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心の闇と過去の事件
十二話「闇に包まれた事件」
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気付けば僕は我が家の前に立っていた。その扉を開け、中に入る。
「た、ただいま……。」
「どうかしましたか、天海空さん?元気がなさそうに見えますが……それに顔色も悪いですし……。」
「大丈夫だよ……少し疲れてるだけ……。」
「そうですか。疲れた体には温かいお風呂がいいと思います。」
「ああ、それじゃあ準備してくれる?」
「はい。わかりました。」
そうして雫はその場を去った。僕は自分の部屋へ行き考え事をしながら制服を脱ぎ着替える。さて、これからどうするか。桃の回りにある問題は二つ。いじめと親。だが、まだ、親は僕の推測にすぎない。だが、ほぼ確信がある。僕の親のような張り付けただけの笑顔と優しさ。あの面の裏では自分のことしか考えちゃいない。そして、もし僕の親と同じ……もしくは似ているのなら、誰かの助けは借りれない。暴力などわかりやすいものじゃないから。だから、解決できるのは僕かアイツ自身。とはいえ、さっき言った通りこれは推測でしかない。できれば、僕の勘違いであって欲しい。取り敢えずまずはいじめの方の対処をしなくては……。なぁんで僕はここまで考えてるんだ?アイツと関わり始めたのはここ最近だって言うのに……やっぱり、僕は何も変わってないんだな。あの日以来、傷つくのを恐れ人と関わるのを避けてきた僕だというのに……結局同じことに首を突っ込んで同じように悩んでるなんて……
「僕はやっぱり馬鹿なんだろうな……。」
そんなことを呟きながら天井を見上げる。そして、誰もいない虚空へ向かって僕は問う。
「お前は今の僕を見てどう思う……?馬鹿らしく思うか?お前の最期の問いに答えられなかった僕が同じことを繰り返してるんだぜ?」
きっとアイツなら「君らしいね。」ってそう言うんだろうな。
暫くしそうやって天井を見上げていると。雫が部屋に入ってきた。
「お風呂、溜まりましたよ。」
「じゃあ、風呂入ってくる。夕食、楽しみにしてるよ。」
「まあ、まだ、大したものが作れる程余裕はないですけどね。」
「それは君のせいなわけだけど。」
そう言いながら僕は着替えを持って退室しようとした。そのときだった。雫は後ろからこう言った。
「悩みがあるならいつでも相談してくださいね。」
「困ったらそうさせて貰うよ。……それにしても……雫、人間らしくなったね。」
「?」
「わからないならそれでいいさ。僕が思ったことをそのまま言っただけだから気にしないで。」
そう言って僕はその場を去った。
脱衣所で服を脱ぎ浴室へ向かう。そして湯船に浸かる。疲れが一気に抜けていく。
「はああぁぁ……。」
思わず大きく息を吐いてしまう。明日、どうなるかな?いや、きっと今日とそう変わらないんだろうな。午前をだらけて過ごし、昼を桃と一緒に食べ、放課後まで眠った後、桃と一緒に帰る。……これだけ見たら僕ら付き合ってるみたいだな。……彼女……かあ……今まで考えたことなかったな。茜が泊まった日にそんな話をした気もするが、ちゃんと考えたことはなかったな。ただ、僕みたいな人間には彼女だなんて勿体無いとしか思ってなかったし……。でも、もし知り合いで一人選ぶなら……アイツ……かな……?
