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ミツハナ脱退編
イケメン登場!その正体は?
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「赤い羽根共同募金へのご協力、お願いしまーす!」
大きな声で募金を呼びかけるのは意外にも友巴ちゃんだ。
俺やヒデキよりも声が出ている。
声の大きさでは女子に負けていられないが、募金額は張り合う前から完敗が決まっている。
そりゃ可愛い女子高生が笑顔で呼びかければ大抵の男はイチコロである。
対面にいる女子四人の募金箱はみるみる重くなるが、こちら側の俺とヒデキの箱は風が吹けば飛んでいってしまうほど軽い。あけみっちが俺たちの側にいるが、保護者的についているだけで、呼びかけはしないため、その美貌はほとんど役に立っていない。
俺が普通の顔ではなくイケメンだったら、通りすがりの女子たちが寄ってくるのだろうか?
狙いをファミリー層にして、作り笑顔で募金を呼びかけていると、女子たちの向こう側から、大学生と思われるイケメンが近づいてきた。背がおよそ180センチ、チョコレート色の髪に爽やかな笑顔。これで服装がダサければまだいいが、センスのない俺が見ても、オシャレな着こなしをしている。簡単に言うと完璧な外見だ。
「よう、ホノカ。頑張ってるな」
イケメンが帆乃花ちゃんの背後から声をかけた。
おいおい、気安く帆乃花ちゃんに声をかけるなよ。帆乃花ちゃんの知り合いか?
帆乃花ちゃんは声を出していて気づかない。先に気づいたのは、友巴ちゃんだ。
「ちょっと、ホノカちゃん。呼ばれてるよ。イケメンに」
そのまま無視でいいよ。
という俺の願望にも関わらず、帆乃花ちゃんは後ろを向いた。
「お、お兄ちゃん。本当に来たの?」
え!? 帆乃花ちゃんのお兄様?
「さや香ちゃん、お久しぶり」
お兄様は帆乃花ちゃんの隣のサッチにも声をかけた。
「誰かと思ったらユウちゃんじゃん。ますますイケメンになって、ますます惚れちゃうわ。彼女いるの?」
募金の声がけなど忘れ、サッチはお兄様に夢中になる。サッチだけでない。友巴ちゃんも藤木さんも目が釘付けだ。
「おいおい。藤木のやつ、目がハートになってやしないか?」
ヒデキがつぶやく。
「帆乃花。今日、担任の先生がいるって言ってたよな。あの人が担任だろ。話のとおりの美人先生だな」
「……そう。角倉先生。通称あけみっち」
お兄様はこちらに向かってきて、あけみっちに声をかけた。
「佐原です。妹がお世話になっています」
そう言い頭を下げた。
「担任の角倉です。こちらこそ佐原さんにはクラスの女子をまとめてもらっていて助かっています」
頭を上げたお兄様が笑顔を見せた。
きゃー
って俺も声を出しそうだ。
女子たちが募金活動も忘れこちらに寄ってきた。
「ねえユウちゃん。ユウちゃんってN大学医学部でしょ。頭いいんだし私たちの家庭教師やってよ」
サッチは自分の募金箱を俺の募金箱の上に載せ、お兄様の腕に絡む。サッチの豊満な胸が腕に当たったところで、お兄様くらいのイケメンはどうってことがないらしい。
「うーん、数学くらいしか教えられないよ」
「それで十分だよ」
「私も教えてください」
「私も」
なんと友巴ちゃんや藤木さんまでも、お兄様に勉強を教えてほしいと懇願した。
「そりゃ場所を用意してくれたら時間がある時にみんなまとめて教えてあげられないこともないけど」
「残念ながらそんな場所、ないですもんね」
ヒデキが口を挟む。
いくら帆乃花ちゃんのお兄様でも、友巴ちゃんの気持ちが俺ではない別の男に傾くのは避けたい。
俺もヒデキに続く。
「サッチの家は近所だろ。サッチだけ教えてもらえば」
「うちのマンション使って良いわよ。駅近だし。みんな集まれるでしょ」
おい、あけみっちー!
