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第5話
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優の母親は部屋に入ると、部屋は真っ暗だった。
「あれ?優?祐也?祐樹?…和くん?」
この女の新しい男は和という名前なのだろう。今日はお披露目の為、朝、和と帰って来て愛し合った後、夕方子供達が帰宅する前に、彼を置いて買い物に出掛けていた。
今日は優に男の好物であるさばの味噌煮を作らせようと、材料を買いに行っていた。あまり食料の買い出しが得意としてない彼女は買い出しに手間取ってしまった。後は適当に優が追加で作るだろうとたかを括っていた。
遅くなってしまって急いで帰って来たが、もう7時半を回っているにも関わらず、居るはずのメンバーが部屋に居ない。
それどころか、何か匂う。
玄関の電気を付けた。
「きゃ~~~!」
玄関前まで赤い血が飛び散っている。驚いたが恐怖と嫌な予感がして急いで中に入った。
子供達が殺されてる!
彼女の頭にその思想が浮かんだ。
最近出会ったばかりの男を入れたが為に子供たちが…!
まがいなりにも彼女は母親でありながら、ろくに顧みなかった家庭ではあるが、目の前の血のりを見て今日の己の行動を悔やんだ。
途中から足がすくんで、恐る恐る前に進んで行く。震えながら彼女は、血のりが多い場所に進んで行く。
彼女は確実に子供たちの変わり果てた姿を見ることになるであろう現実に涙が零れ始めた。優!祐也!祐樹!
いや、3人も殺られたとは限らない。いったい誰の姿を見る事になるのか?それとも怪我はしてるが無事なのか?
残念ながらこの血液の量と、静かな部屋からは、生きているとは考えにくい。
本当に静寂だった。
たどり着いた部屋には想像してなかった人物が倒れていた。部屋中血だらけで、その人物の背中もシャツが血で染まっていた。
「…和くん」
男の死体を前にして、恐怖で目を見開いた。
じゃあ優たちは?彼女は周りをキョロキョロした。
そこには包丁が落ちていた。
彼女は包丁を思わず拾った。こんなに血まみれなのに、包丁は綺麗に洗われていた。何も考えられず彼女は包丁を持ったまま、呆然とした。
子供達は無事なんだろうか?一緒に何者かに殺させれ、遺体を遺棄されたのでは?という恐怖に襲われ、立ち上がった瞬間、ドアが開いた。
彼女はびっくりして振り返った。
玄関から
「警察fだ!手に持ってる包丁を捨てろ!宮本優香だな?母親が行きずりの男を殺して部屋に居るとお前の息子たちから通報があった!間違い無いな?」
優香は耳を疑った。
警察は、なだれ込む様に押し寄せて来た。
優香はやっとぼんやりその言葉の意味を理解した。
息子達に嵌められたのだ。
だが同意に他の事も理解した。私は息子達に捨てられたんだということを…。
彼女は一筋の涙をこぼし、包丁を床に置き口を開いた。
「はい。私が殺りました。」
完
「あれ?優?祐也?祐樹?…和くん?」
この女の新しい男は和という名前なのだろう。今日はお披露目の為、朝、和と帰って来て愛し合った後、夕方子供達が帰宅する前に、彼を置いて買い物に出掛けていた。
今日は優に男の好物であるさばの味噌煮を作らせようと、材料を買いに行っていた。あまり食料の買い出しが得意としてない彼女は買い出しに手間取ってしまった。後は適当に優が追加で作るだろうとたかを括っていた。
遅くなってしまって急いで帰って来たが、もう7時半を回っているにも関わらず、居るはずのメンバーが部屋に居ない。
それどころか、何か匂う。
玄関の電気を付けた。
「きゃ~~~!」
玄関前まで赤い血が飛び散っている。驚いたが恐怖と嫌な予感がして急いで中に入った。
子供達が殺されてる!
彼女の頭にその思想が浮かんだ。
最近出会ったばかりの男を入れたが為に子供たちが…!
まがいなりにも彼女は母親でありながら、ろくに顧みなかった家庭ではあるが、目の前の血のりを見て今日の己の行動を悔やんだ。
途中から足がすくんで、恐る恐る前に進んで行く。震えながら彼女は、血のりが多い場所に進んで行く。
彼女は確実に子供たちの変わり果てた姿を見ることになるであろう現実に涙が零れ始めた。優!祐也!祐樹!
いや、3人も殺られたとは限らない。いったい誰の姿を見る事になるのか?それとも怪我はしてるが無事なのか?
残念ながらこの血液の量と、静かな部屋からは、生きているとは考えにくい。
本当に静寂だった。
たどり着いた部屋には想像してなかった人物が倒れていた。部屋中血だらけで、その人物の背中もシャツが血で染まっていた。
「…和くん」
男の死体を前にして、恐怖で目を見開いた。
じゃあ優たちは?彼女は周りをキョロキョロした。
そこには包丁が落ちていた。
彼女は包丁を思わず拾った。こんなに血まみれなのに、包丁は綺麗に洗われていた。何も考えられず彼女は包丁を持ったまま、呆然とした。
子供達は無事なんだろうか?一緒に何者かに殺させれ、遺体を遺棄されたのでは?という恐怖に襲われ、立ち上がった瞬間、ドアが開いた。
彼女はびっくりして振り返った。
玄関から
「警察fだ!手に持ってる包丁を捨てろ!宮本優香だな?母親が行きずりの男を殺して部屋に居るとお前の息子たちから通報があった!間違い無いな?」
優香は耳を疑った。
警察は、なだれ込む様に押し寄せて来た。
優香はやっとぼんやりその言葉の意味を理解した。
息子達に嵌められたのだ。
だが同意に他の事も理解した。私は息子達に捨てられたんだということを…。
彼女は一筋の涙をこぼし、包丁を床に置き口を開いた。
「はい。私が殺りました。」
完
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