席替えから始まる学園天国

空ー馬(くーま)

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ミツハナ脱退編

クリスマスイブ その2 R18

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 玄関ドアを開けるとサンタガールの格好のサッチが立っていた。

「もう、シュウゴ。こんなかっこいいマンションでとホノカやトモハとイチャイチャしてたんだ」
「勉強会だ。何でサッチがここにいるんだよ」
「私、将来スパイ志望だから、シュウゴをこっそりつけて来たの。気づかなかった?」

 正直全く気づかなかった。
 サッチを部屋に入れると何かと面倒だ。
 帆乃花ちゃんや友巴ちゃんにも勘ぐられるかもしれない。

「ちょっと待って。すぐ来る」

 そう言い、中に入ってきそうなサッチを外にとどまらせドアを閉めた。
 一人寂しくイブをこの部屋で過ごすか、サッチとどこかに出かけるのか。

 ドン、ドン!

「ちょっと中入れてよ。変な意味じゃないよ。寒い」

 そう言われてもここに入れるわけにはいかない。
 サッチの言葉を無視し、ダウンジャケットを着る。
 部屋に置いていたパーカーを持ち電気を消してドアを開けると、怒った顔のサッチが立っていた。

「ちょっと、何その格好。中に入れて。変な意味じゃないけど」
「ここはダメだ。外に行くぞ」
「何でよ」

 ここは言わば俺の聖地だ。サッチは入れられない。

「ヒデキに教えてもらったいい場所がある。そこに行くぞ」
「え? 何? ヒデキがケイコと二人っきりになってラブラブになるところ?」
「そうだ。誰の目もないし、邪魔もされない」
「んー、じゃあそこでいいや。次はちゃんと入れてよね。変な意味じゃないよ」
「それ言いたいだけだろ」
「本当に入れてほしいよ」

 そう言いサッチが俺に抱きついてきた。
 何も羽織らずサンタガールの格好のままのため、サッチのマシュマロバストの柔らかさが伝わってくる。

 うっ。並の男ならあっという間にノックアウトだ。

「これ着ろ。その格好じゃあ街は歩けないだろ。というかその格好でここまで来たのか?」

 パーカーを手渡しながら聞いた。

「そうだよ。こんな格好、今日は珍しくないもん」
「いやいや、いくらクリスマスイブでもその格好じゃあ歩けん」

 下着が見えそうなくらいのミニスカートに、胸の形がよーくわかるトップスだぞ。ってこの衣装、どこかで見たような……。

「その衣装、どこで買ったんだ?」
「これ? セクシーでしょ。シュウゴとショッピングモールっで会った時に、雑貨屋で買ったよ。残り一つだったから急いで買ったんだ」

 なんと。サンタガール衣装の在庫四つのうち三つを俺とヒデキ、残りをサッチが買ったとは……。2年A組のサンタガール率、高っ。

 サッチはパーカーを手に持ったまま、俺をじっと見るている。

「じー」
「……、なんだよ」
「それの方があったかい」

 パーカーではなくてダウンジャケットの方がいいということか?

「はいはい。こっちを着な」
「ははっ。なんだかんだ言ってシュウゴ、優しいね」

 そう言われるともっと優しくしたくなるものだが、部屋には入れないぞ。

「もう、行くぞ」
「私もいきそう」
「はいはい」

 サッチを連れ出した先は駅前から少し離れた、とある店だ。

「何ここ、カラオケボックスじゃん。シュウゴとイチャイチャできない」

 イチャイチャはできるが、サッチの思っているイチャイチャは監視カメラもあり普通はできないだろう。
 だが……。

「ヒデキによるとここのカラオケボックスの監視カメラはダミーらしいぞ」
「ということは……。シュウゴとイチャイチャし放題」
「し放題ではない。とりあえず入るぞ」

 予約をしていない上にクリスマスイブだ。すぐには入れないと思ったが、意外と空いていて、すんなり部屋に通された。

「へー、あのカメラがダミーなんだ」
「ダミーと見せかけて本物とか、別に本物があるって可能性も他の店ならあるが、ここはダミーだけだ」
「何で知ってるの?」
「ヒデキの兄ちゃんがバイトしてたから間違いない」
「ふーん。でもドアは透明だよ」
「死角がある。そこだ」
「シュウゴ。ホノカやトモハとここに来ていろいろエッチなことしたんじゃない? いやに詳しいし」
「来たことはない」

