1 / 1
悪役息令は断罪を利用されました。
しおりを挟む「今日を持ってレオン・ディーウィンドそなたとの婚約を破棄させて頂く」
俺を見下ろしながら、そう言い放って居るのは幼い頃からの婚約者であったアダム・ウェアリダ殿下だった。
煌びやかな衣装を纏い、腰まで伸びる白い髪はとても綺麗で
彼が動く事に美しくなびいている、
今まさに婚約破棄されている俺は言葉が出ず、彼の美しい髪を眺めている事しか出来なかった。
「そなたの悪行は既に全員に広まっている、私に近寄る、男女を見境なく貶し、時には暴力的な行動に出た、それだけでは終わらず、そなたはこの国では違法の薬に手を出した証拠は全て揃っている。よってそなたは身分を剥奪し国外追放とする」
,,,は、?
俺そんな事して無いんですけど、
俺は身に覚えの無い罪に対し反論をしようとしたが、流石にこの貴族が大勢居る中で殿下に反論するなど自殺行為でしか無く、唇を噛み締めただ言葉を飲み込む事しか出来なかった。
「連れて行け」
殿下の声と共に辺りに立っていた
騎士が俺の傍に寄ると肩を掴み引き摺る
乱暴に城の城外に追い出せば
俺はさっきまで居た城を後ろに、自分の家に帰る馬車へ静かに乗り込んだ、
父上はきっとキレるだろう。
出来の悪い息子だと、母上は顔も合わせてくれないかもしれない、
それ程殿下との婚約はとても重要なものだった、だがそれを破棄された今
両親はきっと使い物にならない俺をすぐ様捨てる。
そんなマイナスな思考だけが頭の中を巡る
「はぁ、どうしてこうなったんだよ、」
口から無意識に言葉が流れた。
殿下とは幼い頃から一緒にいて多少は仲がいいと思っていたが、それも思い違いだったのか、、
ガタン
ッ!?
大きな音と共に馬車が激しく揺れ
突然の振動で身体を激しく打つ
「痛ッ,,」
いきなりの事で前に転げ落ち
全身に痺れるような痛みが走りる
「だ,,,れ、、」
涙で視界がぼやけ、はっきりとは見えないが俺を覗き込む黒い人影を目で捉え乍意識を落とした。
「ん、、痛ッ、」
目が覚めると同時に全身の痛みが襲いかかる、、全身が軋む様に痛い。
痛みを我慢し何とか起き上がると見覚えの無い綺麗な部屋のベットの上にいた。
「何処だここ、」
辺りを見回すが部屋には1つの窓も無く時計すら無い、
「どうなってんだ、」
顔を真っ青にし今の状況に頭を使う、
俺は、婚約破棄されて、屋敷に帰ってる途中に誰かに襲われた、のか、
カチャ…
??
不自然な音のする方へ目線を向ければ片足が見るだけで重そうな鎖でベットに繋がれていた。
「ッ!?、何だよこれ、外れないッ」
力任せに鎖を引っ張るが当然外れる訳もなく体力を無駄に消費していく。
「レオ」
突然俺の愛称を呼ぶ、聞き慣れた声が部屋に響いた。
「なんで、貴方がここに、、」
笑みを浮かべ乍俺の方へ進んでくる、
ゆっくりと確実に距離を縮めて
「レオ、可哀想に痛いよね身体、傷付けるつもりは無かったんだけど、」
キシッと音を立てながらベットに上がるのは婚約者だった、アダムだった、
「殿下、、」
頬に近づく手を避けるように顔を下に向ければ
顎に手を添えられ見蕩れてしまう程の紅く美しい目と目線が合う
「アダムって呼んでよ、レオ」
瞳を震わせながら、殿下は俺の頬に手を移動させ、優しくゆっくりと撫で上げる
「殿下、、なんで,,こんな事」
「なんでってレオを愛しているからだよ、レオを誰にも渡したくない、誰の視線にも入れたくない、俺の傍にずっと居て欲しい他の奴らと話たり、レオが他の奴らに笑顔を見せるだけで嫉妬で狂いそうになる、」
「だからレオをこの部屋で監禁する事にしたんだよ」
何、、言ってんだ、監禁。?
