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修学旅行編
第八話 服を脱ぐ
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木造平家建てで、町の公民館や集会場のような小屋である。
戦時中とかに建てられたものではなく、比較的新しい。
明かりがついていたのは玄関のみで、奥は非常用電灯がついているだけで薄暗い。そして微かだが、甘ったるいにおいが漂っている。
「サッチたち、まだ来てないのかなぁ」
「いや、もう来てるみたいだけど」
二人分の靴が一足は丁寧に、もう一足は乱雑に玄関の土間にある。それに滴の跡もあった。
「もしかして、サッチたちじゃなくて、迷い込んだ霊かも」
佐原さんが不敵に笑う。
「それ怖いんですけど」
「じゃあ、静かーに中に入って様子を見ましょ」
クラスのアイドルは胸も度胸もあるようだ。
忍足で玄関を上がると、奥の部屋から声が漏れ聞こえてきた。
(あっ……ん……)
「もう、サッチたら」
佐原さんが小さな声で呟き、奥の部屋を仕切るふすまをほんの二センチほどずらした。たったそれだけで、ひどく甘い香りが漏れてきた。
さっきのは森崎さんの声?? どういうシチュエーション??
佐原さんは、ふすまの向こうを見た後、音を立てないように、そっとふすまを元に戻した。
ふわっと甘い残香が漂い、少しくらっとする。
いや、俺にも見せてよ。
ふすまに手をかけた時だ。サッと佐原さんが俺の手を止める。
「男子は見てはいけません」
佐原さんが薄明かりの中、キョロキョロとあたりを見回す。
電気をつけようとしているのか。電気なんかつけたら、ここにいるのがバレる。そうしたら覗いてもいないのに覗いていたと思われてしまうかもしれない。
歩き出そうとした佐原さんの二の腕を掴んだ。
ふにゅっ
二の腕と胸の柔らかさは同じと言うから、佐原さんの胸も、ふにゅっと柔らかいのだろう。
「ん? どうしたの? あっちに流し台があるみたいだから確認してくる」
なんだ、電気をつけるのではないのか。
「待って。俺も一緒に行く」
奥の部屋を覗きたい気持ちでいっぱいだが、一人で覗いでいるところを見つかったらそれこそ大変なことになる。
「んー、まあいいっか。どうせそうするし」
何をどうするって?
よくわからないまま、再び忍足で流し台があると思われる場所へ向かった。
玄関スペースを挟んでさっきいた畳の部屋とは反対側になる。それでも、奥の部屋から声が漏れ聞こえてくる。
(んん……あっ、だめ……、梅谷くんが来ちゃうよ……)
俺の名前が出た? 思わず足が止まったが、佐原さんに小さな声で呼ばれたため仕方なく進んだ。
そこの部屋はダイニングで当然ながら流し台もあった。
「あったあった。これでスッキリできるわ」
佐原さんはそういい、上着の裾に手を当てるとグイッと上に持ち上げた。
えっ? ちょっと待って。それ脱いだら……。
ブラ越しでもわかる形の良い丸い胸が現れた。そのままの格好で上着を流し台で絞った。その後、躊躇なくズボンも脱ぎ同じように絞った。上下ともピンクの可愛らしい下着だ。
呆気に取られていると佐原さんが照れることもなく俺に声をかける。
「そのままだと風邪ひくよ。梅谷くんも脱ぎなよ」
確かにびしょびしょなままの体操着を着ていては風邪をひく。それに何より気持ちが悪い。思い切ってパンツ一丁になった。
「ふーん、細身なのに意外と鍛えてるんだ。私、細マッチョ好きだよ」
絞った体操服を椅子にかける佐原さんを背に、流し台で体操着の水気を絞った。
「さて、しばらくは体操着も乾かしておけるかな。下着のまま、ここで冷たい椅子や床に座るのもなんだし、さっきの畳の部屋に行きましょ」
そういい、佐原さんはダイニングを出ると、玄関に向かい、中から扉の鍵をかけた。
何で? という俺の気持ちを察したのか、佐原さんがつぶやく。
「あけみっち以外の先生がきたら困るもんね」
まあ確かにそうだけど。って、あけみっちに見られても困るでしょ。
俺は、隣の部屋を覗き見たい気持ちを抑え、押し入れと思われる観音開きの扉をそっと開けた。やはりそこは押し入れで、厚めの座布団が入っていた。
ゆっくりと静かに座布団を二枚取り出し、少し距離を離して畳に置いた。
「ありがとう」
佐原さんはそうささやき、座布団の上で、体操座りをした。雨に濡れて寒いのだろうか、キュッと体を縮こませている。
隣の声は収まることなく、それどころか激しさを増している。好きな娘の切ないあの声。
高二の男子には刺激が強すぎる。この状況でパンツ一丁というのは厳しい状況だ。
「梅谷くん」
その声に我にかえると、佐原さんの顔が俺の顔のすぐ横にあった。
「そこ、大きくなってるよ。ふふっ」
耳元のささやきに、思わず股間を隠す。
「ねえ、前に、サッチのブラホック外すって言ってたよね」
「いや、俺が外すとは言ってない……」
「ここで練習してみない?」
「へ?」
佐原さんは魅惑の笑顔を見せた後、俺に背中を向けた。
<次話:初めてのキス>
大胆な佐原さんに対して、俺は初めてのキスをし、そして……。
戦時中とかに建てられたものではなく、比較的新しい。
明かりがついていたのは玄関のみで、奥は非常用電灯がついているだけで薄暗い。そして微かだが、甘ったるいにおいが漂っている。
「サッチたち、まだ来てないのかなぁ」
「いや、もう来てるみたいだけど」
二人分の靴が一足は丁寧に、もう一足は乱雑に玄関の土間にある。それに滴の跡もあった。
「もしかして、サッチたちじゃなくて、迷い込んだ霊かも」
佐原さんが不敵に笑う。
「それ怖いんですけど」
「じゃあ、静かーに中に入って様子を見ましょ」
クラスのアイドルは胸も度胸もあるようだ。
忍足で玄関を上がると、奥の部屋から声が漏れ聞こえてきた。
(あっ……ん……)
「もう、サッチたら」
佐原さんが小さな声で呟き、奥の部屋を仕切るふすまをほんの二センチほどずらした。たったそれだけで、ひどく甘い香りが漏れてきた。
さっきのは森崎さんの声?? どういうシチュエーション??
