席替えから始まる学園天国

空ー馬(くーま)

文字の大きさ
上 下
10 / 118
修学旅行編

第九話 初めてのキス

しおりを挟む
「両手じゃだめだからね。片手でスマートにサッと外さないと」
 
 もうこうなったらやけだ。ここでしないのは男ではない。

 右手を佐原さんの背中に伸ばし、ホックを外しにかかった。
 簡単だと思われたホック外しは、片手では意外と難しい。親指も使い何とか外したが、スマートとは程遠い。

「まだまだ練習が必要ね」

 佐原さんは背中を向けたままつぶやいた。そして肩紐をずらし、ブラをとった。

「風邪ひいちゃうし」

 ゆっくりとこちらを向いた佐原さんは、裸体のまま俺に身体を密着させてきた。

 きっとこれは極上の夢に違いない。
 トップアイドル以上の可愛い子の裸体が目の前に現れたかと思ったら、体操着やブラ越しではない、生の胸がむにゅっと俺の胸に触れたのだ。温かく柔らかい。

 隣の部屋には好きながいる。
 だが、風邪をひかないために仕方なく他の娘と体を温め合うのだ。そう自分に言い聞かせた。
 
 佐原さんのぷっくりとした唇が俺の唇にそっと触れた。これが俺の初キッスだ。
 肝試しで初めて異性の手を握り、そしてキスまでした。
 あけみっちのように、このことを何年後かに誰か、例えば大学や会社の後輩などに言うことになるのだろうか。
 
 そう思っていると佐原さんの舌が俺の舌に絡んできた。と同時に、俺のパンツに手が入ってきた。

「うっ」

 ビックっとなり、思わず声を出してしまった。

 佐原さんの右手がゆっくりと動く。

「本物ってあったかいし、脈うってるんだ」

 佐原さんが感心した様子でつぶやく。佐原さんは、キスは初めてではなさそうだが、男のアソコに触れるのは初めてのようだ。「本物って」という言葉が少し引っかかるが……。

 初めての感覚に意識が遠のいていく。いかん。今度は俺の方が攻めないと。

 佐原さんの手を止め、彼女の背後に回る。そして両手で胸を撫でた。マシュマロのようという表現がされるがまさにそれだ。女子の胸はみんなこんなに柔らかいのか?

「んん……」

 佐原さんが声をもらす。
 ちょっと待てよ。あっちの声が聞こえるということは、こっちに声も聞こえるってことじゃないか。
 
 思わず手を引っ込めようとしたが、それを佐原さんが止める。

 「大丈夫」

 何が大丈夫かわからないが、「滅多にないチャンスをモノにするのができる男よ」と言ったあけみっちの言葉を思い出す。

 俺の理性は徐々になくなってきた。

 柔らかな胸を揉み、舌同士を絡ませる。

「あん……」

(あっあっ……もうだめ)

 佐原さんが思わず出したであろう声は森崎さんの激しめな声に打ち消された。
 恐らく、ふすまの向こうには聞こえていないはず。

 そう思った時だ。

 二つの部屋をつないでいるふすまがすっーと開いた。

「あー、やっぱりホノカじゃん」

 甘い香りとともに登場したのは全身裸の須藤さんだ。女豹のポーズのまま、片手でふすまを開けた彼女の胸、ランキング一位の胸は伊達ではない。グラビアアイドルのようにたわわな二つの果実がぶら下がっている。

 唖然とした俺と佐原さんとは対照的に須藤さんは嬉しそうにこちらを見ている。

「へへっ。今日もトモハちゃんをイカしたわ。まだ入口なのに」

 奥で横たわっている森崎さんは全身で息をし、動けないでいるようだ。

 何? どういう状況?
 「今日も」ってどういうこと??

「ホノカも梅谷くんもこっちにきなよ」

「もう、サッチ。せっかく梅谷くんといいとこだったのに」

「大丈夫。私が続きをしてあげるから」

「サッチが続き? って……だめだめ。これから私が梅谷くんに……」

「何言ってるの。私が相手をするのはホノカ。梅谷くんはトモハちゃんの相手をしてあげて」

「ちょっと、サッチ。私の……」

 続きを言わせないように須藤さんは佐原さんを押し倒しキスをした。
 そして、須藤さんは、唖然としたまま座っている俺に向かって衝撃的な言葉を発する。

「トモハちゃん、梅谷くんを好きなんだって」

<次話:初恋の人>
 裸で横たわる初恋の人(両想い)にすることは一つ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

アイドルグループの裏の顔 新人アイドルの洗礼

甲乙夫
恋愛
清純な新人アイドルが、先輩アイドルから、強引に性的な責めを受ける話です。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

体育座りでスカートを汚してしまったあの日々

yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

Missing you

廣瀬純一
青春
突然消えた彼女を探しに山口県に訪れた伊東達也が自転車で県内の各市を巡り様々な体験や不思議な体験をする話

可愛すぎるクラスメイトがやたら俺の部屋を訪れる件 ~事故から助けたボクっ娘が存在感空気な俺に熱い視線を送ってきている~

蒼田
青春
 人よりも十倍以上存在感が薄い高校一年生、宇治原簾 (うじはられん)は、ある日買い物へ行く。  目的のプリンを買った夜の帰り道、簾はクラスメイトの人気者、重原愛莉 (えはらあいり)を見つける。  しかしいつも教室でみる活発な表情はなくどんよりとしていた。只事ではないと目線で追っていると彼女が信号に差し掛かり、トラックに引かれそうな所を簾が助ける。  事故から助けることで始まる活発少女との関係。  愛莉が簾の家にあがり看病したり、勉強したり、時には二人でデートに行ったりと。  愛莉は簾の事が好きで、廉も愛莉のことを気にし始める。  故障で陸上が出来なくなった愛莉は目標新たにし、簾はそんな彼女を補佐し自分の目標を見つけるお話。 *本作はフィクションです。実在する人物・団体・組織名等とは関係ございません。

処理中です...