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第2話
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その後、母親はまた新しい男にすがり、続けざまに二人目も産んだ。
精神も安定してないのに、いくらでも無責任に出産して、小学5年になっている優が二人のオムツも交換し、母親不在の折りにはミルクを飲まし、風呂に入れ、寝かしつけた。
当然夜泣きもするので、夜中も中々寝る暇が優には無かった。
学校に遅刻することも度々で、ここでまた児相が再び動いた。
母親は子供達との別れに泣き叫んだが、優にとっては施設に入れられた方がありがたかった。
施設は施設でもちろん辛いことも沢山あった。
だが、ゆっくり夜は寝れる。
優は疲れ果てていた。
まだ小学生なのに、睡眠さえ満足に取ることが出来ない。
弟達の世話が嫌なわけではないが、食事も自分で、何もかも自分で、そしてまだ自分自身が子供であるにも関わらず、子育てを強いられる。
優は疲れ果てていた。
母親が寂しがるのは、せいぜい次の男が出来るまでの間。
しかも、既に一夜を共にするだけの相手ならごまんと居る。
母親は優から見ても、美しかった。
化粧なんかしなくても、整っているからそのままでも十分過ぎる。
若くして子供を産んでるので、年齢も若い。
ただ、この女の性格は重かった。
依存性が非常に高くて、たまに気でも狂ったかのような行動を取ることがある。
どんなに美人でも、長く一緒に付き合って行けるタイプの人間では無い。
精神疾患を抱えているんだろうが、度が過ぎる。
男は別れたらそれで良いが、血の繋がった優はこの女とは切っては切れない関係である。
優は母親を恨んでいた。
可愛がられるのは、男と別れた一時だけ。
それ以外はほぼ召使いだ。
この女の後始末を押し付けられて。
恐らく優が居なかったら、弟どちらかは命を落としていたかも知れない。
彼女の非常識極まりない行動のせいで、優は体が鉛のように重く疲れ果てていた。
精神も安定してないのに、いくらでも無責任に出産して、小学5年になっている優が二人のオムツも交換し、母親不在の折りにはミルクを飲まし、風呂に入れ、寝かしつけた。
当然夜泣きもするので、夜中も中々寝る暇が優には無かった。
学校に遅刻することも度々で、ここでまた児相が再び動いた。
母親は子供達との別れに泣き叫んだが、優にとっては施設に入れられた方がありがたかった。
施設は施設でもちろん辛いことも沢山あった。
だが、ゆっくり夜は寝れる。
優は疲れ果てていた。
まだ小学生なのに、睡眠さえ満足に取ることが出来ない。
弟達の世話が嫌なわけではないが、食事も自分で、何もかも自分で、そしてまだ自分自身が子供であるにも関わらず、子育てを強いられる。
優は疲れ果てていた。
母親が寂しがるのは、せいぜい次の男が出来るまでの間。
しかも、既に一夜を共にするだけの相手ならごまんと居る。
母親は優から見ても、美しかった。
化粧なんかしなくても、整っているからそのままでも十分過ぎる。
若くして子供を産んでるので、年齢も若い。
ただ、この女の性格は重かった。
依存性が非常に高くて、たまに気でも狂ったかのような行動を取ることがある。
どんなに美人でも、長く一緒に付き合って行けるタイプの人間では無い。
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男は別れたらそれで良いが、血の繋がった優はこの女とは切っては切れない関係である。
優は母親を恨んでいた。
可愛がられるのは、男と別れた一時だけ。
それ以外はほぼ召使いだ。
この女の後始末を押し付けられて。
恐らく優が居なかったら、弟どちらかは命を落としていたかも知れない。
彼女の非常識極まりない行動のせいで、優は体が鉛のように重く疲れ果てていた。
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