神様の愛と罪

宮沢泉

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第五話 陽治郎の願い

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 懐かしい夢を見た。

 目を開けると、窓の外は小麦色のまばゆい光に満ちていた。朝日に見惚れながらも、頭では随分と寝すぎてしまったと考える。夕飯時はとっくに過ぎて、翌日の朝飯時だ。

 おそらく夕飯に呼びに来てくれたのだろう。畳んだままの布団に寝転んでいたはずが、敷かれた布団の上で寝ていた。おかげで体のどこも痛くはない。

 「服類」と書かれた段ボール箱から適当に部屋着を取りだして、蓮華の意思のもと着替える。簡単に櫛で髪をとかし、体が覚えているままにおさげに編みこんだ。

 タオルを持って部屋を出ると、日の当たっていない廊下はひんやりとした張りつめた空気で満ちていた。もしかしたらまだほかの住人は寝ているかもしれないと、できるだけ足音を立てないように階段を降りる。

 一階まで来ると、味噌のいい香りが鼻をくすぐった。台所の方から朝食を用意する音がする。時刻はおそらく六時を過ぎたころだ。この家の朝は早いらしい。障子で遮られた居間にはすでに明かりが灯っていた。

 陽治郎は気配を消して、ひっそりと洗面所に入った。顔を洗い、ぼうっと鏡に映った蓮華を見る。

 蓮華は、おそらく陽治郎が置いて逝った子どもたちの子孫だろう。懐かしい気配を感じたのは正しく、糸が指し示していたことと照らし合わせるとそう推測できた。

 神様――紫が、蓮華を引きとったのも、きっと陽治郎が死ぬ間際の願いのせい。彼は陽治郎の呪いともつかぬ願いを抱えて、今までずっと子どもたちを見守ってきてくれたのだ。

 ――私は、あの神様に、なんて重いものを背負わせてしまったのだろう。

 ぐしゃりと水で濡れた前髪を握る。

 ひとりぼっちにならなければいい、と浅はかに願った結果、紫は子どもたちの人生をいったい何代見守り続けたのだろう。何度、彼らの死を見送ったのか。気が遠くなるほどの時間を、どのような思いで。

 紫を一人にしたくない。そう願ったばかりに、紫は長い間ずっと縛られ続けてきた。どうすれば、紫を解放できるだろうか。自分の作りだした縁から、切り離せるだろうか。

 ――永遠を生きる友を、救いたかっただけだったのに。

 だからこそ、いまさら蓮華の中に陽治郎の魂があると、紫に言えるはずがなかった。

 紫が蓮華をそばに置いたように、彼がひとりでない時間があった可能性を願わずにはいられない。

 自己嫌悪と罪悪感で圧し潰されそうだ。どくっと妙な心臓の動きに、この体が陽治郎のものでないと思いだした。自分は蓮華なのだから、おかしな態度を取るべきではないのに。

 乱した前髪を整える。蓮華は女の子だから、身だしなみが変ではいけない。三つ編みの形を整え、これでいいと前をしっかり見据えた。そのとき、鏡に蓮華以外が映りこむ。ひゅっと息を呑んで、急いで背後を振り返った。

「蓮華様、起きた!」

「起きた」

「おはよう、蓮華様!」
「おはよう」

 後ろに立っていたのは、着物をまとった二人の少女だった。

 そっくりな容貌に、髪色だけが黒と白で分かれている。肩口でそろえられたおかっぱ髪が、頭の動きとともに軽やかに揺れる。蓮華の腰までしかない低い背丈で、二人はまっすぐと見あげてきた。蓮華が七五三で着たような年季の入った赤い柄の着物は、普段着にしてはひどく異質だ。

 何より奇抜なのは、彼女たちの口元につけられた犬の面。犬の口を模した面が、顔より前に突出している。

 白い髪の子がにこりと笑って、面によってくぐもった声で高らかに宣言した。

「蓮華様が起きたって主様(あるじさま)に教えてくるね!」
「教える」
「用意できたら一緒にご飯食べようね!」
「ご飯、食べよ」

 一方的に告げてくる白い髪の子のあとに、黒い髪の子が無感情のまま片言で続ける。二人は手をつないだまま、楽しそうに洗面所を出ていった。

「早く来てね!」
「来てね」

 蓮華が呆然としていると、居間の方で「蓮華様起きたよ!」「起きた」と報告している声が聞こえてきた。まるで一大事だと言わんばかりの期待の声に、洗面所から出るのがためらわれる。

 いったい今の子たちはなんだったのだろうか。彼女たちの格好が紫の趣味だったらいやだな、と思い浮かんで、このまま部屋に出戻ろうかと迷いがよぎった。

 常識的に思いとどまって、恐る恐る洗面所を出た。廊下を進み、少女たちが開け放っただろう障子の隙間から中を覗く。

「おはよう、蓮華さん」

 中央に置かれた座卓の真向かいに、紫が少女たちを侍らせて座っていた。見てはいけないものを見てしまった心地で、とっさに障子の陰に隠れる。「あれ?」と心配する声が聞こえたものの、今見た視覚の衝撃から陽治郎は立ち直れなかった。

