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VOL2 「イナズマヘッド」
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ー転生のアメリカ編 VOL2ー
「イナズマヘッド」
ロスアンゼルス 1990年3月
ー前回からの続きー
「ヘイ!ミスター!」
身長2m近いヒョロッとした黒人が
軽い調子で叫ぶ。
二グロヘアーで全体をなぜか
1cmくらいの幅のイナズマ模様に
剃ってある。
なんというカゲキなヘアスタイルだ!
あたりを見渡すとさっきまで
大勢いたのにいつのまにかなんと
俺ひとりになっているではないかっ!
あの恐ろしい人喰い人種はまさか
この俺に声をかけているのか!?
「ダウンタウンへ行くんだろ?
俺のクルマに乗っていきなっ。」
って言ってるような?
空港からダウンタウンまでは
ある会社のシャトルバスという
乗り合いバンに乗るのが安くていい、
と「地球の歩き方」に書いてた。
「あんなヤツの車に乗ったら
殺される。」
無視して100mほど先の「歩き方」
に書いてあるチケットブースへ
向かう。
「親切な日本人がいるから安心」
と書いてあった。
しかし!!
そこには機嫌の悪そーおな
怖い目をした黒人の女がいた。
「ハ、ハナシと違う~!」
ガラス越しにマイクで恐る恐る
乗りたいシャトルバスの話をすると、
物凄い早口でまくしたてられて
何を言ってるかさっぱりわからない。
俺が眉を寄せてわからない顔を
すればするほど彼女の口調は
イラついてくる。
「だからその会社はもう
つぶれたって言ってるでしょっ!!
あそこへ戻って他の会社のやつで
行きなっ!!」
とでも言ってたのだろうか?
シャトルバスの会社と運賃を
一覧に載せた紙を窓口のガラスの
下の隙間から突きつけられて
しぶしぶ退散する。
いきなり最初からつまづいて不安で、
ちょっぴりもうUターンして
日本に帰りたくなる。
仕方なく元の場所へ戻ると3、4台
シャトルバスが停まっている。
もらった紙の運賃と見比べていると
さっきのイナズマヘッドが
しつこく声をかけてくる。
なんかもうどーでもよくなってきて
コイツのに乗ろうと決めた。
「どうせ何かに乗らんと
ここから動かれへんねんから。
ビビってても何も解決せえへん。」
イナズマ号に乗ると先客で
白人夫婦(?)が乗っている。
「Hello!」
そうか乗り合いってこういうことか。
しばらく待って7人くらいで
満員になり、やっと出発。
乗客は全員白人だ。
イナズマヘッドが全員の宿泊する
ホテルの名まえを訊く。
順番に廻っていくのだ。
なぜか走り出してすぐに
彼は車を停めて降りると、
歩行者と何か話して戻ってきた。
ん?なんだ?
今、なんか小銭を渡してたぞ?
5分ほど走ってまた車を停めて
降りて戻ってくると乗客皆が
なんだかブーブー怒り出した。
彼はニガ笑いをしながら謝っている。
なんか「初めて」ということばを
口にしたぞ?
も、もしかして今日が初仕事お?
、、、、そうみたいだった。
彼はド素人で道がわからないのだ。
それからも時々降りては
道を訊いているようだ。
それで皆ボヤいてるのかあ。
なんか困った顔をして一生懸命仕事を
しているイナズマヘッドを見てると、
あんなコワそうなヘアスタイルやけど
べつに悪い人ってわけやないんやなあ
と今さらながらヒトを見かけで
判断したらあかんと思った。
「それにしたって、、、、キミは
特別コワすぎるっちゅーねん!」
(次回「キョーフの洗礼」に続く)
「イナズマヘッド」
ロスアンゼルス 1990年3月
ー前回からの続きー
「ヘイ!ミスター!」
身長2m近いヒョロッとした黒人が
軽い調子で叫ぶ。
二グロヘアーで全体をなぜか
1cmくらいの幅のイナズマ模様に
剃ってある。
なんというカゲキなヘアスタイルだ!
あたりを見渡すとさっきまで
大勢いたのにいつのまにかなんと
俺ひとりになっているではないかっ!
あの恐ろしい人喰い人種はまさか
この俺に声をかけているのか!?
「ダウンタウンへ行くんだろ?
俺のクルマに乗っていきなっ。」
って言ってるような?
空港からダウンタウンまでは
ある会社のシャトルバスという
乗り合いバンに乗るのが安くていい、
と「地球の歩き方」に書いてた。
「あんなヤツの車に乗ったら
殺される。」
無視して100mほど先の「歩き方」
に書いてあるチケットブースへ
向かう。
「親切な日本人がいるから安心」
と書いてあった。
しかし!!
そこには機嫌の悪そーおな
怖い目をした黒人の女がいた。
「ハ、ハナシと違う~!」
ガラス越しにマイクで恐る恐る
乗りたいシャトルバスの話をすると、
物凄い早口でまくしたてられて
何を言ってるかさっぱりわからない。
俺が眉を寄せてわからない顔を
すればするほど彼女の口調は
イラついてくる。
「だからその会社はもう
つぶれたって言ってるでしょっ!!
あそこへ戻って他の会社のやつで
行きなっ!!」
とでも言ってたのだろうか?
シャトルバスの会社と運賃を
一覧に載せた紙を窓口のガラスの
下の隙間から突きつけられて
しぶしぶ退散する。
いきなり最初からつまづいて不安で、
ちょっぴりもうUターンして
日本に帰りたくなる。
仕方なく元の場所へ戻ると3、4台
シャトルバスが停まっている。
もらった紙の運賃と見比べていると
さっきのイナズマヘッドが
しつこく声をかけてくる。
なんかもうどーでもよくなってきて
コイツのに乗ろうと決めた。
「どうせ何かに乗らんと
ここから動かれへんねんから。
ビビってても何も解決せえへん。」
イナズマ号に乗ると先客で
白人夫婦(?)が乗っている。
「Hello!」
そうか乗り合いってこういうことか。
しばらく待って7人くらいで
満員になり、やっと出発。
乗客は全員白人だ。
イナズマヘッドが全員の宿泊する
ホテルの名まえを訊く。
順番に廻っていくのだ。
なぜか走り出してすぐに
彼は車を停めて降りると、
歩行者と何か話して戻ってきた。
ん?なんだ?
今、なんか小銭を渡してたぞ?
5分ほど走ってまた車を停めて
降りて戻ってくると乗客皆が
なんだかブーブー怒り出した。
彼はニガ笑いをしながら謝っている。
なんか「初めて」ということばを
口にしたぞ?
も、もしかして今日が初仕事お?
、、、、そうみたいだった。
彼はド素人で道がわからないのだ。
それからも時々降りては
道を訊いているようだ。
それで皆ボヤいてるのかあ。
なんか困った顔をして一生懸命仕事を
しているイナズマヘッドを見てると、
あんなコワそうなヘアスタイルやけど
べつに悪い人ってわけやないんやなあ
と今さらながらヒトを見かけで
判断したらあかんと思った。
「それにしたって、、、、キミは
特別コワすぎるっちゅーねん!」
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