5回目の転生でやっと村人に

幕間ーうごめく者ー

ー可憐な少女ー

「キャハハ、あの子強かったね！！」

　そう嬉しそうに言いながら、少女は少女の何倍もあるミノタウロスを蹴り飛ばす。
　一方のミノタウロスは腹を抑え気絶している。
　しかし、少女は気づかない。
　それほどまでに、面白いことがあったのだ。
　今少女にあるのは『好奇心』のみ。
　己の欲望のままに行動し、それを手にするまではどんな犠牲も構わない。
　それを止める方法は、ほとんどない。
　その好奇心を消すか、仲間に止められるか、それくらいしか彼女を止める方法はない。
　まるで悪魔のような彼女を周りの人は、『キュリオシティー』と読んだ。
　しかしそれも仮の名前。
　自分には興味がない彼女は自分の名前などどうでもいいのだ。
　少女は次の作戦を練った。
　もちろん、あの子供に関してだ。
　‡‡‡は1年間は放置する。と言っていたが、もったいない！
　今のうちに遊んでおきたい！
　ただそれだけに支配された少女はまるで、おもちゃを買ってほしくて、試行錯誤する子供のよう。
　どうしたら、あの子は出てくるのか。
　あの子は何に興味があるのか。
　興味はどんどん高まっていく。　
　そして、彼女は考えた、最高の作戦を。
　そして、彼女はまだ知らない。
　それが、自分の運命を大きく左右することを。