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ミツハナ脱退編
誕生日会(帆乃花4)
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帆乃花ちゃん、すっぴんなのに可愛いな。
そう思い、俺は帆乃花ちゃんの寝顔を見つめている。
すでにカーテンの隙間からは冬晴れを思わせる光が差し込んでいる。
こちらに顔を向けている帆乃花ちゃんがゆっくりと目を開ける。
「誕生日おめでとう、帆乃花ちゃん」
「……。おはよう、シュウゴくん。ふふ、起きたらシュウゴくんがいるってすっごい新鮮」
「俺も。帆乃花ちゃん、裸のままで寒くなかった?」
「うん。私、裸族だって知ってるでしょ。それにシュウゴくんがピタッと引っ付いてたから温かかったし」
「あれ? 気づいてたの?」
「そりゃそうだよ。シュウゴくんのアレ、ずっと当たってたし」
「ご、ごめん」
「じゃあおわびに寝起きのキスして」
おわびでなくてもするつもりだったけど。
帆乃花ちゃんが俺の首に腕を回してきた。俺は帆乃花ちゃんの腰に腕を回し、帆乃花ちゃんの柔らかい唇に軽くキスをする。
「ふふっ。今何時?」
「7時くらいだよ。着替えて朝食バイキングに行こうか。パークの入園が9時だから、移動も考えると8時30分にはチェックアウトしないと」
「30分延ばそう」
「ん? 帆乃花ちゃん、オープン同時に入らなくていいの?」
「うん」
「準備に時間がかかりそう?」
「ううん。私の誕生日の朝一でしたいことするの」
そう言い帆乃花ちゃんは、朝立ちしている俺の竿を片手で握った。
どうやら昨晩からスイッチが入りっぱなしのようだ。
「ねえ、シュウゴくんのキスで私を濡らして……」
帆乃花ちゃんが俺の竿を優しくなでながらささやく。
俺は帆乃花ちゃんに覆い被さり、脇の下経由で帆乃花ちゃんの頭を抱えキスをした。
濃厚なキスをしていると帆乃花ちゃんが声を漏らしだした。
そこからは一連の流れだ。
朝から帆乃花ちゃんとエッチなことができるなんて、人生最高の朝だ。
「朝から最高のプレゼントだったよ。ありがとう、シュウゴくん」
「こちらこそ。ありがとう、帆乃花ちゃん」
あー、やっぱり大学生になったら帆乃花ちゃんと同棲したかったな……。
朝食バイキングで軽くお腹を満たし、チェックアウトした。
パークに入園したのは9時過ぎだ。
ネットによると今日の人出はまあまあ多い方らしい。
荷物をコインロッカーに入れ最低限の荷物を持った。もちろん帆乃花ちゃんへのプチプレゼントも忘れずに。
「とりあえずこのアトラクションに並んだけど、そもそも帆乃花ちゃんって、テーマパークで、たくさん乗りたいから空いてるアトラクションガンガン乗る派? それとも乗れるのは少なくていいから乗りたいものを選んで長時間並ぶ派?」
「うーん、友だちと来たらガンガンいくかな。あそこ空いてるから乗っちゃえ的な。今回はシュウゴくんと来たから並ぶ派かな」
「そうなんだ。どうして?」
「待ってる間、シュウゴくんとくっついていられるから」
「ははっ。俺、厚着してこなかったから帆乃花ちゃんに抱きついておこっと」
テーマパーク入口近くの人気アトラクション。俺たちは60分待ちの列に並んでいる。日曜日にこの待ち時間はラッキーな方だ。
しかしながら、ヒューっと時折吹く海風により顔や耳が冷たい……。もうすぐ建物内に入れるからあと少しの辛抱、辛抱。
「おーい」
後方で誰かが誰かを呼んでいる声がする。まあ俺たちに向かってではないだろう。
背後から帆乃花ちゃんにひっついてる俺。声の方など見ずに帆乃花ちゃんと話をしていると帆乃花ちゃんが首を後ろにやった。
「なんか、青春くんって言ってない?」
「んん?」
俺もクビを後ろにやる。
三回列が折り曲がった最後尾付近に、バスで見かけた男子大学生(たぶん)がいた。こちらを表情なく見ている。
その頭にはサメのぬいぐるみか?
