席替えから始まる学園天国

空ー馬(くーま)

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夏休み合宿編

手はあっち

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 合宿三日目。
 この日も、勉強に風呂掃除に、料理、ちょっとした運動と合宿生活を過ごした。
 風呂は、あけみっちとサッチが先に入り、料理の片付けをしていた帆乃花ちゃんが追って入ったようだ。友巴ちゃんは、一人でその後に入っていった。

 今日のお楽しみは、人生ゲームではなく、ツイスターという身体を使ったゲームだ。ルールは簡単。一対一の対戦でルーレットを回し、出た四色のいずれかの色の場所に手か足を置いていく。「右足、青」にルーレットが止まったら、マットの青の丸に右足を置くと言った感じで、置けなかったり、倒れたりしたら負けだ。
 ちなみに、ルーレットは、四色だけでなく審判の指示に従うというものと、指示された手足を空中にするというものもある。つまり六通りの指示があるわけだ。
 まあはっきり言って、男女でやると身体が密着し、かなりエロいゲームだ。
 しかも、風呂上がりだからか、あけみっちやサッチだけでなく友巴ちゃんや帆乃花ちゃんも上着の下はノーブラだ。エロすぎる。
 
 総当たり戦で行ったが、サッチや帆乃花ちゃんの胸が当たり、友巴ちゃんのお尻が目の前にくる。横で見ているだけでも、女子たちの桜色の乳首が見え隠れする。他の男子ならビンビンになっていただろう。最後はあけみっちとの勝負だ。よし、すぐに負けよう。

「梅谷くん。これで負けたら、今晩は私と一緒に寝るのよ」
「えー。ずるい、あけみっち。私も一緒に三人で寝ようよ」
 
 サッチはともかく、あけみっちと寝るのは避けたい。勝負に勝しかない。
 
 あけみっちがわざと自分の身体を俺に密着するよう指定の色に手、足を置く。
 俺は、なるべくあけみっちから離れる。
 日頃からストレッチをしているおかげであけみっちの身体は柔らかく、なかなか倒れない。
 右手と左足を空中に上げていても見事にバランスをとる。
 俺も意地で指先一本で触っている状況だ。審判係の帆乃花ちゃんが甘く判定してくれているのもあり、なんとか勝負は続いている。
 あけみっちのターン。青と言われたあけみっちは俺の股の間をかすめるように、ぬいっと手を入れてきた。
 思わず、バランスを崩しそうになるが、寸前のところで踏みとどまった。
 その後も一進一退の攻防、つまり、あけみっちが攻め、俺が守るが続く。
 今は、あけみっちは、仰向けに両手を後ろ、足を手前、簡単に言うと俺に向かい股を広げている状態だ。

「次は……、青!」
 
 帆乃花ちゃんが叫ぶ。よし、今が攻め所だ。青ならいける。
 
 俺は、あけみっちの股の奥にある青のマスに無理やり手を伸ばした。

 バタン!

 流石のあけみっちも、ついに尻餅をついた。勝負あり!

「シュウゴくんの勝ち!」
「もう。佐原さん、梅谷くんに甘い」
「そんなことないよ。ギリギリセーフばっかりだったけど」
「まあ、尻餅をついたのに間違いないから私の負けね」
 
 そう言い、あけみっちは今使っていたルーレットを俺に差し出す。
 
 今日はこのルーレットですか? 

 ツイスターのルーレットは、左右の手足の四つのゾーンそれぞれがさらに四色プラス空中と指示の六つに分かれている。つまり、あけみっちに当たる確率は六分の一で、五分の一であった昨日の人生ゲームのルーレットよりも有利だ。
 例によって、紙に部屋割りが書いてあるようで、みんなでのぞき見る。

 みぎて   佐原
 みぎあし  須藤
 ひだりて  森崎
 ひだりあし 角倉

 おい、六分の一じゃなくて四分の一になってるじゃないか!
 このままいくと最終日には、『須藤・佐原・森崎』or『角倉』の二択になっているのではないか? 
 いや『角倉』の一択になっている可能性もある。

「さあ、梅谷くん、回しなさい」
「ちょっと待った。リビングとか風呂は?」
「かわいそうだからやめてあげた。感謝してね」
「優しい、あけみっち。よかったね、シュウゴくん。さ、回して」
 
 サッチが早く、早くと促してくる。
 
 えい、もう運任せだ。
 
 ルーレットを思いっきり回す。
 昨日は、願いが叶った。今日も女神様お願い。『ひだりあし』以外。できたらどちらかの『て』で。

 ああ、『ひだりあし』に止まりそう……。
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