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昔々のそのまた昔?
過去の絶望はプロローグ
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満ちる 廻る 楽園は広がる
溢れる 変わる 悪意の世界
ふたつの世界は 表裏一体
ふたつの想いは 表裏一体
巡れ めぐれ
記憶を乗せてーーー
〈クスター民謡〉より一部抜粋
❇︎
ーーーかつて、王がいた。
絶対的な賢君と呼ばれた王が。力を持ちながら驕らず、威厳に溢れ、思いやりに溢れ、誰からも慕われる王が。
けれども、完璧な王には、対等な友が、寄り添う者がいなかった。
常に孤独を抱えていた。
周囲の人は、王のように優れなくとも、仲良く話す者が、友がいたのに。
寂しさは、羨みは、憎悪と妬みに成り代る。何かを、傷つけそうになる。
自分を危険視した王は、知恵を絞り、考えた。
永い永い時の中で、自分を対等に見てくれる者を、真心から道を正してくれる者を、見つける術を。
そして、守ってきた場所を臣下に託し、友を求める者達の仮の友として借りられることにした。
けれど、そのどれも、孤独の中で拗れ、かつて王であった者を利用価値でしか見なかった。
そうして、今も、王は友を見つけてはいない。
〈フルース王国 初代王逸話集 原版 〉より抜粋
溢れる 変わる 悪意の世界
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ふたつの想いは 表裏一体
巡れ めぐれ
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〈クスター民謡〉より一部抜粋
❇︎
ーーーかつて、王がいた。
絶対的な賢君と呼ばれた王が。力を持ちながら驕らず、威厳に溢れ、思いやりに溢れ、誰からも慕われる王が。
けれども、完璧な王には、対等な友が、寄り添う者がいなかった。
常に孤独を抱えていた。
周囲の人は、王のように優れなくとも、仲良く話す者が、友がいたのに。
寂しさは、羨みは、憎悪と妬みに成り代る。何かを、傷つけそうになる。
自分を危険視した王は、知恵を絞り、考えた。
永い永い時の中で、自分を対等に見てくれる者を、真心から道を正してくれる者を、見つける術を。
そして、守ってきた場所を臣下に託し、友を求める者達の仮の友として借りられることにした。
けれど、そのどれも、孤独の中で拗れ、かつて王であった者を利用価値でしか見なかった。
そうして、今も、王は友を見つけてはいない。
〈フルース王国 初代王逸話集 原版 〉より抜粋
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