隣には同じくバスで見かけた彼女がいた。同じくサメのぬいぐるみをかぶっている。彼女はどうやら俺たちに向かって手を振っているようだ。
派手なアクションの彼女に比べ、隣の彼氏は相変わらず無表情だ。頭にサメのぬいぐるみをかぶって……。
うーん、どうしたらいいか……。俺が手を振り返すのも微妙だ。
そんな俺の気持ちを察したのか帆乃花ちゃんが彼女に向かい手を振り返した。恥ずかしそうな表情で。
あちらの彼女はそれに満足したのか、それ以上声を出すことはなかった。
俺たちは間もなく建物内に入ったためそれっきりとなった。
「元気な彼女さんだね」
帆乃花ちゃんがクスクス笑いながら言った。
「隣の彼氏は、すっごい無表情だったけどね」
「たぶん心を無にしてるんじゃない? 俺は関係ないって。私があの彼女さんみたいにしたらシュウゴくんどうする?」
「俺? 俺は……。たぶん帆乃花ちゃんの隣で小さく手を振るかな。帆乃花ちゃんのキャラじゃないから、帆乃花ちゃんはしないと思うけど」
「ふふ、どうかなぁ」
「そ、そうなの? にしても彼氏さん、無表情なのにあのかぶりものって笑えるね」
「でもね、あのサメのぬいぐるみハットってたしか二年くらい前のちょー限定品だと思う」
「そうなの。防寒には良さそうだけど……」
パークを一歩でも出たら恥ずかしくてかぶらないやつだね。
「しかも、カップルでかぶると幸せになるってたしか……。仲良さそうだもんね、あの二人」
「そうだね」
内心は、「そうか?」と疑問に思ったが、肯定しておいた。
まあ俺には関係ない。
そう思い、俺は帆乃花ちゃんの寝顔を見つめている。
すでにカーテンの隙間からは冬晴れを思わせる光が差し込んでいる。
こちらに顔を向けている帆乃花ちゃんがゆっくりと目を開ける。
「誕生日おめでとう、帆乃花ちゃん」
「……。おはよう、シュウゴくん。ふふ、起きたらシュウゴくんがいるってすっごい新鮮」
「俺も。帆乃花ちゃん、裸のままで寒くなかった?」
「うん。私、裸族だって知ってるでしょ。それにシュウゴくんがピタッと引っ付いてたから温かかったし」
「あれ? 気づいてたの?」
「そりゃそうだよ。シュウゴくんのアレ、ずっと当たってたし」
「ご、ごめん」
「じゃあおわびに寝起きのキスして」
おわびでなくてもするつもりだったけど。
帆乃花ちゃんが俺の首に腕を回してきた。俺は帆乃花ちゃんの腰に腕を回し、帆乃花ちゃんの柔らかい唇に軽くキスをする。
「ふふっ。今何時?」
「7時くらいだよ。着替えて朝食バイキングに行こうか。パークの入園が9時だから、移動も考えると8時30分にはチェックアウトしないと」
「30分延ばそう」
「ん? 帆乃花ちゃん、オープン同時に入らなくていいの?」
「うん」
「準備に時間がかかりそう?」
「ううん。私の誕生日の朝一でしたいことするの」
そう言い帆乃花ちゃんは、朝立ちしている俺の竿を片手で握った。
どうやら昨晩からスイッチが入りっぱなしのようだ。
「ねえ、シュウゴくんのキスで私を濡らして……」
帆乃花ちゃんが俺の竿を優しくなでながらささやく。
俺は帆乃花ちゃんに覆い被さり、脇の下経由で帆乃花ちゃんの頭を抱えキスをした。
濃厚なキスをしていると帆乃花ちゃんが声を漏らしだした。
そこからは一連の流れだ。
朝から帆乃花ちゃんとエッチなことができるなんて、人生最高の朝だ。
「朝から最高のプレゼントだったよ。ありがとう、シュウゴくん」
