫を噛み潰したような顔をする。
「俺はヒタム様の命令に忠実なだけ。一般ぴーぽーと無能精霊は引っ込んでなよ。」
爆発による土煙が晴れた瞬間、2人のミルフィーユはあんこのような個体で片足ずつ拘束され、ソルベとクリームパフは、向かい合うように両方の手首をあんこのような個体で拘束されてしまった。
「ちょ…なにこれーっ!!!」
「クリームグレネード、出せないんですけどーっ!!!」
「あすちゃん…」
「とにかく、キックくらいなら大丈夫よね?行くわよ、一悟!!!!!」
明日香がそう言うと、2人はお互いの右手、左手を互いの腰に回し、二人三脚の要領でカオスイーツに飛び掛かるが…
「プッ…」
ニョニャが吐き出したガムに明日香がつまづき、2人は転倒してしまった。
「ヒタム様の命令に従うためなら、妨害くらいはしておくものさ。あの差別主義の悪趣味鎧とは違うんでね…」
そんなタヌキの言葉に逆上したココアは、モカと連携しつつニョニャにココアパウダーを振りかけようとするが…
「んげっ!!!」
「くっ…」
2人もニョニャが吐き出したガムをまともに食らい、瑞希の足元へ投げ出された。
「ココア!モカ!」
ユキと玉菜も何とかあんこのような個体を壊そうとするが、びくともしない。そんなマジパティ達に追い打ちをかけるかのように、2体のカオスイーツは4人のマジパティに襲い掛かる。
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