転生者は常識外れなのだが…

syu117

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1章 学園生活編

学園生活①

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 一先ず校長室へ来てみた。もちろん、じゃないと転移魔法ワープがバレるからな。校長室の扉は、重々しく豪華な作りになっている。まさしく学園の長が居るべき部屋の扉という感じであろう。まぁ~それを躊躇なく開けて行くのが俺である。会社員の時は逆らわんかったが、今なら別に良いだろう。開けると、とても豪華な部屋が広がっている。その部屋は床には、真紅のマットレスを。窓には、気品を感じさせるカーテンが外からの眩しい光を遮っており、まるで貴族の事務室のような部屋なのである。ショーケースのようなものの中には魔物の魔石が入っていたり(本で見た)、実験用の魔法陣を書くチョークも入っている。

「さて、君にはこの問題を解いて欲しいのだが、良いか?」

と、俺が部屋を一通り見終わった頃に言った。流石である。だが、気になるのが、校長は、椅子に座っておらず、椅子には、ダンデイな、人が座っている事である。しかしながら、その人は、何も喋らず、説明しているのは、ここの校長だけなのである。

「は、はい。」

そう答えると問題を出された。内容は、数学の高校レベルの問題と、魔法陣が描かれており、おそらくその意味を言うと言う感じである。
実の事を言うと、魔法陣には、中心にその魔法の効果を漢字1字で描かれており、その周りに言葉が描かれている。それによって違う効果があるのである。
複雑であると、中心の漢字が複数あったり、まわりの言葉が2重になっていたりする。又この字は全て、この世界の者にはよくわからん文字の羅列なのであるが、俺には、辞書ガイド君が居るため聞きながらすれば良いのだが、それは、途轍もない、例えば、国中の魔法師が、束になって解けないものは、辞書ガイド君に頼むが、そこまで、難しくないためスキル抜きで解読する。解読は、魔力を用いて対応する文字を埋めていき、それを掛け合わせると意味がわかるのである。反対に魔法陣を作る時もそうするのである。まぁ~この方法は、この世で俺ぐらいしか使っていないだろう。
何故なら、魔力を大量に使うのである。前見た時は、1500だったが、今見ると2000程になっている。だがそれでも、足りなくなる場合もある。例えば辞書ガイド君を起動するのに、今は、1000使う。だが、今回の物はそこまで使わない、と言うことと、辞書ガイド君がバレるかもしれなかったから。だからこそスキル抜きで解読するのである。
そんな魔法陣の問題が一問。それら2問が、小さな紙に印刷されていた。15分ぐらいだろうか?それぐらい経つと全て解き終わる。

「フゥ~やっと解けた。」

思わず呟いてしまった。魔法陣は、5分で解けたのだが、数学は、10分もかかったのである。俺は数学は得意な方である。あと、気になったのだが、何故、算数ではなく、数学の問題を出して来たのだろうか?しかも中学レベルではなく、高校レベルの問題を。その答えは直ぐに、相手側から来た。

「実はね、あの入試問題の算数と魔法陣の問題は、解けない前提で作られていたんだよ。実際にあの算数の問題は、王立魔法大学の問題だ。そして、魔法陣の問題は王立魔法アカデミー最終問題だ。」

「つ、つまり?」

「君は少なくとも王立魔法大学に受かる程度の学力があると言うことだ。それは、この問題をたった15分で解いたことが証明しているだろう。」

「あの、そういえばなんで、武術や魔術の点が満点を超えていたんですか?」

「例えば、君が武術の試験中、誰を倒したと思う?」

「え、武術の先生でしょうか?」

「いや、この国の随一の剣士だ、あの方は学園の誰よりも武術では負けんお方だ。しかも、魔術のあの的は、通常壊れん。どれくらい精巧に撃てているかを判断するためのものだからな。」

「な、なるほど。」

「あとは、君、無詠唱だったろ?アレが出来るのは、この国でも10人いるか居ないかだ。しかもあの威力となるともはや敵がいないかもしれん。少なくとも同世代では居ないだろう。」

