5回目の転生でやっと村人に

3章〜原初の魔国〜

〜恐るべき村人〜

　よし、これでどうにかなりそうだ。
　この村人の機嫌を損ねないように、丁寧にあつかう。
　村人も村人で従者の忍びを守っているようだし、戦いには、ならなそうだ。
　皇帝はルシエルの魔力も借り、急いで転移門の作成に取りかかる。


　んーまだか？
　遅いな。
　術式を効率化していないから、すごく長ったらしい。
　まぁ普通なら使わない魔法だから、知らなくても仕方ないんだけどね。
　俺はもう待つのが嫌なので、皇帝がつなごうとしている先を逆算する。
　そして、そこに着く転移門を作成する。
　……………………
　よし、できた！
　皇帝は、やっと座標の指定が終わったところだ。
　
「えっと、頑張ってるところ悪いんですが…転移門作成しときましたよ？」

　
　帝王は一瞬顔を青ざめ、そして王者としての風格を取り戻す。
　何なのだ本当にこの化け物は。
　村人なのか？
　あの作成術式を後も簡単に効率化させてしまうとは…
　本当に人なのか？
　こいつがただの村人では無いことはわかった。
　しかし本当に人なのか？
　魔力も、高位魔物の悪魔並にある。
　それに恐るべきは、その頭脳だ。
　今の術式の効率化と言い、その態度と＝（イコール）で繋げない。
　どうしたら、ここまでの頭脳を人間が持てるのだろうか…
　何百年と研究をしないとその頭脳はありえない。
　まぁ転移門ができたことだ。
　早急に移動しよう。
　最近はワイルドがここに現れているという。
　見つからないうちに…


　帝王さんなんか青ざめてたな。
　まぁ、王としてのプライドがあるのか、すぐに戻ったけど。
　転移門完成したことだし話をつけて、さっさと魔物の国に、行くか。
　てか、名前ないと不便だな。
　ついたら、名前をつけるか…