 ――どうしよう。本当に神様の趣味だなんて言われたら……。

 さあっと血の気が引いていく。恐れを抱いているのは陽治郎だけでなく、無意識化にいる蓮華の心も同様かもしれない。

「紫さん、もしかしてちゃんと説明してないんすか?」

 紫以外の男の声に、蓮華の体はわずかに跳ねた。

「昨日の夕飯のときに説明しようと思ってたんだけど、蓮華さん寝ちゃってたからさ」

「つぅことは、まだなんすね。だったら紫さんは今、見た目が妙ちくりんなこいつらを、両手に侍らせてるやべぇやつっすよ」

「ええ? まさか~。……えっ、そんなことないよね⁉」

 考えていた事柄すべてを代弁してくれた男の声に、蓮華はそろりと居間に足を踏みいれた。居間と台所に続く境には、菜箸を片手に持った背の高い青年が立っていた。

 黒い短髪は清潔感がある。精悍な顔つきに、がたいはしっかりとしていて、ぴっちりと身につけたエプロンがいっそう小さく見える。

 青年は姿を現した蓮華にちらりと目線を向け、関心をなくしたのか、すぐに視線を紫に戻した。

「朝食、もう少しでできますから、それまでに説明しといてくださいよ」

「分かってるよ。で、今日の卵焼きは?」

「言われた通り、甘いのにしときましたよ。たくっ、砂糖入れると焦げるから、塩やだしの方が面倒じゃないってのに」

「そう言いながらも作ってくれる嵐(らん)くんを、私は愛してるよ」

「そんなやっすい愛はいらねえっす」

 文句を垂れながら、嵐と呼ばれた青年は台所へと戻っていく。

「蓮華さん、こっち来て座って」

 紫に手招きされ、困惑しつつも指示に従った。向かいに座ると、紫は温かい茶を淹(い)れてくれた。

「よく眠ってたけど、気分はどうだい?」

 湯気の立つ湯呑みが置かれたのを合図に、紫は慈しみのこもった目で尋ねてきた。

「昨晩はすみませんでした。気分も問題ありません」

「それはよかった」

 当たり障りのない模範解答に、紫もまた気にした素振りはないと言わんばかりの返し。台所と居間を遮るガラス戸を手で差して、「さっきの子はね」と話を続けた。

「彼は岩泉嵐(いわいずみらん)くん。縁あって、私の身の回りの世話をしてくれている。うちの食事のほとんどは嵐くん作だ。嵐くんのご飯はとってもおいしいんだよ」

「嵐のご飯、おいしいよ!」
「おいしい、おいしい」

 蓮華は唐突な人物紹介に、「あ、はぁ」と答えるので精いっぱいだった。にぎやかに声を上げる少女たちの存在は、一旦考えないことにした。

「何しろ私はものすっっっっごい、料理がうまくなくてね」

 笑顔をたたえたまま、勢いを溜めた発言に、台所で聞いていた嵐が顔だけ外に出して付け足す。

「破壊的なまずさだって言い直した方がいいっすよ」

「……おっほん。まぁそれで、私だけだったら問題ないけど、蓮華さんに下手なのは食べさせられないから。嵐くんにお願いしたというわけなんだ」

「下手どころじゃないでしょう。なんでちょっと見栄張るんすか」

「だって役立たずって思われたくないから」

「料理に関しては、紫さんは役立たずっすよ」

 容赦なく言うだけ言って、嵐は台所へ戻っていった。

 紫は泣き真似をして座卓に突っ伏す。その両脇に座る女の子たちは、そろって「主様泣かないで~」となぐさめているため、目のやり場に困った。

 彼らの一連のやり取りに口を出せず、目の前の紫になぐさめの言葉をかけるべきか悩む。二人の少女に目線をやり、台所の方を見やり、どうすべきか。すると、紫はすぐさま復活した。

「さて、不思議に思っていると思うけれど、まずはこの子たちのことを紹介するね」

 瞬時に気を取り直した紫に目を白黒させる。紫はマイペースに二人の頭を引き寄せた。

「こっちが右白(うしろ)で、こっちが左黒(さくろ)だよ。髪色で見分けてあげてね」

 三人でくっつき合って、じっと蓮華を見つめる。似たような満面の笑みを向けてくるため、おずおずと尋ねた。

「紫さんの、妹さんですか?」

「いやいや、この子たちは――」


 ドンッ――


 突然、家が何かに揺すぶられるかのような振動が走る。自身ではなく、家自体に重力がかかる、いやな圧迫感だ。地震による縦揺れだろうか。蓮華は体勢が振れて、思わず座卓に手をついた。