「つ、つまり?」

「君は常識外れだ。そのため君は、教師と同じ待遇をする。それと、授業に関してだが、君は単位を取れなくても合格とする。現在の実力だと不合格にする方が難しいからな。」

「あの、寮は何処に行けば良いんでしょうか?HRに行けなかったので。」

「あー、それについては、こちらで説明する。」

それから説明を聞いた。それによると、俺の部屋は…と言うより順位が良ければ部屋のランクが上がるらしい。また、その、順位を決めるのは、1年に2回だそうだ。つまり、半年ごとに部屋が変わる可能性があるという事だ。だが、1年に一回、学年が上がるに連れ、無条件で部屋は変わるそうだ。
それと、部屋に誰かを誘うのはOKだそうだ。無論、それ以上は言わんらしい。それと家具は少し置いているそうだ。それもランクによって違うらしいが…ご飯は、下にある店で食べるも良し、食材を買って自分で料理を作るのも良し、だそうだ。ちなみに、使う金は、生徒個人証明書に自動的に入るそうだ。だが、あまり無駄使いしないようにと忠告を受けた。
一応節約したり、貯金したりすれば大丈夫だろう。そこまで話すと、

「とりあえず今日は遅いため一度部屋に行きたまえ」

と言われた。一応椅子に座っていた人のことを触れなかったが良かったのだろうか?校長に貰ったメモ書き道理に進むと、途轍もない高さのビルがあった。俺は、これから少なくとも、半年は、お世話になる部屋へ向かった。一方で校長室では、

「陛下、どうでしたか。今年の1年の主席は。」

「そうだな。とても出来がいい、では、表わせんな。あの剣士を倒しただけでもすごいのに、さらに、あの若さじゃ。アレは、天才の遥か上にいる者じゃろう。しかも、あの者は、神言会でも何か不思議な事があったと言うじゃないか。確か、オーディン神の加護が150000あったじゃろう。あれは、人が持つものを遥かに超えておる。今後が楽しみじゃのう。」

「そうですね。陛下。」

「ラインハルト、お前と儂の仲じゃ、敬語は如何なものか。」

「そうでしょうか。」

「また、じゃ」

「す、すみません」



「ココか、俺の部屋は」
俺の部屋は101だ。とは言え1階フロアは、全て俺の部屋扱いだそうだ。それで、俺の部屋は尋常じゃない広さである。とは言えロビーは必要である。そのためロビーは、地下1階にあるそうだ。地下2階は、店が集まっている。まるで、祭りのようだ(店舗はちゃんとある)。地下3階は、以前の世界あっちで言う所のスーパーや銭湯、ショッピングモールのようなものもある。つまり、一応地下3階にも食べ物屋はある。だが、2階の方がとても多いと言うだけだ。校長室で菓子も茶も飲んだため、夕食は必要ない。だが、朝ごはん用に地下3階で色々買ってきておいた。日本人の大好きな米は、数百年前の転生者が広めたそうだ。その転生者、分かってるじゃないか、味噌などもあり、味噌汁も作れた。だが、この世界では、家畜がいないつまりは、全て、モンスターの肉なのである。どれが良いのかわからず、当てずっぽで、肉を選んで来た、ホワイトバードとシルバーボアとナイトモーウというのを買って来た。うまそうな肉である。とりあえず、こめを炊く炊飯器はあったため、コメをセットし、味噌汁を作った。シルバーバアは、豚ではなく猪のような感じだった。ホワイトバードとナイトモーウは冷蔵庫に入れておいた。ちなみに、このような以前の世界あっちの世界で言う所の家電とか、電子機器は、魔道具と言うそうだ。おそらく魔力で動いているのだろうが、魔力のタンクとは、何処にあるのだろうか?そしてどのように貯めるのだろうか?非人道的な物ではない事を辞書ガイド君に確認して安心したのか直ぐに眠ってしまった。
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