その後、暫く湯船に浸かった後、全身を洗い、風呂から上がった。そして、夕食をすませ、その日は眠りについた。夢は見なかった。
翌朝、朝食をすませた僕は学校へ行く準備をしていた。そこでとあることに気付く。
「あ、上着ない……。」
そういえば、昨日桃に着せた後返して貰うのを忘れていたな。どうしようか?桃の家に行って返して貰うか、それとも学校で会うだろうからそのときに返して貰うか。間違いなく確実なのは前者だよな。そう考えた僕は準備を整えると桃の家へ向かった。あの母親がいなけりゃいいが……。
そうして、僕は家を出たのだが、何故かそこに、茜はいなかった。珍しいこともあるもんだなとそう思った。
そこへたどり着いた僕はインターホンを鳴らす。数秒後、扉が開き出てきたのは、桃の母親だった。
「あら、桃の彼氏さん?もしかして、桃を迎えに来てくれたのかしら?でもすみませんねぇ……家の子ったら熱だしちゃって。」
「え!?大丈夫なんですか!?」
「ええ、たぶんただの風邪ね。」
「ちょっと、会わせてくれませんか?」
「ええ、いいわよ。」
そうして僕はその人に桃の部屋まで案内された。
中にはいると桃がベッドの上で横になっていた。
「大丈夫か?」
「あ……先輩……なんで……来たんですか……?」
「君に上着貸したでしょ?それを取りに来たんだよ。そんで、来てみれば君が風邪引いたっていうから看病してあげようと思って。」
「学校は……?」
「一日くらい休んでも問題ないさ。」
「ダメ……ですよ……行って……ください……。もうすぐ……期末テスト……ですし……。」
そういえば、そうか。忘れていた。まあ、勉強しなくても赤点は取らない自身があるから大丈夫だけど。
「気にしなくていいよ。それなりに勉強できる方だし。」
「そう……ですか……。」
さて、看病するとは言ったものの何をすればいいんだ?
「君、何か欲しいものってある?」
「いや……お腹もすいてないですし……喉も乾いてないです……。あ……それじゃあ……」
「なんだ?何が欲しい?」
「今日は……ずっと……一緒にいて……ください……。」
「別にいいけど……そんなことでいいのか?もとからそのつもりだったし……。」
そう言いながら、僕は彼女の近くに会った椅子に座った。
「じゃあ……私の、手……握って……いてください……。」
そう言われたので僕はその手を握ってあげた。
「はい、これでどう?」
「温かい……ありがとうございます……。」
「でも、本当にこんなことでいいのか?」
「はい……これで……いいんです……。」
そうして暫くの沈黙が流れた。その沈黙を打ち破ったのは桃だった。
「先輩……。」
「ん?何?」
「先輩の……過去について……話してくれませんか……?」
「人が隠してるんだから聞かなくたっていいじゃないか。」
「でも……気になるんです……!」
「昨日言ったけど、これは今の君に言えるような話じゃない。でも、きっといつか話すときが来るよ。」
「なんで……話して……くれないんですか……?私が……先輩の……先輩の彼女になったら……教えてくれますか……!?」
「そうなると尚更教えられないかもしれない。きっと僕は好きな人に心配を掛けたくないだろうから。」
「じゃあ……じゃあ、いつ教えてくれるんですか!」
それは桃の口からは発せられるとは思っていなかった、叫び声だった。
「いつか……いつかきっと教えるから。ただ、今はそのときじゃない……。」
「そのいつかは……いつなんですか!?」
「っ……!」
答えられなかった。僕自身、あの事件を考えたくはなかった。闇に包まれた事件から目を背けたかった。だが、今僕の目の前にはアイツらと同じく、いじめにあっている奴がいた。四年前のあの事件は、今、逃げ続けた僕の正面に立ち塞がっていた。
「君にとって僕の過去なんてどうだっていいはずだ!何故、そんなにも聞きたがる?人が隠している秘密を暴こうとする?」
「私にとって……先輩の過去なんて……どうだっていい……それはその通りです……。けど!」
