「世界はオモロイ」3部作 第1部 転生のアメリカ編

レオ

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VOL18 「空飛ぶ軽四?」

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ー転生のアメリカ編 VOL18ー
「空飛ぶ軽四?」
グランドキャニオン 1990年3月

ラスベガスに来たらぜひ寄ってほしい所は
ココである。
グランドキャニオン。
テレビで何度も観てここにはいつか
行きたいと思っていた。
シーザースパレス(ホテル)に
「オム二マックス」という
すごい映像体験をできるものがある。
以前神戸ポートピアランドで公開
された時は長蛇の列ができたようだ。
ここでグランドキャニオンの映像を観た。
峡谷の間をセスナで飛び、
機体に設置されたいくつかのカメラで
撮影したものを観るわけだが
コレがすごい!!
360度画面だけでもかなりリアルなのに
このオムニマックスの建物は
球体になっていてプラネタリウムのように
天井にも画像が映し出される。
しかし!
オドロクのはまだ早かった!
なんと!
まさかの足の下までがすべて
スクリーンとなっていたのであった!!
「こ! これはあー!!」
前後上下左右どの方向を向いても
スクリーンなのだ!!
圧倒されそうな臨場感の中で
俺はもうほとんどグランドキャ二オンを観て
カラアゲ弁当大盛りを食べたような
満腹気分になっていた。
(ただし画像はすごいが内容は退屈で残念)

「あれを観たし、もう行く必要ないかあ。」
翌日に現地へ行くのを迷い出した。
なんといってもツアー料金が
けっこう高いのだ。
いろんなコースがあるけど、俺が選んだ
セスナで往復して現地で歩くタイプ
(昼食付き)で、半日なのに160ドル
(当時約24000円)もする。
でも結局は行くことにした。
初めてのセスナ体験だ。
モーテルで送迎のマイクロバスに
ピックアップされて見るからに
セスナ用みたいな小さな空港に到着。
デカイ空港ばかり見てきた俺の目には
新鮮に映る。
離着陸するオモチャっぽい機体を見て
ウキウキする。
「飛行機といってもこれはまったくの
別物やなあ。」
同じ番号札を持たされたメンバーが
呼び集められる。
「んんーー? 4人? 他のヒトはあ?」
赤ら顔のパイロットが
にこやかに登場して握手する。
彼についていくがやっぱり俺らだけ。
他のセスナは10人くらい乗ってたみたい
だったからまさかなあ?と思ったが
案内されたのはやはり4人用だった。

「マジかあ!? ち、小さい!!!
こんなんでダイジョーブなんか!?」
長さは5mくらいだろうか?
クルマよりちょっぴり長いくらいだ。
乗り込んでみるとやはり狭い。
ホンマに狭い!
軽四みたいだ。
幅は1m50cmもないのでは?
パイロットはクルマと同じように
俺の目の前の席にいる。
俺のわずか1m余り前には計器類が
並んでいるのだ。
ううううううーーーむ。
あ、あまりに小さすぎる、、、、。
ウキウキ気分から一転して
一気に不安が湧き上がる。
俺は以前に聞いてた「ウワサ」を
思い出していた。
グランドキャニオンは特殊な地形で
そのあまりに大きい高低さで
気圧が不安定になりやすく
セスナやヘリコプターが時々墜落する
というオソロシイ話だ。
それを聞いた時は
「ふううん、そうなんやあ。」
と言ってたが、今それは俺にとって
まさに他人事ではないのであった。
そして30分後、一生しなくてもいい
体験をすることになろうとは、、、。

(次回「つ、墜落!?」に続く。ドキドキっ。)
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