激甘革命!マジパティ(分割版)

夜ノ森あかり

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カオスソルベ編

第8話「甦る記憶!カオスソルベの正体が明かされる時」③

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「とにかく、氷見ひみの弟を元に戻さねぇと…でやあああああああああっ!!!」

 ミルフィーユはカオスイーツにパンチを連続で浴びせるが、カオスイーツはビクともしない。

「プディング・サーチャー!!!!」

 プディングは頭の触角を動かして、カオスイーツの弱点を探ろうとするが、その途中でカオスイーツにはねのけられてしまう。

「みゃっ!!!!」

 はねのけられたプディングは尻もちをついてしまった。

「それなら、コレをお見舞いいたしますわ!!!ピオニーファン・スライサー!!!!!」

 今度はライスが白い扇子を飛ばし、カオスイーツを切り刻もうとするが、カオスイーツは扇子を全て跳ね返した。



「流石はマジパティだった者と血を分け合った者…硬さは折り紙つきですね!!!」

「これが本当の「カオスイーツスゴクカタイアイス」ですわ…」

「こんなトコでハッシュタグ使うな!!!!」



 カオスイーツは突然口から冷気を放ち、冷気を浴びた大地からは白い人形が無数に現れた。その瞬間、ラテが悲鳴を上げる。

「ぴええええええええええっ!!!!!集合体っ!!!!気持ち悪いっ!!!!」

 ラテはかねてからトライポフォビア(集合体恐怖症)であり、ハチの巣、アリの巣、ハスの実、そばかす…と、小さな穴や斑点が集まったものが大の苦手だ。



「ラテ!!!ぴゃっ…動けない…」

 プディングは怯えるラテを助けようとするが、白い人形達に両脚の動きを封じられてしまう。プディングだけに限らず、ミルフィーユとライスもカオスイーツが生成した白い人形達に襲われる。

「うわっ!!!つめてっ!!!!!」

「服の中まで入って来ないでくださいましっ!!!!」

「そう悲鳴を上げるのも今のうちですよ?その白い人形達は徐々にあなた方の体温を奪っていきます!!!!!」

 ティラミスがそう言うと、白い人形達はミルフィーユの太ももをまさぐり、ライスの腋からコスチュームの中へと侵入…さらには、プディングの胸を白い布の中で徘徊していった。



「と、とにかく…私が助け…ぴえええええええっ!!!!やっぱり怖い!!!吐き気するうううううう!!!!」

 ラテはミルフィーユ達を助けようとするが、やっぱり苦手なものは苦手で、勢い余って木に激突してしまった。

「んげっ!!!!!」

 木に激突したラテは、みかんを守るカオスソルベの足元へと落下した。

「お姉…ちゃん?」

「ここでじっとしててね?レイトは必ず元に戻すから…」

 そう言いながら、カオスソルベは黒いティースプーン・ノワールスプーンを構える。



「カオス・ビター・トランスフォーム…」



 黒い光を放ちながら、カオスソルベは瞬く間に黒を基調としたコスチュームに姿を変え、髪もワンサイドテールへと変わる…





「さぁ、カオスイーツ!!!もっと白い人形を出すのです!!!!」

 ティラミスの言葉に呼応するかのように、カオスイーツは口を開こうとするが…



「とおっ!!!!!」



 カオスソルベの突然の蹴りで、カオスイーツは数十センチほど後退した。

「混沌の使途・カオスソルベ…ミルフィーユ達をこれ以上襲わせはしない…」

 そう言いながらカオスソルベは黒い長弓を出し、カオスイーツに黒い矢を向ける。



「カオス…シュート…」



 カオスソルベの放つ黒い光の矢は、見事にカオスイーツに直撃するが…

「残念でしたね!!!カオスイーツにカオス様の力をぶつけるなど、カオスイーツを強くするためのドーピング行為ですよ!!!!!」

 ティラミスの言葉に、カオスソルベはむっとした。ティラミスの言葉通り、カオスソルベの攻撃を受けたカオスイーツは身体を大きくし、さらに冷気が強まり、白い人形達がさらに増えた。

「うわっ…そこは冗談ならねぇっ…」

 白い人形がとうとうミルフィーユのスパッツの中に侵入し始め、ミルフィーユはこれまで感じたことのない感覚を覚えた。

「さて…ただ辱めるだけでは面白くありませんね…スキだらけですよ?カオスソルベ…」



「きゃあああああああっ!!!!!お姉ちゃーーーーーーん!!!!!」



 なんと、カオスイーツは避難していたみかんを捕まえてしまったのだった。

「ミカン!!!!」

「さぁ…これ以上カオスイーツに攻撃してみなさい…さもなくば、氷見みかんの命は保証いたしませんよ?」

「く…くそっ…小さい子を盾にするなんて…」







 マジパティ側の劣勢の状態は、深刻だ。突然、ライスの帯留めの飾りが「ピコンピコン」と、電子音を響かせながら赤く点滅し始めた。

「そ…そんな…」

 スイーツ界の住人が変身したことによる制約…それはマジパティとしての活動時間の制限と、強力な決め技が使用できないことだった。帯留めの飾りの点滅が止まったと同時に、ライスは白い光を放ち、一瞬にして高萩あずきの姿へと戻ってしまった。変身が解除されていても、白い人形達はあずきから離れない。

「おや…新しいマジパティは3分しか活動できないのですか…これは好都合です!!!さらにマジパティとカオスソルベを追い詰めなさいっ!!!!!」

 カオスイーツはまた口から冷気を放ち、さらなる白い人形達を生み出す。今度はミルフィーユにまとわりつく白い人形達を引きはがそうとするカオスソルベのコスチュームの中にも侵入し始めた。

「あうっ…」



 今度のターゲットはカオスソルベだけではなかった。ラテも白い人形達にまとわりつかれ、とうとう泡を吹いて失神してしまった。

「ぶくぶくぶく…」

 白い人形達は、徐々にマジパティ達の体温を奪っていき、元々寒いのが苦手なあずきは、ついに白い人形達に埋め尽くされた。それでもミルフィーユを助けようと、カオスソルベはミルフィーユにまとわりつく白い人形達を引きはがそうとする。



「ぺろんっ」



「ちょっ…お前、胸っ!!!」

 白い人形達の1人が、ミルフィーユの目の前でカオスソルベのトップスを掴み、カオスソルベの左胸をまるごとミルフィーユの前で晒しものにしてしまった。ミルフィーユにとっては、色々な意味で危ない状況である。後方にいるプディングは、すでに胸を覆う白い布がずれており、押さえるものを失ったプディングの胸を白い人形達が這いずりまわる。さらに至近距離には、カオスソルベが片方の胸だけはだけさせているという光景だ。これには、流石のミルフィーユの理性も限界である。

「うぐっ…」

 白い人形達はさらにミルフィーユを追い詰める…普段はガードの固いミルフィーユのスカートの中から、スパッツが引きずり下ろされたのである。これ以上ないぐらいの恥ずかしさに、ミルフィーユは今にでも泣きそうだ。
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