 二人とは。中学の時に来て、惨敗はしたが……。

 店員の出入りがあるため最初は普通に流行りの曲を入れ歌っていたが、出入りがなくなるとサッチが死角に移動した。

「シュウゴもこっちに来なよ」
「俺はいい」
「ここに私を誘ったってことは、エッチなことしたいからでしょ」
「こういう店じゃないとサッチが納得しないだろ」
「シュウゴとエッチなことできないと納得しない。だったら、ここじゃなくてあのマンションでする」

 それは絶対に困る。
 俺はサッチの隣に仕方なく座った。が、俺も男だ。適当にあしらおうと思っていたが、さっきからチラチラ見えていたミニスカートとの奥が欲望を駆り立てていた。

「もうシュウゴ。身体は正直だね。大きくなってるよ」

 サッチはそう言い俺の太ももの上にまたがってきた。
 黒タイツ越しにサッチのアソコの割れ目を感じる。
 リモコンを取るため、サッチが身をよじらせたため、余計に刺激が降ってきた。
 サッチは適当に流行りの曲を何曲か入れるとボリュームを上げた。

「これならー、声が出ても、大丈夫だよ」

 大音量で流れる曲をバックにサッチが大声で言った。
 サッチは俺の首に手を回し腰を前後にスライドさせる。

「んんっ。あっ……シュウゴのアソコ、感じる……」

 本来ならあけみっちに教わったとおり、耳元でささやいたり胸を徐々に攻めていくのだが、それは明日の二人のためにとっておく。減るもんじゃないが。

 衣装の胸の部分を下に下ろすといきなりサッチのナマ乳房が現れた。

「ブラとかしてなかったのか?」
「この衣装じゃ無理だよ」

 たしかに、肩紐などないタイプの衣装だ。

「だから正直、乳首が擦れてずっと発情してたよ」

 俺はサッチの乳房を鷲掴みし、硬くなった乳首を舌で転がした。

「んん……」

 サッチが普段の声と違う声をもらす。それがより一層気持ちをたかぶらせる。

「ああん。濡れてきちゃった……」

 本当は全部脱がせたいが、万が一店員が来た時のことも考え衣装は脱がせられない。だが黒タイツと下着は脱がせることにした。

「サッチ。下、全部脱いで」
「ふふっ。その気になってきた?」

 サッチは俺の方にお尻を向けると、前屈みになってタイツをゆっくりと脱いだ。
 さすがあけみっちの一番弟子だけあって、その仕草は妖艶と言って良い。帆乃花ちゃんや友巴ちゃんにはない所だ。二人は良い意味で高校生らしい。
 さらにサッチは同じように下着を脱ぎ始めた。
 前屈みになっているため、濡れ濡れのアソコが丸見えだ。この世で一番いやらしい
格好ではないか。
 流石に俺も我慢の限界だ。
 ズボンのチャックを下ろし、アソコを出した。
 すでにマックス状態だ。
 サッチに覆い被さるようにバックで突っ込もうとした時だ。

「生で良いよ」

 サッチのその一言で我に帰った。
 生ではできない。仮にゴムをつけていても、精液の処理がここではできない。
 そう思うと急に萎えてきた。

「俺、飲み物取ってくるわ」

 ズボンのチャックを戻し、サッチの衣装も正した。
 サッチは怒っているというよりも何でと戸惑っているようだ。
 そんなサッチをおいてフリードリンクコーナーに向かった。
 サッチはいつもジンジャーエールを飲んでいるので、それをカップ二つに注ぎ、振り返った時だ。