 ふと、手元に置かれた湯呑みに目線がいく。驚いたことに、湯呑みの中身は波紋のひとつも立っていなかった。

 紫は落ちついた様子で天井を見つめ、少女たちも騒ぐ様子は見られない。嵐に至っては、台所から出てもこない。何が起きているのか分かっていないのは陽治郎だけだった。

 立ちあがろうとすれば、それも適わなかった。足が固まってしまったかと下を向くと、昨日見かけた三毛猫がずっしりと蓮華の膝に乗っていた。

「口で説明するより、見てもらった方が早いね」

 蓮華の困惑が目に見えたのか、紫は名案だと言わんばかりに手を合わせた。

「右白、左黒」

「はいはいはーい!」
「はいな」

 紫が一声かける。それは風が耳元で吹いたときのように、研ぎ澄まされた音だった。りーんと涼やかな鈴の音が響く。名を呼ばれた二人は鈴音のあとその場から一瞬にして消えた。

 右白と左黒は、ほのかに淡い光を放つ玉となって、部屋中を飛び回る。閉めきっていた障子の戸をすべて開け広げた。ぱたん、ぱたんっと開かれた障子や窓から、朝の光と空気が差しこんでくる。

「この子たちは私の使い。この地の邪気を払って、守ってくれている存在なんだ」

 縦横無尽に宙を舞った二つの光の玉のおかげか、妙な重圧は薄れていった。鈴の音を響かせながら室内の空気がよくなると、光の玉たちは紫の頭上をくるりと回る。それを合図に紫は立ちあがり、床の間に飾られた短刀を手に取った。

「うちにはね、ときどき【悪しきもの】が来るんだよ」

 こういうの、と指で円を描くと、その指先を中心に黒いもやが集まっていく。気づけば外の景色は黒ずんで、紫に向かって黒い気体らしきナニカ(、、、)が続々と襲いかかる。

 霧のように広がった黒いもやによって、部屋は一瞬にして暗くなってしまった。陽治郎は恐ろしくなって、すがるように三毛猫を抱きしめる。

「右白、左黒。まとめてくれる?」

 太陽の光を閉じこめたような玉は、暗闇の中でも美しく映えていた。絡み合う線を残像に、光り輝きながら空中を踊る。一定の法則をもって宙を飛ぶ光たちは、次第に黒いもやを統率していく。

 黒いもやは糸のように細く伸ばされる。いくつもの糸は光の玉に導かれるまま、一本の縄として編みこまれていった。自然と部屋に立ちこめていたいやな気も、黒い縄に凝縮されていく。

 黒いもやの中で堂々とたたずんでいた紫は、そっと手のひらを持ちあげる。その上に光の玉たちによって編まれた黒い縄が、弧を描いて落とされた。

 黒い縄を軽く持つと、紫の髪の色が変化する。艶やかな黒髪が、風が吹かれた瞬間に白銀色に変わっていった。陽治郎にとっては見慣れた髪色に、懐かしさがこみ上がる。

 いつの間にか鞘から抜いた短刀を黒縄に沿わせると、小声で何かをささやく。まるで熟した果実を真っ二つにするかのように、軽い動きで一閃した。


 バチッッ!


 光を弾いた音とともに、視界が真っ白になって何も見えなくなる。次に目を開けたとき、そこは朝日が差しこむ平穏な居間でしかなかった。

「まだ寒いからね、ガラス戸は閉じてきてくれる?」

 紫は銀髪から黒髪に戻っていた。もしかしたら、蓮華の目を通して見たものは、陽治郎が見たいと強く願った幻だったのかもしれないと思うほどに、日常の一場面に戻っていた。

 光の玉に変化していた犬面の不思議な少女たちは、人型に戻って紫の指示に元気よく従う。

「こうしてね、【よくないもの】を切るのが私の役目」

 紫は刀を鞘に戻し、床の間に飾り直す。

「よくない、もの」

「形容しがたいけど、ナニカと言われれば、それは【悪縁】と言うのかな」

 蓮華は目をぱちくりと瞬いた。

「人が人と関わると、縁が生まれるでしょう? それは関係が深まれば深まるほど絡み合う。いらないと思っても、一度絡んでしまった縁はほぐせない。人間関係だけではないよ。病魔だったり、自然界のつながりだったりから生まれることもある」

 説明してくれる紫だったが、陽治郎はさきほど目の前で起こった奇妙な光景から現実に戻れない。パニックに近いほど戸惑う陽治郎の機微に紫は気づいていないようだった。

「人が抱えきれなくなった縁を、紫さんが引きとってんだと」

 電源の抜かれた炊飯器と、茶碗が乗った盆を持ちながら居間にやってきた嵐が、陽治郎の混乱をくみ取って付け加えた。

「……本当に。神様、なんですね」

 その言葉は無意識の外から、蓮華本人の驚きだった。

 紫は、意地悪げに目を細めて、にやりと笑ってみせた。

「そうだよ。私は神様なんだ」


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