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三年生編
エピローグ2
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角倉グループは総合商社の「角倉TC」を頂点に、傘下に高級ホテル、旅館を運営する「角倉屋旅館」、和食、スイーツ、ベーカリーを提供する「&(アンド)スイーツ」、主に高層マンションを扱う不動産会社「角倉エステート」、経営コンサルタント会社の「角倉総研」などがある。いずれも名古屋に本社を置いている。
角倉グループの合同入社式は親会社の本社ビルの大会議室で行われた。
新入社員はグループ全体で約50人ほど。そこには俺の他、友巴ちゃんと帆乃花ちゃんもいた。
スーツ姿が初々しくもきれいに着こなしている2人に比べ俺はスーツに着られているようであった。
角倉TCの代表取締役社長、つまり角倉グループの頂点に立つあけみっちから直々に辞令をもらった。
俺たち3人は角倉TCに入社したのだが、あけみっちの指示により、俺は角倉総研、友巴ちゃんは&スイーツ、帆乃花ちゃんは角倉旅館に入社そうそう転籍出向となった。修行をしてこいということだ。
俺は東京、友巴ちゃんは京都、帆乃花ちゃんは北海道とバラバラになった。
東京では、サッチや木下が東京人の先輩としていろいろとサポートしてくれた。ちなみにサッチは今、タレントの卵としてテレビ番組にちょこちょこ出始めており、木下はサッチのマネージャーを苦労しながら務めている。
俺は、1年目から全国を飛び回ったが、京都と北海道に行くことが楽しみであった。
3年目がもうすぐ終わろうという3月下旬。
角倉TCの社長室で俺、友巴ちゃん、帆乃花ちゃんが立っている。目の前には角倉グループを束ねるあけみっちだ。
「3人ともセキ替えよ」
あけみっちが俺たちに放った言葉を理解できなかった。
「席替え?」
3人揃って反応する。
「転籍ってこと。3人ともこの3年間、各社で活躍していたようだし、転籍出向からこっちに戻すわ。つまり籍変え」
わ、わかりにくい……。
俺は社長室、帆乃花ちゃんが広報室、友巴ちゃんが海外戦略室に配属となった。
部署は違えど、同じ本社ビルの同じフロアで勤務することになる。
さっそく本社ビル内にあるカフェテリアで昼休みに集合となった。
「私、イギリス担当になるみたい。英語の力を活かしてイギリスにザ・和風旅館を作るのが夢だったから絶対実現させるわ」
「私は、サッチをCMモデルにするのが今の夢、というか目標かな。シュウゴくんは?」
「俺? 俺は……」
社長の部屋であけみっちと……。ではなくて。
「夢が途方すぎてまだ言えないから、あと2年待ってて」
「えー? 何、何?」
「2年後、ちゃんと教えてね。私、忘れないよ」
経営に直に携わった経験をもとに政治家になり、少子化対策として一夫多妻制を導入する。世の中をひっくり返すような途方もない夢だ。実現など果たしてできるのか。だが、友巴ちゃんと帆乃花ちゃんの2人を同時に妻したいという願望を全身に刻み、俺は進んでいく。
未来の2人の妻が、きれいな目で見つめてくる。
今でも友巴ちゃん、帆乃花ちゃんに見つめられると照れてしまう。
「外の桜が満開できれいだよ。2人みたいに」
友巴ちゃんと帆乃花ちゃんが顔を見合わせ笑う。
2年A組の席替えから始まった3人の恋は、卒業することなくこれからも永遠につむがれていくのだ。
【完】
----------------------------------------
ここまでお読みいただき、本当にありがとうありがとうございました。
時間ができたら、主人公が高校を卒業したあとをもう少し詳しく、またあけみっちの幼馴染、妹夫婦らも絡んできます。
もしよろしければお読みくださいませ。
角倉グループの合同入社式は親会社の本社ビルの大会議室で行われた。
新入社員はグループ全体で約50人ほど。そこには俺の他、友巴ちゃんと帆乃花ちゃんもいた。
スーツ姿が初々しくもきれいに着こなしている2人に比べ俺はスーツに着られているようであった。
角倉TCの代表取締役社長、つまり角倉グループの頂点に立つあけみっちから直々に辞令をもらった。
俺たち3人は角倉TCに入社したのだが、あけみっちの指示により、俺は角倉総研、友巴ちゃんは&スイーツ、帆乃花ちゃんは角倉旅館に入社そうそう転籍出向となった。修行をしてこいということだ。
俺は東京、友巴ちゃんは京都、帆乃花ちゃんは北海道とバラバラになった。
東京では、サッチや木下が東京人の先輩としていろいろとサポートしてくれた。ちなみにサッチは今、タレントの卵としてテレビ番組にちょこちょこ出始めており、木下はサッチのマネージャーを苦労しながら務めている。
俺は、1年目から全国を飛び回ったが、京都と北海道に行くことが楽しみであった。
3年目がもうすぐ終わろうという3月下旬。
角倉TCの社長室で俺、友巴ちゃん、帆乃花ちゃんが立っている。目の前には角倉グループを束ねるあけみっちだ。
「3人ともセキ替えよ」
あけみっちが俺たちに放った言葉を理解できなかった。
「席替え?」
3人揃って反応する。
「転籍ってこと。3人ともこの3年間、各社で活躍していたようだし、転籍出向からこっちに戻すわ。つまり籍変え」
わ、わかりにくい……。
俺は社長室、帆乃花ちゃんが広報室、友巴ちゃんが海外戦略室に配属となった。
部署は違えど、同じ本社ビルの同じフロアで勤務することになる。
さっそく本社ビル内にあるカフェテリアで昼休みに集合となった。
「私、イギリス担当になるみたい。英語の力を活かしてイギリスにザ・和風旅館を作るのが夢だったから絶対実現させるわ」
「私は、サッチをCMモデルにするのが今の夢、というか目標かな。シュウゴくんは?」
「俺? 俺は……」
社長の部屋であけみっちと……。ではなくて。
「夢が途方すぎてまだ言えないから、あと2年待ってて」
「えー? 何、何?」
「2年後、ちゃんと教えてね。私、忘れないよ」
経営に直に携わった経験をもとに政治家になり、少子化対策として一夫多妻制を導入する。世の中をひっくり返すような途方もない夢だ。実現など果たしてできるのか。だが、友巴ちゃんと帆乃花ちゃんの2人を同時に妻したいという願望を全身に刻み、俺は進んでいく。
未来の2人の妻が、きれいな目で見つめてくる。
今でも友巴ちゃん、帆乃花ちゃんに見つめられると照れてしまう。
「外の桜が満開できれいだよ。2人みたいに」
友巴ちゃんと帆乃花ちゃんが顔を見合わせ笑う。
2年A組の席替えから始まった3人の恋は、卒業することなくこれからも永遠につむがれていくのだ。
【完】
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ここまでお読みいただき、本当にありがとうありがとうございました。
時間ができたら、主人公が高校を卒業したあとをもう少し詳しく、またあけみっちの幼馴染、妹夫婦らも絡んできます。
もしよろしければお読みくださいませ。
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