大きな声で募金を呼びかけるのは意外にも友巴ちゃんだ。
俺やヒデキよりも声が出ている。
声の大きさでは女子に負けていられないが、募金額は張り合う前から完敗が決まっている。
そりゃ可愛い女子高生が笑顔で呼びかければ大抵の男はイチコロである。
対面にいる女子四人の募金箱はみるみる重くなるが、こちら側の俺とヒデキの箱は風が吹けば飛んでいってしまうほど軽い。あけみっちが俺たちの側にいるが、保護者的についているだけで、呼びかけはしないため、その美貌はほとんど役に立っていない。
俺が普通の顔ではなくイケメンだったら、通りすがりの女子たちが寄ってくるのだろうか?
狙いをファミリー層にして、作り笑顔で募金を呼びかけていると、女子たちの向こう側から、大学生と思われるイケメンが近づいてきた。背がおよそ180センチ、チョコレート色の髪に爽やかな笑顔。これで服装がダサければまだいいが、センスのない俺が見ても、オシャレな着こなしをしている。簡単に言うと完璧な外見だ。
「よう、ホノカ。頑張ってるな」
イケメンが帆乃花ちゃんの背後から声をかけた。
おいおい、気安く帆乃花ちゃんに声をかけるなよ。帆乃花ちゃんの知り合いか?
帆乃花ちゃんは声を出していて気づかない。先に気づいたのは、友巴ちゃんだ。
「ちょっと、ホノカちゃん。呼ばれてるよ。イケメンに」
そのまま無視でいいよ。
という俺の願望にも関わらず、帆乃花ちゃんは後ろを向いた。
「お、お兄ちゃん。本当に来たの?」
え!? 帆乃花ちゃんのお兄様?
「さや香ちゃん、お久しぶり」
お兄様は帆乃花ちゃんの隣のサッチにも声をかけた。
「誰かと思ったらユウちゃんじゃん。ますますイケメンになって、ますます惚れちゃうわ。彼女いるの?」
募金の声がけなど忘れ、サッチはお兄様に夢中になる。サッチだけでない。友巴ちゃんも藤木さんも目が釘付けだ。
「おいおい。藤木のやつ、目がハートになってやしないか?」
ヒデキがつぶやく。
「帆乃花。今日、担任の先生がいるって言ってたよな。あの人が担任だろ。話のとおりの美人先生だな」
「……そう。角倉先生。通称あけみっち」
お兄様はこちらに向かってきて、あけみっちに声をかけた。
「佐原です。妹がお世話になっています」
そう言い頭を下げた。
「担任の角倉です。こちらこそ佐原さんにはクラスの女子をまとめてもらっていて助かっています」
頭を上げたお兄様が笑顔を見せた。
きゃー
って俺も声を出しそうだ。
女子たちが募金活動も忘れこちらに寄ってきた。
「ねえユウちゃん。ユウちゃんってN大学医学部でしょ。頭いいんだし私たちの家庭教師やってよ」
サッチは自分の募金箱を俺の募金箱の上に載せ、お兄様の腕に絡む。サッチの豊満な胸が腕に当たったところで、お兄様くらいのイケメンはどうってことがないらしい。
「うーん、数学くらいしか教えられないよ」
「それで十分だよ」
「私も教えてください」
「私も」
なんと友巴ちゃんや藤木さんまでも、お兄様に勉強を教えてほしいと懇願した。
「そりゃ場所を用意してくれたら時間がある時にみんなまとめて教えてあげられないこともないけど」
「残念ながらそんな場所、ないですもんね」
ヒデキが口を挟む。
いくら帆乃花ちゃんのお兄様でも、友巴ちゃんの気持ちが俺ではない別の男に傾くのは避けたい。
俺もヒデキに続く。
「サッチの家は近所だろ。サッチだけ教えてもらえば」
「うちのマンション使って良いわよ。駅近だし。みんな集まれるでしょ」
おい、あけみっちー!
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