おとめくんの日常

可愛おとめ

文字の大きさ
上 下
63 / 64

好きになった瞬間

しおりを挟む
 なっつーの別荘で遊んだのは楽しかった。
 その分、戻ってくると日常が少し嫌になる
 お「はぁ…ずっとふゆくんといたかった」
 な「ふゆくん好きだね~。そろそろ遅刻しちゃうよ!ほら制服着て」
 お「今日は休もうかな…」
 な「単位足りないでしょ?」
 お「やだ~」
 な「うぅ…可愛い」
 お「ふゆくんに会うためにも行きますか」
 な「うん!」
 正直朝から行くのは辛い。昨日とか疲れたし、体育もあったはず…
 なつめさんには悪いけど休憩時間があっても、昼休みじゃないと長くいられないし。

 そして昼休み前…少し早めに着いてしまった。
 あと十分はまだ授業がある。
 教室に入るのは少し勇気がいる為、屋上に向かうとラッキー。鍵が空いてた。
 ガチャ
 授業中だし誰もいないと思ったが話し声が聞こえる
 入り口からだとよく聞こえない…近づいてみると聞き覚えのあるふゆくんの声がした。
 どうやらスマホで電話してたみたいだ。
 ピッ
 ふゆくん「…先輩?」
 気づかれた!
 お「偶然ですね。ふゆくんは電話してたんですか?」
 ふゆくん「はい。先輩は今来たんですか?」
 そりゃカバンとか持ったままだからそう思われるだろうな。
 お「ふゆくん授業はサボりですか?」
 ふゆくん「先輩やなっつーじゃありませんし、あいりが熱出したみたいで今から行ってきます。あ、早退するってアッキーでいいや。伝えといて下さい」
 そう言ってすぐに行ってしまった。
 お「はぁ…もっと話したかったな」
 ガチャ
 アッキー「お?なんだ先客いたのか」
 お「伝言です。ふゆくん早退だそうですよ。」
 アッキー「だからカバンとか持って帰ったのか!」
 お「普通その時点で気づくと思いますけど」
 アッキー「じゃ先生に言ってくるわ。弁当持ってて」
 お「意外と綺麗な弁当」
 アッキーにしてはすごく意外なピンクの布に包まれている。
 勝手に開けると結構美味しそう…卵焼きやハンバーグ。色とりどりの弁当だ
 数分後…
 アッキー「待たせたな!あー腹減った」
 お「アッキーさんのお弁当、ご飯だけとか冷凍のだと思ってました」
 アッキー「そうだろー?ちゃんと作って…あ!勝手に食ってるし!」
 お「ごちそうさまです」
 アッキー「くぅ!5時おきで作ったのに…まぁいいけどよ。パンもあるし」
 お「アッキーさんは好きな人いますか?」
 アッキー「ゴホ…アニメのキャラだけだ」
 お「他の人に聞いてきます」
 アッキー「ひで」

 誰に聞こうか…とりあえず教室に行くと女子が何か盛り上がっていた。
 女子「ねえねえ!好きな人いる?」
 女子B「うーん?好きなのか分かんないけど」
 女子「恋愛の好きか、友情の好きか分からないなら教えてあげる!」
 女子B「ありがとうー」
 女子「まずは、その人が視界にいるとつい、目で追いかけちゃう」
 女子B「あー」
 女子「その2!その人の事でいつも頭がいっぱい」
 女子B「あるある」
 女子「その3!少し触れただけでもドキッとする」
 女子B「ひゃぁ」
 女子「とにかくドキドキが止まらないの!」
 女子「どう?当てはまるなら恋愛の好きだよ!」
 ゴンッ!
 女子「キャ!おとめ様!大丈夫?」
 思いっきり壁に頭を打ち付けてしまった
 お「大丈夫です…ちなみにそれってやっぱり…好きだったらその…告白するんですか?」
 女子「そりゃするんじゃないかな?告らないと始まらないし」
 お「そうですよね…」
 女子B「どうしたのかしら?おとめ様」
 はぁ…全部当てはまる

 放課後…
 帰ろうとしたら外が騒がしい。
 寮の生徒が変なでっかい機械で遊んでいた。
 男子A「お!おとめ様じゃん。今ウソ発見器で遊んでんだ~」
 男子B「おとめ様もやろうぜ」
 お「は?やりません」
 男子「ほらほら。1名様ご案内~」
 お「ちょ!離して下さい」
 無理やり腕を引っ張られ椅子に座らされた
 男子A「はい、これ被ってースイッチ・オン」
 男子B「質問に全て、いいえで答えて下さい」
 男子A「噂で聞いたんだけどー。おとめ様ってホモなんだろ?ほら答えろよ」
 お「…いいえ」
 ブーー!(発見器の音)
 男子B「うぉぉ!やべぇ」
 お「これ壊れてる可能性もあるんじゃないですか?」
 男子C「これは我らが何年もかけて作った機械!壊れるわけがない!」
 変なのが出てきた…
 男子A「ちなみにこの学校に好きな人はいますか?」
 お「いいえ」
 ブーー!
 男子B「またキター!やばいな!この機械」
 男子A「こいつがいつもウソついてる証拠なだけだろ?な?おとめ様」
 お「もういいですか?」
 帰ろうと立ち上がると無理やり頭を押さえつけられ座らされた。どうやって逃げよう…結構しんどい
 男子A「まだ逃げんなよ?次の質問~」
 男子B「じゃあ、好きな人は年下ですか?」
 お「いいえ」
 ブーー!
 男子A「いま集まってる1年狙われるぞー」
 男子1「やば…俺女が好きだからな。逃げろ~」
 お「もう嫌…」
 少し涙目になると聞き覚えのある声がした。
 ふゆくん「先輩!」
 男子A「何だ?今お楽しみなんだよね。後輩は邪魔すんな。先輩命令だぞ」
 ふゆくん「あの人達です。嫌がってる生徒をいじめてる先輩」
 指導教師「こらぁぁ!誰だ!そんな事する奴は!今すぐ捕まえて指導してやる!!」
 男子B「ひいぃ!鬼教師だー!」
 慌てて逃げる生徒を何人かすばやく捕まえて校舎に入っていった。
 お「すご…」

 ふゆくん「先輩。大丈夫ですか?」
 お「はい…ありがとうございました」
 ふゆくん「はぁ…全く。些細なことでもいいんで、すぐ呼んで下さい!先輩友達いなさそうだし」
 お「それは…まぁ少ないですけど…呼んでいいんですか?迷惑じゃ」
 ふゆくん「とっくに迷惑してるんで別にいいですよ。よっと…椅子にすごい固定されてましたね。」
 そう言ってぬいぐるみを持ち上げるようにされ 
 かあぁぁ(照れ)
 女子が話していた恋バナを思い出す…
 これでドキドキしないわけないじゃないですか!
 ふゆくん「先輩?顔赤いですよ?」
 熱を測る定番、おでこをコツンをされ
 お「ひぇぁ!あ、大丈夫です!とにかくありがとうございます!では、また明日!」
サササッー
 ヤバイヤバイヤバイ…どうしよう…好きになっちゃった。 
 
しおりを挟む

処理中です...