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レインボーポット編
第37話「ひれ伏しなさい!お嬢様は魔法使いですのよ!!!」①
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2015年1月10日、早朝。氷見家当主・氷見しぐれは、氷見家の敷地内の竹藪の中で、カルマン・ガレット・ブラーヴ・シュヴァリエと名乗る1人の青年と出会った。炎のような赤い髪に、赤い甲冑…恐らく、この世界の者ではないだろう…彼女はそう悟った。青年の身体から漂う甘い香り…それは、彼女にとって60年前の思い出が甦った瞬間でもあった。思い出が甦ったと同時に、当主はとある人物の名前を口に出す。
「あなた…「レイラ・モンブラン・クラージュ・シュヴァリエ」はご存じかしら?」
70代の女性の問いかけに、33歳のガレットは驚いたような顔をするが、すぐさまシュッと立ち上がる。
「「レイラ・モンブラン・クラージュ・シュヴァリエ」は、俺のばあさんだ。俺は勇者モンブランの孫のカルマン・ガレット・ブラーヴ・シュヴァリエ…」
青年の言葉に、氷見家の当主は懐かしさでほんの一瞬ではあるが、言葉を失ってしまった。
「あなたが…レイちゃんの…子孫…」
感激の涙を流しつつ、氷見しぐれは使用人たちに理由を話すと、青年勇者を氷見家の中に入れ、男物の衣類を提供する。
………
「そうだったの…レイちゃんは、もうこの世にはいないのね…」
「あぁ…俺が12の頃に、王族の派閥争いに巻き込まれて…」
思い出すのも辛いのだろう…氷見家の当主に祖母の事を話す勇者の表情は、悲しげだ。
「私ももう…長くはありません。ですが、あなたがスイーツ界から来た理由はわかってます。」
そう言いながら、当主は勇者に1週間前の事件の新聞記事を見せる。
「神奈川・茅ケ崎 中高生ら5人、行方不明」
「2年ほど前から、茅ケ崎でカオスイーツが絡む事件が頻発してまして…丁度この事件で、茅ケ崎でカオスイーツの出現は途絶えました。」
「ばあさんの名前を知っている上に、カオスイーツを知っている…って事は…」
その言葉に、当主は勇者に古びた2本の銀のスプーンを見せる。青い宝石に、白い羽飾りのスプーンと、紫の宝石に、白い羽飾りのスプーン…それこそ、当主がマジパティであった事を証明する動かぬ証拠だ。
「私は、レイちゃん…いいえ、勇者モンブランの知性を受け継いだマジパティ・ソルベでした。そして、もう帰らぬ人とはなりましたが、私の主人・氷見螢次郎も彼女の光を受け継いだマジパティ・クリームパフ…」
マジパティであった当主は、青年勇者に60年前の事を話し、青年勇者は、マジパティであった当主に人間界へ飛ばされた弟の事を話した。
それはお互いが茅ケ崎で消息を絶った5人の中に、青年勇者の弟が含まれている事を悟ったからだ。
「あなた…「レイラ・モンブラン・クラージュ・シュヴァリエ」はご存じかしら?」
70代の女性の問いかけに、33歳のガレットは驚いたような顔をするが、すぐさまシュッと立ち上がる。
「「レイラ・モンブラン・クラージュ・シュヴァリエ」は、俺のばあさんだ。俺は勇者モンブランの孫のカルマン・ガレット・ブラーヴ・シュヴァリエ…」
青年の言葉に、氷見家の当主は懐かしさでほんの一瞬ではあるが、言葉を失ってしまった。
「あなたが…レイちゃんの…子孫…」
感激の涙を流しつつ、氷見しぐれは使用人たちに理由を話すと、青年勇者を氷見家の中に入れ、男物の衣類を提供する。
………
「そうだったの…レイちゃんは、もうこの世にはいないのね…」
「あぁ…俺が12の頃に、王族の派閥争いに巻き込まれて…」
思い出すのも辛いのだろう…氷見家の当主に祖母の事を話す勇者の表情は、悲しげだ。
「私ももう…長くはありません。ですが、あなたがスイーツ界から来た理由はわかってます。」
そう言いながら、当主は勇者に1週間前の事件の新聞記事を見せる。
「神奈川・茅ケ崎 中高生ら5人、行方不明」
「2年ほど前から、茅ケ崎でカオスイーツが絡む事件が頻発してまして…丁度この事件で、茅ケ崎でカオスイーツの出現は途絶えました。」
「ばあさんの名前を知っている上に、カオスイーツを知っている…って事は…」
その言葉に、当主は勇者に古びた2本の銀のスプーンを見せる。青い宝石に、白い羽飾りのスプーンと、紫の宝石に、白い羽飾りのスプーン…それこそ、当主がマジパティであった事を証明する動かぬ証拠だ。
「私は、レイちゃん…いいえ、勇者モンブランの知性を受け継いだマジパティ・ソルベでした。そして、もう帰らぬ人とはなりましたが、私の主人・氷見螢次郎も彼女の光を受け継いだマジパティ・クリームパフ…」
マジパティであった当主は、青年勇者に60年前の事を話し、青年勇者は、マジパティであった当主に人間界へ飛ばされた弟の事を話した。
それはお互いが茅ケ崎で消息を絶った5人の中に、青年勇者の弟が含まれている事を悟ったからだ。
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