「世界はオモロイ」3部作　第1部　転生のアメリカ編

レオ

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VOL27　「チアリーディング合戦！」

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ー転生のアメリカ編　VOL２７ー
「チアリーディング合戦！」
ニューオーリンズ　１９９０年３月

ー前回からの続きー

タイムがかかり、ゲームが中断される。
するとゴールの奥に待機していた
チアガールとチアボーイ？が10数人
コートにどどおーっと
なだれ込んできた。
1人はバク転の連続から後方宙返り
というハデな登場だ。
ベアーズのマスコットキャラクターの
クマの着ぐるみも出てくる。
ゴールの奥でブラスバンドが賑やかに
演奏するとそれに合わせてポーズを
揃えて自分のチームの応援の
掛け声をかける。
「ＧＯ！　ＧＯ！　ＬＥＴ’Ｓ　ＧＯ！　
１発ぶちかませベアーズ！」
数万人！！の観客に向かって
彼らが声を張り上げてアピールすると
ベアーズファンはプラカードや
デカイ垂れ幕を掲げてそれに熱く応える。
立ち上がって叫ぶ人もいる。
もちろん俺の隣のアツイにーちゃんは
立ち上がって大声で叫んでいる。

続いてチアメンバーは男女の組になり
男が女を抱えたり持ち上げたり
空中高くに放り投げて
受け止めたりする大技を見せる。
拍手と声援がスーパードームに
怒涛のように渦巻く。
テレビと違ってライヴは
やっぱりすごい迫力だあ。
うっひゃあ！　
オモロイなあ！　コレ！
これがこっちのティーンエイジャー達
の憧れの的のチアリーディングかあ。

チアメンバー達がコートから
出て行くとさあ試合再開だ。
眩しいライトの下での華麗な
ダンクシュートが会場に設置された
いくつもの巨大なスクリーンに
鮮やかに映し出される。
カメラが観客席を映すと
ポップコーンを食べてる自分が
スクリーンに映ってることに
気づいた若い白人の女の口が
「Oh,　my　God！」
と動くのがわかる。
彼女は驚いて隣の友達と
コーフンしてはしゃぐ。

「タイム！」
今度はビーズのチアメンバー達の登場だ。
こっちもベアーズに負けずに
華々しく舞う。
みんな堂々としててカッコイイなあ！
ハチの着ぐるみがオシリを振ってる。
俺の隣の家族も楽しそうに叫ぶ。
ベアーズのクマの着ぐるみが
コートに乱入してくると、
ハチとボクシングのマネをして
観客を笑わせる。
どっちかのチームからタイムが
かかるたびに交代でチアメンバー達が
コートに飛び出してきて、
迫力あるブラスバンドに合わせて
観客とともに力強い声援を送るのだ。
これはもはや壮大なショーである。

10点も差がつかないシーソーゲームが
続き、どっちが勝ったかは忘れたけど
93対91という僅差で激しい試合は
幕を閉じたのだった。
（数日後ニューヨークへ渡る
空港のロビーでおばちゃんが
読んでる新聞の1面にデカデカと
「93ー91」という数字が見えて
ハッとする。
おばちゃんに
「この試合をライヴで観たよ。」
と告げると
「いい試合を観てよかったわねえ！」
と喜んでくれた。
（たまたまテキトーに観にいった
この試合は東アメリカか、
ルイジアナ州かなんかの大会の決勝で
TV放映もされていたのであった。）

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