桃は語気を強くして言葉を発した。
「これ以上先輩を見ていられないんです!過去にあった何かから逃げながらも……過去と同じような現場に会いたくないという一心で私を助ける。けど、それって結局、過去を恐れて前に進めてないってことなんじゃないですか!?そんな先輩に助けられても嬉しくなんかありません!そんな先輩……情けなくて……見てられません……。」
その言葉は僕の心に深く突き刺さった。そうだ。これは逃げに過ぎない。四年間ずっと逃げてきた。自分が傷つくのを恐れてもう秋葉茜以外と関わらないと決めた。けれど、逃げたからって過去は消えない。いつだって僕の前に現れる。そう、今のように、恐ろしく高い壁として僕の前に現れる。
「だから……教えてください……。先輩の……過去に……何があったんですか……?」
話すしかないのだろうか?あの事件を……。僕はあの事件に向き合わなければ行けないのだろうか……?いや、きっと向き合うべきなのだ。そんなこと、ずっとわかっていた。でも……怖い。恐怖心が僕を支配した。言葉を発したくても、口が開かない。思い出そうとすると気分が悪くなる。
「だ……ダメだ……。言えない……思い出したく……ない……。」
一種の錯乱状態に陥ってしまった。目の前が真っ暗になる。そして、思い出されるのは真っ赤な鮮血。恐怖で立っていられなくなった僕はうずくまってしまった。そんなとき、暖かな感触があった。顔を上げそちらを向くと桃が僕の手を握っていた。両手で包み込むように握っていた。
「温かい……でしょう?」
「ああ……。」
「落ち着くでしょう……?」
「ああ……。」
「まさか……手を握って貰った側の私が……先輩をなだめるだなんて……思ってませんでしたよ……。」
「ありがとう……。」
「感謝する側なのは私です。さっきまでそれで安心していたんですから。」
「でも、今して貰ってるのは僕の方だ。本当にありがとう。言う準備ができたよ。もう逃げない。」
それに、少し前にもう越えていたんだ。過去という壁はアイツとであった日に。アイツに関わった時点で僕はもう壁を上りきっていたんだ。帰ったらアイツに感謝しなくちゃな。
(あとがき)
どうもそろそろ心がきつくなってきたしらす(仮)です。次回、ついに空くんの過去が判明するわけですが、まあ、大体予想はつくと思います。さて、話が変わるんですが、最近アイツって言葉を使いすぎな気がするんですよね。いや、人物を特定させないようにするために使ってるんですけど、ちょっとうるさいですよね。傍点も使いまくってますし。視覚的にノイズになっていたらすみません。それは私の未熟故でございます。ところで、この作品、処女作としてはどれ程のできなんてしょうか?頑張ってはみてるんですけど、やっぱり言葉の扱いになれていないし、伏線とかうまく張れないし、まだまだ粗削りだとは思いますが今後もしらす(仮)をよろしくお願いします。以上、次回に過去回想を持っていきたかったがために今回の文字数が少ないしらす(仮)でした。
「た、ただいま……。」
「どうかしましたか、天海空さん?元気がなさそうに見えますが……それに顔色も悪いですし……。」
「大丈夫だよ……少し疲れてるだけ……。」
「そうですか。疲れた体には温かいお風呂がいいと思います。」
「ああ、それじゃあ準備してくれる?」
「はい。わかりました。」
そうして雫はその場を去った。僕は自分の部屋へ行き考え事をしながら制服を脱ぎ着替える。さて、これからどうするか。桃の回りにある問題は二つ。いじめと親。だが、まだ、親は僕の推測にすぎない。だが、ほぼ確信がある。僕の親のような張り付けただけの笑顔と優しさ。あの面の裏では自分のことしか考えちゃいない。そして、もし僕の親と同じ……もしくは似ているのなら、誰かの助けは借りれない。暴力などわかりやすいものじゃないから。だから、解決できるのは僕かアイツ自身。とはいえ、さっき言った通りこれは推測でしかない。できれば、僕の勘違いであって欲しい。取り敢えずまずはいじめの方の対処をしなくては……。なぁんで僕はここまで考えてるんだ?アイツと関わり始めたのはここ最近だって言うのに……やっぱり、僕は何も変わってないんだな。あの日以来、傷つくのを恐れ人と関わるのを避けてきた僕だというのに……結局同じことに首を突っ込んで同じように悩んでるなんて……