「こちらこそ。ありがとう、帆乃花ちゃん」
あー、やっぱり大学生になったら帆乃花ちゃんと同棲したかったな……。
朝食バイキングで軽くお腹を満たし、チェックアウトした。
パークに入園したのは9時過ぎだ。
ネットによると今日の人出はまあまあ多い方らしい。
荷物をコインロッカーに入れ最低限の荷物を持った。もちろん帆乃花ちゃんへのプチプレゼントも忘れずに。
「とりあえずこのアトラクションに並んだけど、そもそも帆乃花ちゃんって、テーマパークで、たくさん乗りたいから空いてるアトラクションガンガン乗る派? それとも乗れるのは少なくていいから乗りたいものを選んで長時間並ぶ派?」
「うーん、友だちと来たらガンガンいくかな。あそこ空いてるから乗っちゃえ的な。今回はシュウゴくんと来たから並ぶ派かな」
「そうなんだ。どうして?」
「待ってる間、シュウゴくんとくっついていられるから」
「ははっ。俺、厚着してこなかったから帆乃花ちゃんに抱きついておこっと」
テーマパーク入口近くの人気アトラクション。俺たちは60分待ちの列に並んでいる。日曜日にこの待ち時間はラッキーな方だ。
しかしながら、ヒューっと時折吹く海風により顔や耳が冷たい……。もうすぐ建物内に入れるからあと少しの辛抱、辛抱。
「おーい」
後方で誰かが誰かを呼んでいる声がする。まあ俺たちに向かってではないだろう。
背後から帆乃花ちゃんにひっついてる俺。声の方など見ずに帆乃花ちゃんと話をしていると帆乃花ちゃんが首を後ろにやった。
「なんか、青春くんって言ってない?」
「んん?」
俺もクビを後ろにやる。
三回列が折り曲がった最後尾付近に、バスで見かけた男子大学生(たぶん)がいた。こちらを表情なく見ている。
その頭にはサメのぬいぐるみか?
隣には同じくバスで見かけた彼女がいた。同じくサメのぬいぐるみをかぶっている。彼女はどうやら俺たちに向かって手を振っているようだ。
派手なアクションの彼女に比べ、隣の彼氏は相変わらず無表情だ。頭にサメのぬいぐるみをかぶって……。
うーん、どうしたらいいか……。俺が手を振り返すのも微妙だ。
そんな俺の気持ちを察したのか帆乃花ちゃんが彼女に向かい手を振り返した。恥ずかしそうな表情で。
あちらの彼女はそれに満足したのか、それ以上声を出すことはなかった。
俺たちは間もなく建物内に入ったためそれっきりとなった。
「元気な彼女さんだね」
帆乃花ちゃんがクスクス笑いながら言った。
「隣の彼氏は、すっごい無表情だったけどね」
「たぶん心を無にしてるんじゃない? 俺は関係ないって。私があの彼女さんみたいにしたらシュウゴくんどうする?」
「俺? 俺は……。たぶん帆乃花ちゃんの隣で小さく手を振るかな。帆乃花ちゃんのキャラじゃないから、帆乃花ちゃんはしないと思うけど」
「ふふ、どうかなぁ」
「そ、そうなの? にしても彼氏さん、無表情なのにあのかぶりものって笑えるね」
「でもね、あのサメのぬいぐるみハットってたしか二年くらい前のちょー限定品だと思う」
「そうなの。防寒には良さそうだけど……」
パークを一歩でも出たら恥ずかしくてかぶらないやつだね。
「しかも、カップルでかぶると幸せになるってたしか……。仲良さそうだもんね、あの二人」
「そうだね」
内心は、「そうか?」と疑問に思ったが、肯定しておいた。
まあ俺には関係ない。
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