転生者は常識外れなのだが…

syu117

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3章新たな学園編

学園再び⑤

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 手に付いているこの時計は俺のお手製のものである。性能的にはかなり正確であり時間がわかって嬉しい。因みにこれは鍛治部屋で前世の時の時計の構造図をナナに出してもらって昨日、組み終わったものだ。そのため使うのは初めてである。壊したくは無い。まぁ~一応これの動力は魔力だから常に小さい結界を張っている。魔法式を時計の腕と当たる部分…あの冷たいやつだ。そこに刻み込んでいる。ブランド名とか無いから代わりに…な。

「早く帰らないと!」
夕ご飯まで時間はあるとはいえ作り始めるのは10分後くらいだ。早くしないと待ちかねて作り始めてしまう。

「急がなくては!」
俺は駆け足で戻る。


到着してすぐに食堂へ向かう。食堂へ着いてすぐに買ってきた食材を見せ、いかにも俺が作るんだ!という感じの雰囲気を出した。
それの効果もあったのか俺の手伝いをしてくれる事になった。食材は12人前ぐらい用意している。決して4人から分量が計算しやすいからだとか4人分の分量なら覚えているとかそんなわけでは無い。実際に食べるのは11人だからみんな少しずつ多く食べれば問題ない。問題なのはルーがない事だ。カレーに一番必要なものを忘れていた。

「仕方ない」
今日の夜ご飯はシチューに変更となった。シチューのルーは無くてもいいだろう。だって牛乳と片栗粉混ぜればそれっぽくならないか?え?それシチューじゃないって?知らんそんなの。
それから作成である。因みに今回、俺がご飯を作るのは勉強の一環だからな。料理の練習、素材の確保、予算、実際に仕事を見てどんなことをしているのかを見るなど。得られるものは沢山あるのだ。


作り終え、シチューが冷めないうちに食べられるように時間を調整していてよかった。
やったことと言えばシチューの熟成(カレーとおなしように美味しくなるんじゃないかと1日ほど置いた状態に魔法でしておいた。
時空干渉魔術…今はあまり使い手はいないらしいが。)

机に並べ終わり、全員を呼んだ。

「今日の晩ご飯は僕が作った…食材のカットとかは手伝ってもらっていますし…そうですね。僕と調理員さんのコラボ料理です!」
みんな自分の前にある皿を見る。

「これ本当にアルファ君、君が作ったのかい?」
ニーナさんが皿の中にある白く濁ったドロドロのものを見て言う。

「はい、コラボ料理ですけれどね」
そして「頂きます。」をしてご飯を食べ始める。お米とシチュー味噌汁これが今日のメニューである。

「美味い!なんだこの味は!?下の上で奏でられるハーモニィ~」
あれ?聞いたことあるな。気のせいなのかな。まぁ~喜んでくれて入るのはわかったよ。うん。ジャックさん口調すら変わって…治るのかな。ちょっと心配になってしまった。

「ジャック君の反応もうなずけるな。これは美味しいね。アルファ君、君は料理レベル何レベルなんだい?ここまでのもの出せると言うのはスキル持ちとしか考えられないからね」
レンヤさんは口調は変わっていない。(良かった)それと聞かれたからには何レベルかナナに確認する。(これからはナナとの会話は<>これにします。)

<今何レベルぐらいなの?>

<久しぶりすぎてもう出番ないかと思いましたよ。あと、14レベルです!>

<え?そんなに上がってるの?>

<はい、まぁもうちょいで15ですけれどね>

<普通、どのくらいなの?>
ふと気になり、聞くと。

<普通は2~3ぐらいですかね年代的には。料理人クラスになると6~8にもなりますが、人類でマスターの次に高い、料理兵団団長殿でも12ですからね。どうなんでしょうか?>

<ありがと>

<いえいえ>

「11ぐらいですかね」
(俺がナナと話した合間は時は進まないようだ。)前回、学園で見た時は11だったし。それを言ってレベルは低く伝えられたつもりだったが。

「11!?あの団長とも張り合えるんじゃないの?」

「そうですかね」
俺の料理はかなり好評だったらしく毎週金曜日の夕ご飯は俺が担当になった。本当にめんどくさかったりする……本音を言うと何にしようか超迷っていたりもする。


翌日、毎日と変わらない日々が始まった。(昨日のことと比べているだけだが)今日は自習時間は鍛治部屋にこもるつもりだ。

鍛治部屋には工具もいっぱい揃っているため、大概、物作りはここでする。今日作るのは結界装置である。
結界は魔術の分野だろ。と言う意見もありそうなものだが、一先ず、材質だけでもチェックしておきたいのである。
材質のチェックが終わり、今度は魔法陣を描くため、魔術の訓練部屋へ行き、描き始める…防御制御式のな魔法陣である。結界を作る以上、防御制御式は必要不可欠である。だが、質の悪いものを使うのは気がひける。これまではしていなかったが、今から本格的に防御制御式の仕組みを理解し、より良いものを作る…残りの時間の課題だ。


かなりの時間が経った。1時間ほど前、防御制御式の仕組みは理解した。しかしよくもまぁ~こんなものを思いつくものである。
簡単に言うと、魔法陣の魔力が分散しないように魔力に指向性を持たせる…ここからはよくわからん。魔法陣のバグまで使っているのだ。こんなものよく作れたな~と感心していた。それから時は流れ、ようやくものが出来た。バグまで使っていたのでこちらも…ということであらゆる方法で強度を高めたり、性能を高めたりもした。
だが、これは試作品であり、俺のではないのである。だが、時間もないため、取り敢えず、これを組み込んだ魔法陣を作り、簡易化して結界装置に刻んだ。因みに効果は一先ず物理、魔法、衝撃等のあらゆるものに対応している。まぁ~魔力切れれば終わり…なのだが。いいことを思いついた。と言わんばかりの笑顔を浮かべ、自室に戻る。
翌日、彼はを完成させた。これは結構使えると思う。使う前はゴリゴリ削れてキツイけれど。


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