「僕はやっぱり馬鹿なんだろうな……。」
そんなことを呟きながら天井を見上げる。そして、誰もいない虚空へ向かって僕は問う。
「お前は今の僕を見てどう思う……?馬鹿らしく思うか?お前の最期の問いに答えられなかった僕が同じことを繰り返してるんだぜ?」
きっとアイツなら「君らしいね。」ってそう言うんだろうな。
暫くしそうやって天井を見上げていると。雫が部屋に入ってきた。
「お風呂、溜まりましたよ。」
「じゃあ、風呂入ってくる。夕食、楽しみにしてるよ。」
「まあ、まだ、大したものが作れる程余裕はないですけどね。」
「それは君のせいなわけだけど。」
そう言いながら僕は着替えを持って退室しようとした。そのときだった。雫は後ろからこう言った。
「悩みがあるならいつでも相談してくださいね。」
「困ったらそうさせて貰うよ。……それにしても……雫、人間らしくなったね。」
「?」
「わからないならそれでいいさ。僕が思ったことをそのまま言っただけだから気にしないで。」
そう言って僕はその場を去った。
脱衣所で服を脱ぎ浴室へ向かう。そして湯船に浸かる。疲れが一気に抜けていく。
「はああぁぁ……。」
思わず大きく息を吐いてしまう。明日、どうなるかな?いや、きっと今日とそう変わらないんだろうな。午前をだらけて過ごし、昼を桃と一緒に食べ、放課後まで眠った後、桃と一緒に帰る。……これだけ見たら僕ら付き合ってるみたいだな。……彼女……かあ……今まで考えたことなかったな。茜が泊まった日にそんな話をした気もするが、ちゃんと考えたことはなかったな。ただ、僕みたいな人間には彼女だなんて勿体無いとしか思ってなかったし……。でも、もし知り合いで一人選ぶなら……アイツ……かな……?
その後、暫く湯船に浸かった後、全身を洗い、風呂から上がった。そして、夕食をすませ、その日は眠りについた。夢は見なかった。
翌朝、朝食をすませた僕は学校へ行く準備をしていた。そこでとあることに気付く。
「あ、上着ない……。」
そういえば、昨日桃に着せた後返して貰うのを忘れていたな。どうしようか?桃の家に行って返して貰うか、それとも学校で会うだろうからそのときに返して貰うか。間違いなく確実なのは前者だよな。そう考えた僕は準備を整えると桃の家へ向かった。あの母親がいなけりゃいいが……。
そうして、僕は家を出たのだが、何故かそこに、茜はいなかった。珍しいこともあるもんだなとそう思った。
そこへたどり着いた僕はインターホンを鳴らす。数秒後、扉が開き出てきたのは、桃の母親だった。
「あら、桃の彼氏さん?もしかして、桃を迎えに来てくれたのかしら?でもすみませんねぇ……家の子ったら熱だしちゃって。」
「え!?大丈夫なんですか!?」
「ええ、たぶんただの風邪ね。」
「ちょっと、会わせてくれませんか?」
「ええ、いいわよ。」
そうして僕はその人に桃の部屋まで案内された。
中にはいると桃がベッドの上で横になっていた。
「大丈夫か?」
「あ……先輩……なんで……来たんですか……?」
「君に上着貸したでしょ?それを取りに来たんだよ。そんで、来てみれば君が風邪引いたっていうから看病してあげようと思って。」
「学校は……?」
「一日くらい休んでも問題ないさ。」
「ダメ……ですよ……行って……ください……。もうすぐ……期末テスト……ですし……。」
そういえば、そうか。忘れていた。まあ、勉強しなくても赤点は取らない自身があるから大丈夫だけど。
「気にしなくていいよ。それなりに勉強できる方だし。」
「そう……ですか……。」
さて、看病するとは言ったものの何をすればいいんだ?
