「世界はオモロイ」3部作 第1部 転生のアメリカ編

レオ

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VOL31 「ダークウォーター」

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ー転生のアメリカ編 VOL31ー
「ダークウォーター」
ニューヨーク 1990年3月

今夜の宿を決めた。
ここでは特に治安の良し悪しに
気を配るべきと思いまあまあキレイな
中級ホテルを選んだ。
優しそうな中国人夫婦の経営だ。
5連泊するからディスカウント
してくれと交渉してみるとあっさり
20%くらい引いてくれた。
2泊以上する時はダメで元々で
いちおう値切ってみる。
何回かに1回は意外と簡単に
OKしてくれる。
ガイドブックには必ず部屋を見てから
泊まるかどうか決めるようにと
よく書いてあるけど、
俺はたいてい気にしないで
チェックインする。
あまりひどい状況の時は部屋を
替えてもらうがそういうことは滅多にない。
(※ロンドンでは歩き回って
やっと見つけた安い宿で
いちばん安い部屋に決めた。
カートを転がして長い廊下を歩いて
階段を登って,なぜか下って,
また登って下ってというフシギな構造の
安ホテルを端まで突っ切ってやっと着いた
その部屋は窓が1つもなくベッドと小さい
テーブルで床面積の95%くらいが
占められている「独房」のような
部屋だった。
この時はさすがに慌ててフロントへ
走って戻って1ランク上の部屋に
替えてもらった。)

めちゃくちゃ遅いエレベーターで
11階まで上がる。
(※あとであちこちの国へ行って
わかったけど、日本で一般的に
使ってるような現代的な見た目で
スムーズで速いものは
世界ではあたりまえではない。)

早速シャワーを浴びようと
バスに湯を貯めるとビックリ!
なんとプシュプシュプシュッ!という
不規則な音とともに茶色い
サビだらけの湯が出てきたのである。
深さ10センチ位ですでに
底が見えなくなった。
(※まるであとでDVDで観た
「ダークウォーター」みたい)

さすがにこれはアカンとフロントに
電話してオヤジに来てもらい、
茶色い湯を見せるが、
意外と彼は慌てもせずに
別の部屋に俺を案内した。
オヤジが試しに湯を出してみると
そこでもやっぱり茶色い。
彼は
「この辺はどこもまあこんなもんだ。
しばらく使ってなかったからかもね。
5分位出しっぱなしにしてたら
きっとマシになるよ。」
と言った。
おいおいー!
ホンマにここはあの世界の大都市
ニューヨークなのかあ!
これで「中級」ホテルなのかあ?
今さらまた宿を探して大きな荷物を
背負って歩き回るのもイヤなんで
ガマンすることにした。
10分以上湯を出しっぱなしにしたら
確かに「マシ」にはなったけど
やっぱりうっすら茶色いままだった。
歯を磨こうと洗面所の水を出すと
今度は白っぽい水が出て
少し薬っぽい匂いがした。
ううーーーむ、ここで5泊かあ。
(※これもあとで知ったけど
ニューヨークのビルやホテルは大抵は
屋上に貯水タンクが設置されている。
テレビででっかい「木製の」樽をビルの
屋上で職人が組み立てるところを観た。
ということはあのサビはタンクでなく
配水管から出たもの?
白っぽい水はまた別のルートで
引いてきてるのだろうか?
あの薬っぽい匂いの正体は?
ナゾだ。
ちなみにこの2年後にニューヨークで
別の中級ホテルに泊まった時も
やっぱり茶色い湯だった。)

ダあークウォータああああー。

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