「世界はオモロイ」3部作 第1部 転生のアメリカ編

レオ

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VOL12 「100ドル紙幣をベッドの上でバラ撒く」

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ー転生のアメリカ編 VOL12ー
「100ドル紙幣をベッドの上でバラ撒く」
ラスベガス 1990年3月

ラスベガスに滞在して5日目ー。
昨日、おとついと夜にショーを
観にいった以外ほとんど
ずうっとカジノ浸けだ。
ここまで4日間全勝。
「チョーシえーぞお!」
ここに来るまで見たこともなかった
「100ドル紙幣」が増えていく。
毎日ベッドの上でバラ撒いて喜ぶ。
旅行をしてるのに
毎日お金が増えていくなんてウソみたいや!
昨日までで22万円以上勝っている。

ごく簡単にルーレットの払い戻しの
説明をしよう。
ルーレットテーブルの上に0、00、
そして1~36の数字が横3×縦12列に並べて
書いてある。
(ヨーロッパなどでは00はない)
0と00を除いた数字が「36個」
というのを基準にして、当てた時に
払い戻される倍率が決まっている。
例えば17という数字の上に
1枚チップを張って当たれば、
36分の1の確立=36倍で36枚になる。
2枚張ったのなら72枚に。
もし17と18の2ヶ所にまたがって
5枚張ったのなら
36分の2=18倍で、5枚やから90枚になる。
ようするに当たる確立が少ない張り方ほど
もちろん当たりにくいけど、
当たった時は反比例して
多く払い戻されるわけだ。

大体俺のいつもの張り方はこんな感じ。
1ドルチップで1、3、5、7、9とか
数字1点張り(当たれば36倍)5ヶ所と、
3ドルずつ1-2-3とか13-14-15の
横並びのライン
(当たれば12倍)5ヶ所に賭ける。
はずれたら適当に張る数字は
変えたりするけど同じ張り方を
繰り返していく。
もし1点張りが当たったらそのままの
5つの数字に倍の2ドルずつ賭ける。
また当たったら3ドルずつ。
1点張りの配当は36倍。
3枚で当たれば108ドル
(当時の約1万6千円)もらえる。
ノッてくると1点張り3回連続
くらいは当たる。

そうしながら常に赤、黒の出方を観察する。
どちらかが3、4回続いて出ると
50または100ドル、場合によってはもっと
大金を続いて出ている色の反対に賭ける。
外れたら倍額、また外れたらその倍額を
賭け続ける。
(実はこの倍賭けは
全く勝算があるわけではない愚かな考えで
大変キケン。
よい子はゼーッタイ真似をしないように!)

この滞在での最高は1000ドル
(当時の約15万円)を赤に賭けた。
こんな風に1度にちょっと大きい金額を
張るとディーラーは俺以外に数人
プレイヤーがいてもプレイを中断し、
ちょっと緊張した表情で
マネージャーを呼ぶ。
突然汚いジーンズ、ジージャン姿で
100ドル札10枚を無表情
(内心ドッキドキ!)
に張るナゾの東洋人の方を見ながら
2人でヒソヒソと話をする。
まあいつものことだ。
別のホテルのカジノでも同じ経験をした。
他のプレイヤーもヒソヒソ話しながら
俺に注目する。

マネージャーもジッと見つめる中、
さあプレイ再開だ。
「勝負や!」
ホイールの上を白い玉が跳ね回っている間
ただ祈るだけだ。
当たる確立は0と00も含めて
38ある数字のうちの赤の18ヶ所、半分弱。
当たれば30万円に、外れればゼロになる。
(赤、赤、赤、赤やでえ、、、、、、。)
座ってるだけでこんなに心臓が
ドキン!ドキン!するなんてことは
他に経験がない。
俺は顔の前で両手を握って
ホイールを見据える。
(ゼッタイ来る!)
、、、、、、、、コトッ。「9、Red.」
「はあああああああーーーーっ!!!」
大きく息を吐いてテーブルに伏せる。
(やったっ!!)
顔を上げると周りのプレイヤーが
興奮した表情で
「Great!!」とか言ってくれる。
隣の席の知らないおばちゃんも
肩をぎゅううっと抱いてくれる。
この日初めて前半かなり負けて
苦戦したけどなんとか巻き返す。
やめる時、テーブルの上には
50万円分以上のチップの山があった。
前半負けてた分と元手も差し引いて、
結局今日は今までで最高の17万円勝ちだ。

席を立つとマネージャーが追いかけてきて
「あなたは素晴らしいプレイヤーだ。」
と握手を求めてきた。
なぜか紙に名まえや国籍を書いてくれ
と頼まれた。
5泊の滞在の間でこんなことが
別のホテルであと2、3度あった。
う~~ん、この程度の額でマークされる
とはとても思えんが???

それにしても昨日、
ルーレットの席に座っている俺の後ろから
突然100ドルチップの塊を持った手を
伸ばしてゲームに参加してきた男。
アイツは一体何者なのだ?
それは一生忘れられない
10分間の出来事だった、、、、。

(次回「奇跡のギャンブラーを見た!!!」
に続く)
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