 そこでなんと知った人間の後ろ姿がはっきり見え、その驚きでジンジャーエールを膝から下にこぼしてしまった。

 ヒデキだ。

 ということは藤木さんもいる。
 ここでサッチと二人でいるところを見られるとまずい。
 俺はズボンを拭くこともせず部屋に戻った。

「サッチ、もう出るぞ。店員の手違いで、本来予約をした人がここに来ているらしい」
「えー。私のこの気持ち、どう処理するの?」
「近くの漫喫に行く。朝までいられるからな」
「えー。完全個室ならいいけど」
「わかった」

 とは言ったものの個室があるかはわからない。なければないでそこで過ごすしかない。とにかくここを出よう。

 サッチは下着は履いたもののタイツはカバンに入れた。どうせまた脱ぐと思っているのだろう。
 俺はドアをそっと開け、少しだけ顔を出し左右を確認した。

「どうしたの? 誰かいるの?」
「い、いや。スパイごっこだ」

 よし、誰もいない。今だ。

 俺はサッチの手を取り窓口に駆け足で行った。細心の注意をしながら。
 サッと会計を済ませ店を出た。
 ふー、まさかヒデキがいるとは。あのままいたら、サッチがヒデキや藤木さんとバッタリ顔を合わす可能性が高かった。危ない、危ない。

 すでに二十二時を過ぎており、街に人の姿はまばらだ。まあ地方都市なんてこんなものだ。

「あった、あった。ここだ」

 ここもヒデキの兄ちゃん情報によると、個室は完全に天井まで仕切られた個室、シャワー完備の漫喫で、ネットカフェ難民も何人かいるそうだ。

「次はちゃんと入れてよね。変な意味で」

 俺としても中途半端な感じでムラムラとはしているが……。

「サッチは、夜ご飯は食べたのか? ここの店のメシは美味いらしいぞ」

 カラオケボックスも漫喫もレンチン料理が多いが、ここはしっかりと店内調理した料理が低価格で提供される。そりゃネットカフェ難民がいるわけだ。

「ちょっとぉ、ごまかさないでよ。食べてないけど」

 個室が一つ空いているという店員の言葉に間髪入れずサッチは「そこで」と言った。
 軽食もここで注文するそうだ。俺はフリードリンクのみ、サッチはフリードリンクに加えサンドウィッチを注文した。

 個室といっても薄い壁で囲われているだけで、狭い。モニターがのったローテーブルとソファがあるだけだ。料理を置くスペース確保にも苦労しそうだ。

 個室に入るとすぐにサンドウィッチとフリードリンクのカップが届いた。
 もうこれ以降、店員は来ないだろう。

「サッチ。俺、シャワー浴びてくるわ」
「なにそれ、ちょっといやらしい」
「ズボンにこぼしたジンジャーエールが気持ち悪いだけだ。サンドウィッチ食べてろ」

 シャワーを浴び個室に戻る途中で気になっていた漫画、古代中国で、グレたスパイ家族が海に乗り出し、巨大な鬼を退治するというものを手に取った。
 ズボンは汚れた箇所を洗った上でドライヤーで乾かした。そのため結構時間がかかってしまった。
 俺たちの部屋の二つ手前の部屋から、あやしい吐息が漏れている。

 あー、カップルで来たら自然とそうなるよね。

 個室の扉を開けるとサッチがクッションを枕にし寝ていた。
 寝顔は可愛いんだけどな。もちろん世間的には起きてても随分と可愛いのだが。
 
 俺はそっと中に入り漫画を読み始めた。
三冊目を読んでいるとサッチが小さく寝言を言った。

「なんで……大好きなのに……」

 その目からツーっと涙がこぼれた。
 帆乃花ちゃんのお兄様のことを思っているのだろう。
 ソファの隅に置いていたダウンジャケットをそっとかけてやった。

 うーん、正直なところ、サッチのいろいろなところを触ったり揉んだり舐めたりしたかったな。
 まあ明日は帆乃花ちゃんと友巴ちゃんのいろいろなところを触り揉み舐めまくろう。

 俺は再び漫画に目を移した。
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