激甘革命!マジパティ(分割版)

夜ノ森あかり

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レインボーポット編

第35話「キケンな双子!?ピサンとゴレン、登場!!!」④

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 木苺ヶ丘きいちごがおか一丁目と二丁目の境目にあるなつめ公園…木苺ヶ丘中央公園より少々小ぶりの公園では、クリームパフに変身した有馬と、あんみつのカオスイーツが対峙している。そんなカオスイーツの背後には双子の狐が服を着て2本脚で立っている。
「狐がカオスイーツを出すなんて、聞いてないぞ!!!」
「キツネなんて失礼しちゃうなぁー…ぷん♪」
「僕達のどこがキツネなんだか…カオスイーツ、やっちゃいなよ♪」
 獣感丸出しの時点で、狐である。狐と人間を掛け合わせた双子は、くすくす笑いながらカオスイーツの体内から発射される立方体の寒天を次々と撃ち落とすマジパティを嘲笑う。カオスイーツに集中するクリームパフだが、時折双子の狐が呼吸を合わせるかのように、1人で戦うマジパティに攻撃する。

「かはっ…」

 双子のキックがクリームパフの腹部に炸裂し、クリームパフは地面に背中を打ち付け、ワンバウンドする。
「あははっ…ピサン達の敵じゃないねーっ♪」
「大した事ないの…ざぁーこ♪」
 双子の狐の瞳が共に赤く光る。少女の恰好をした狐がピサン、少年の恰好をした狐はゴレン…実に見事なコンビネーションだ。大木にもたれながら立ち上がるクリームパフは、左手で右腕を押さえつつ、クリームグレネードを構えるが…

「っ…」

 右腕に痛みが走り、思わずクリームグレネードを落としてしまう。
「しまった…」
 有馬がそう呟いた刹那、求肥ぎゅうひ状の白い物体が白銀のマジパティを大木に縛り付けてしまった。まるで脱出を許さぬかのように、カオスイーツはあんこ状の物体を宙に浮かべ、丸腰のマジパティに襲い掛かる。

「あはははっ…ゴレン、見たぁ?どっかーんだよ!!!どっかーん!!!」
「見た、見たぁ♪マジパティなんて、雑魚の集団じゃん♪僕とピサンの敵じゃないねぇー♪」
 双子の狐は、大木目掛けて放たれ、爆発四散する無数のあんこ状の物体を見ながらそう嘲笑うが…

「誰が雑魚の集団ですって?」
「もう一度言ってごらん?そこの狐っ!!!」
 土煙の中から、拘束した白銀のマジパティでない声が2人分響く。
「だからねぇ…マジパティはピサンとゴレンにとって、雑魚の集団なの♪何度も言っちゃうよぉー♪雑魚♪雑魚♪ざぁーこ♪」
 ピサンがそう言うと、晴れていく土煙からピンクのツインテールのマジパティと、ブルーのサイドテールのマジパティが姿を見せる。ミルフィーユに変身した明日香と、ソルベに変身したユキだ。そんな2人の背後で、ムッシュ・エクレールが白銀のマジパティを救出する。ユキはソルベアローを持っており、無数のあんこ状の物体をソルベハリケーンではじき返したと思われる。
「立てるか?有馬…」
「なん…とか…」
 そう答える白銀のマジパティの姿を見るなり、ムッシュ・エクレールは目を皿のように丸くする。
「えと…つかぬ事お聞きしますけど…」
「無駄口叩いてないで、怪我をしたクリームパフを安全な所へ連れてってあげてっ!!!」
 ソルベの言葉に怖気づくムッシュ・エクレールは、木々の間に待機している瑞希、ガトー、モカの所へ白銀のマジパティを運ぶ。

「随分と生意気な事を言う狐ね…サマーカットにでもしてやろうかしら?」
「うわっ…ピサン達に向かって、サマーカットって言ったー!!!暴力はんたーい!!!」
 どの口が言うか!!!そう言いながら明日香はミルフィーユグレイブを構えようとするが…
「う…うそっ…ミルフィーユグレイブが出せないっ!!!」
 明日香がどれほど右手を前に突き出しても、ピンクの長薙刀が出る気配がない。
「ちょっ…冗談でしょ?わわっ…」
 攻撃する間も許さぬかのように、突然求肥状の物体がミルフィーユとソルベをそれぞれ簀巻きの状態にしてしまい、ソルベはソルベアローを落としてしまう。

「カラン…」

 明日香はカオスから完全開放されたものの、勇者クラフティの大剣を無断で使用したという理由で勇者ガレットの怒りを買い、3日間マジパティとして変身する事を禁止されていた。勇者ガレットの怒りは相当なもののようで、再び変身できるようになったものの、専用武器を使用できないままだった。それが、ミルフィーユグレイブが出せなくなった理由である。

「口ばっかりで大した事ないねー?やっぱり雑魚だ♪」
「雑魚♪雑魚♪ざぁ~こぉ~♪カオスイーツ、いっぱい痛めつけちゃえ~♪」
 ピサンがそう言うと、ミルフィーユとソルベを簀巻き状にした求肥が中でもぞもぞと動き出し、2人のマジパティはこそばゆい感覚を覚える。
「ひえっ…何これ…気持ち悪っ!!!」
 ベトベトとくっつくような感覚に、ユキは不快感を示す。求肥はユキの全身をまさぐり、黒いストッキングを少しずつ裂きつつ、コスチュームとインナーの中へ侵入していく。
「あうっ…そ、そこ…は…」
 求肥が簀巻きの状態のまま、豊満な双丘の頭頂部を中心に攻め立て、ユキは全身をがくがくと震わせる。
「無様♪無様ぁ~♪」
 簀巻きの状態の求肥に蹂躙されつつも、ユキは目線を明日香の方へ向ける。明日香はうつぶせのまま、恐怖に怯えている。

「やめ…て…ちゃんと…言う事…聞く…から…」

 父親に性的な捌け口にされていた時の事を蒸し返したのだろう…ユキの全身に、雪斗とユキの怒りがこみ上げる。
「許せない…命あるものをストレスの捌け口にするなんて…僕には理解できない…」
 ユキは「ふんっ」と大木を力いっぱい踏み込み、その反動で立ち上がり、ユキを簀巻き状にしていた求肥はまるで飴細工のように砕け散る。上半身のコスチュームは下にずらされ、インナーとストッキングは所々素肌が露わになっているものの、ユキはだまってずらされたコスチュームを正すと、ソルベアローを拾い上げる。
「うわっ…何、このマジパティ…ピサン達に向かって、生意気だぁー!!!」
「うっさい、バーカ!!!その言葉、そっくりそのまま返してあげるよ、女狐っ!!!!!」
 そう言いながら、ユキは長弓を回転させ、ソルベブリザードを放つ。長弓から放たれた吹雪は、ピサンとゴレンの足元を凍り付かせる。
「ひっどーい!!!動物虐待で訴えてやるーっ!!!」

「訴えるって…その費用はどこから取るつもりだ?」

 ピサンが喚いた刹那、突然濃い霧が発生し、双子の狐の背後に、氷の竜と化したネロが現れる。
「い、い…今のはピサンが言ったんだよ!!!僕、悪くないもん!!!!!」
「あーっ、ゴレンったらひっどーい!!!」
「ほほぅ…責任のなすり合いか…くだらん!!!」
 突然の氷の竜の登場に双子の狐は思わず白目をむきながら失禁してしまう。
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