「世界はオモロイ」3部作 第1部 転生のアメリカ編

レオ

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VOL34 「緊迫の密室」

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ー転生のアメリカ編 VOL34ー
「緊迫の密室」
ニューヨーク 1990年3月

ー前回からの続きー

ベッドに寝転がってただぼんやりする。
何がなんだかよくわからない。
究極の緊張状態から解放されて
頭が働かない。
殺人鬼か強盗が今まさに
この部屋に突入してくる!?
俺がバカで勝手に妄想を拡げすぎて
パニックになって
皆に迷惑をかけてしまったのか??
凶暴な事件がしょっちゅう起きる
この街に勤めるあの警官は通報から
わずか数分で、ものすごく緊張して
ここに駆けつけてきたんやろか?
向かいの部屋の白人は俺に疑われた
と感じて気を悪くしてないんやろか?
ホテル経営者のおばちゃんは
突然明け方に電話で起こされて
警察を呼ぶことになって
何事が起こったのかと
キモを冷やしたんやろか?

緊迫した空気、、、、
鉄のドアを蹴り続ける凄まじい音、、
怖い顔のでかい黒人警官、、、、
警官の後ろでオロオロする
中国人のパジャマおばちゃん、、、、
絨毯の床に座ったまま
ヘラヘラ笑う若い白人男、、、、。
まさに映画のシーンみたいだった。

ここは、、、どこだ、、、、、、。
なんで俺はこんなところに
ひとりでいるんだ、、、、。

3時間くらい寝たんやろか。
明け方のことを思い出して
あれは夢やったのかも?と思う。
あまりに現実離れした体験のように感じる。
とにかく出かけるか。
まずは朝メシやっ。

着替えてサブバッグを担いで部屋を出る。
、、、、やっぱり夢やなかったんや。
なんとドアを出た床にはヘラヘラ野郎が
食べていたいくつものスナック菓子の
袋がそのまま拡げられていた、、、、。

長い廊下を歩いてエレベーターに着いた。
3人乗っていてちょうどドアが
閉まるところに滑り込む。
よかった。 間に合った。
ふと見ると1人はなんと
あのヘラヘラ野郎やないかっ!
ということはあとの2人は、、、、。
彼の「ボス」と「兄貴」だ。
でかい、、、、、、、、。
俺(172cm)と同じくらいの
身長のヘラヘラ野郎に対し、
2人とも190cmくらいある。
彼らは
「コイツ、
警察なんか呼びやがってえ!」
と怒ってないんやろか?
もし今ここで3人に襲われたら、、?
うわあーっ、
えらいタイミングで乗ってしまった!
なんでよりによってこんな場面に
遭遇するねん!
四角い密室の中、
またも新たな緊張感に包まれる。
このエレベーターは、、、、、
めちゃくちゃ遅いんだっ。
現在11階。

こ、ここは先手を打っておかねばっ!
俺はニコヤカにヘラヘラ野郎に
「今朝はゴメンねえ。
ボクの勘違いで警察なんかが
来てしまって。」
と言い、
あとの2人にも「Hi!」と微笑む。
「ボス」と「兄貴」も俺に
静かに微笑み返す。
お、怒ってないかなっ?

チラッと階数表示を見るとまだ9階。
このノロマのエレベーターがあ!
ち、沈黙が怖い。 何か話さないと。
「どこから来たの?」
「オーストラリア。 メルボルンだ。
君は?」
「ボクは日本。 大阪から。」
まだ6階かあ!

「ここにはどれくらい滞在したの?」
「1週間かな。」
「ボクは昨日来てあと4泊するよ。」
4階、、、、。 早く、早くうー!

「いつオーストラリアに戻るの?」
「今から空港に向かうんだよ。」
「そう。ニューヨーク楽しかった?」
「エキサイティングな街だったよ。」
2階、、、、、、、、。

「、、、、(沈黙)、、、、。」
1階。 
着いたあー。 ぷはあーーっ。

「んじゃ気をつけてねー。」
「キミもね。 じゃあ!」
ふうううっ。
何事も起こらんかったあー。
もう朝からカンベンしてくれよなー。

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