佐原さんは、ふすまの向こうを見た後、音を立てないように、そっとふすまを元に戻した。
ふわっと甘い残香が漂い、少しくらっとする。
いや、俺にも見せてよ。
ふすまに手をかけた時だ。サッと佐原さんが俺の手を止める。
「男子は見てはいけません」
佐原さんが薄明かりの中、キョロキョロとあたりを見回す。
電気をつけようとしているのか。電気なんかつけたら、ここにいるのがバレる。そうしたら覗いてもいないのに覗いていたと思われてしまうかもしれない。
歩き出そうとした佐原さんの二の腕を掴んだ。
ふにゅっ
二の腕と胸の柔らかさは同じと言うから、佐原さんの胸も、ふにゅっと柔らかいのだろう。
「ん? どうしたの? あっちに流し台があるみたいだから確認してくる」
なんだ、電気をつけるのではないのか。
「待って。俺も一緒に行く」
奥の部屋を覗きたい気持ちでいっぱいだが、一人で覗いでいるところを見つかったらそれこそ大変なことになる。
「んー、まあいいっか。どうせそうするし」
何をどうするって?
よくわからないまま、再び忍足で流し台があると思われる場所へ向かった。
玄関スペースを挟んでさっきいた畳の部屋とは反対側になる。それでも、奥の部屋から声が漏れ聞こえてくる。
(んん……あっ、だめ……、梅谷くんが来ちゃうよ……)
俺の名前が出た? 思わず足が止まったが、佐原さんに小さな声で呼ばれたため仕方なく進んだ。
そこの部屋はダイニングで当然ながら流し台もあった。
「あったあった。これでスッキリできるわ」
佐原さんはそういい、上着の裾に手を当てるとグイッと上に持ち上げた。
えっ? ちょっと待って。それ脱いだら……。
ブラ越しでもわかる形の良い丸い胸が現れた。そのままの格好で上着を流し台で絞った。その後、躊躇なくズボンも脱ぎ同じように絞った。上下ともピンクの可愛らしい下着だ。
呆気に取られていると佐原さんが照れることもなく俺に声をかける。
「そのままだと風邪ひくよ。梅谷くんも脱ぎなよ」
確かにびしょびしょなままの体操着を着ていては風邪をひく。それに何より気持ちが悪い。思い切ってパンツ一丁になった。
「ふーん、細身なのに意外と鍛えてるんだ。私、細マッチョ好きだよ」
絞った体操服を椅子にかける佐原さんを背に、流し台で体操着の水気を絞った。
「さて、しばらくは体操着も乾かしておけるかな。下着のまま、ここで冷たい椅子や床に座るのもなんだし、さっきの畳の部屋に行きましょ」
そういい、佐原さんはダイニングを出ると、玄関に向かい、中から扉の鍵をかけた。
何で? という俺の気持ちを察したのか、佐原さんがつぶやく。
「あけみっち以外の先生がきたら困るもんね」
まあ確かにそうだけど。って、あけみっちに見られても困るでしょ。
俺は、隣の部屋を覗き見たい気持ちを抑え、押し入れと思われる観音開きの扉をそっと開けた。やはりそこは押し入れで、厚めの座布団が入っていた。
ゆっくりと静かに座布団を二枚取り出し、少し距離を離して畳に置いた。
「ありがとう」
佐原さんはそうささやき、座布団の上で、体操座りをした。雨に濡れて寒いのだろうか、キュッと体を縮こませている。
隣の声は収まることなく、それどころか激しさを増している。好きな娘の切ないあの声。
高二の男子には刺激が強すぎる。この状況でパンツ一丁というのは厳しい状況だ。
「梅谷くん」
その声に我にかえると、佐原さんの顔が俺の顔のすぐ横にあった。
「そこ、大きくなってるよ。ふふっ」
耳元のささやきに、思わず股間を隠す。
「ねえ、前に、サッチのブラホック外すって言ってたよね」
「いや、俺が外すとは言ってない……」
「ここで練習してみない?」
「へ?」
佐原さんは魅惑の笑顔を見せた後、俺に背中を向けた。
<次話:初めてのキス>
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