「君、何か欲しいものってある?」
「いや……お腹もすいてないですし……喉も乾いてないです……。あ……それじゃあ……」
「なんだ?何が欲しい?」
「今日は……ずっと……一緒にいて……ください……。」
「別にいいけど……そんなことでいいのか?もとからそのつもりだったし……。」
そう言いながら、僕は彼女の近くに会った椅子に座った。
「じゃあ……私の、手……握って……いてください……。」
そう言われたので僕はその手を握ってあげた。
「はい、これでどう?」
「温かい……ありがとうございます……。」
「でも、本当にこんなことでいいのか?」
「はい……これで……いいんです……。」
そうして暫くの沈黙が流れた。その沈黙を打ち破ったのは桃だった。
「先輩……。」
「ん?何?」
「先輩の……過去について……話してくれませんか……?」
「人が隠してるんだから聞かなくたっていいじゃないか。」
「でも……気になるんです……!」
「昨日言ったけど、これは今の君に言えるような話じゃない。でも、きっといつか話すときが来るよ。」
「なんで……話して……くれないんですか……?私が……先輩の……先輩の彼女になったら……教えてくれますか……!?」
「そうなると尚更教えられないかもしれない。きっと僕は好きな人に心配を掛けたくないだろうから。」
「じゃあ……じゃあ、いつ教えてくれるんですか!」
それは桃の口からは発せられるとは思っていなかった、叫び声だった。
「いつか……いつかきっと教えるから。ただ、今はそのときじゃない……。」
「そのいつかは……いつなんですか!?」
「っ……!」
答えられなかった。僕自身、あの事件を考えたくはなかった。闇に包まれた事件から目を背けたかった。だが、今僕の目の前にはアイツらと同じく、いじめにあっている奴がいた。四年前のあの事件は、今、逃げ続けた僕の正面に立ち塞がっていた。
「君にとって僕の過去なんてどうだっていいはずだ!何故、そんなにも聞きたがる?人が隠している秘密を暴こうとする?」
「私にとって……先輩の過去なんて……どうだっていい……それはその通りです……。けど!」
桃は語気を強くして言葉を発した。
「これ以上先輩を見ていられないんです!過去にあった何かから逃げながらも……過去と同じような現場に会いたくないという一心で私を助ける。けど、それって結局、過去を恐れて前に進めてないってことなんじゃないですか!?そんな先輩に助けられても嬉しくなんかありません!そんな先輩……情けなくて……見てられません……。」
その言葉は僕の心に深く突き刺さった。そうだ。これは逃げに過ぎない。四年間ずっと逃げてきた。自分が傷つくのを恐れてもう秋葉茜以外と関わらないと決めた。けれど、逃げたからって過去は消えない。いつだって僕の前に現れる。そう、今のように、恐ろしく高い壁として僕の前に現れる。
「だから……教えてください……。先輩の……過去に……何があったんですか……?」
話すしかないのだろうか?あの事件を……。僕はあの事件に向き合わなければ行けないのだろうか……?いや、きっと向き合うべきなのだ。そんなこと、ずっとわかっていた。でも……怖い。恐怖心が僕を支配した。言葉を発したくても、口が開かない。思い出そうとすると気分が悪くなる。
「だ……ダメだ……。言えない……思い出したく……ない……。」
一種の錯乱状態に陥ってしまった。目の前が真っ暗になる。そして、思い出されるのは真っ赤な鮮血。恐怖で立っていられなくなった僕はうずくまってしまった。そんなとき、暖かな感触があった。顔を上げそちらを向くと桃が僕の手を握っていた。両手で包み込むように握っていた。
「温かい……でしょう?」
「ああ……。」
「落ち着くでしょう……?」
「ああ……。」
「まさか……手を握って貰った側の私が……先輩をなだめるだなんて……思ってませんでしたよ……。」
「ありがとう……。」
「感謝する側なのは私です。さっきまでそれで安心していたんですから。」
「でも、今して貰ってるのは僕の方だ。本当にありがとう。言う準備ができたよ。もう逃げない。」
それに、少し前にもう越えていたんだ。過去という壁はアイツとであった日に。アイツに関わった時点で僕はもう壁を上りきっていたんだ。帰ったらアイツに感謝しなくちゃな。
(あとがき)
どうもそろそろ心がきつくなってきたしらす(仮)です。次回、ついに空くんの過去が判明するわけですが、まあ、大体予想はつくと思います。さて、話が変わるんですが、最近アイツって言葉を使いすぎな気がするんですよね。いや、人物を特定させないようにするために使ってるんですけど、ちょっとうるさいですよね。傍点も使いまくってますし。視覚的にノイズになっていたらすみません。それは私の未熟故でございます。ところで、この作品、処女作としてはどれ程のできなんてしょうか?頑張ってはみてるんですけど、やっぱり言葉の扱いになれていないし、伏線とかうまく張れないし、まだまだ粗削りだとは思いますが今後もしらす(仮)をよろしくお願いします。以上、次回に過去回想を持っていきたかったがために今回の文字数が少ないしらす(仮)でした。
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