「そんな事してバレたら名誉を傷付けるのは貴方ですよ!!」
意味の分からない理不尽な理由に頭に血が上り顔を赤くさせ怒鳴り上げる
「ふふ、レオ、まだ気付いてないの?今君は国外追放されてて、レオがこの国に居ない事を不思議に思う者は居ないし、誰ももうレオの行方を知ろうなんて輩は居ないよ?」
「この為に、レオの部屋に薬を仕込んで、レオを貶めようとするあの馬鹿な令嬢や令息を上手く利用して上げたんだ」
「こんなに上手くいくとはね、これでやっと君を俺の物に出来るよ」
狂気とも言える程狂愛に満ちた目で俺を捉える、殿下の異常な執着に俺は怯える事しか出来ずに居た
「レオ、すごく可愛いよ♡、鎖も似合ってるね、足が痛くならない様に頑張って作ったんだ」
鎖が繋がっている足をやさしく持ち上げそっと口付けを落とされる。
その光景がおかしい事は理解しているが殿下から目が離せず、
足から感じる暖かい息や唇の感触に
「ん、ッ、…」
と声を漏らす。
「とっても可愛い、その声もっと聴きたいな♡」
心底幸せそうな表情を浮かべ乍此方を見つめてくる殿下は、足から手を離せば俺を押し倒す様に上に覆いかぶさる。
「夢みたいだ、レオをこれから永遠に独り占めできるなんて、はは、俺は幸せ者だね」
あぁ、もう俺は逃げれないんだと直感で察した。大変な事になってしまった。ほんとうに。
「アダム、、」
消え入る様な声でアダムを呼べば、とても嬉しそうな顔をし返事をする。
「あぁ!やっと名前呼んでくれたね嬉しいよ♡ これからが楽しみだねレオ」
「さぁ、まだ夜は長いよ、今日は寝かせれないから一緒に愛し合おう」
甘ったるい台詞と共に唇に優しくキスが落とされた。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
ここまで読んで頂き有難うございます!
文章がおかしかったり誤字脱字があったりしたらごめんなさい🙏
また皆様の目に俺の作品が止まることを祈っております!( . .)"
この話は人気が出れば続くかも知れません今後とも宜しく御願いします!
157
お気に入りに追加
98
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
え?俺って思ってたよりも愛されてた感じ?
パワフル6世
BL
「え?俺って思ってたより愛されてた感じ?」
「そうだねぇ。ちょっと逃げるのが遅かったね、ひなちゃん。」
カワイイ系隠れヤンデレ攻め(遥斗)VS平凡な俺(雛汰)の放課後攻防戦
初めてお話書きます。拙いですが、ご容赦ください。愛はたっぷり込めました!
その後のお話もあるので良ければ
婚約破棄されたショックで前世の記憶&猫集めの能力をゲットしたモブ顔の僕!
ミクリ21 (新)
BL
婚約者シルベスター・モンローに婚約破棄されたら、そのショックで前世の記憶を思い出したモブ顔の主人公エレン・ニャンゴローの話。
俺の親友がモテ過ぎて困る
くるむ
BL
☆完結済みです☆
番外編として短い話を追加しました。
男子校なのに、当たり前のように毎日誰かに「好きだ」とか「付き合ってくれ」とか言われている俺の親友、結城陽翔(ゆうきはるひ)
中学の時も全く同じ状況で、女子からも男子からも追い掛け回されていたらしい。
一時は断るのも面倒くさくて、誰とも付き合っていなければそのままOKしていたらしいのだけど、それはそれでまた面倒くさくて仕方がなかったのだそうだ(ソリャソウダロ)
……と言う訳で、何を考えたのか陽翔の奴、俺に恋人のフリをしてくれと言う。
て、お前何考えてんの?
何しようとしてんの?
……てなわけで、俺は今日もこいつに振り回されています……。
美形策士×純情平凡♪
なんで俺の周りはイケメン高身長が多いんだ!!!!
柑橘
BL
王道詰め合わせ。
ジャンルをお確かめの上お進み下さい。
7/7以降、サブストーリー(土谷虹の隣は決まってる!!!!)を公開しました!!読んでいただけると嬉しいです!
※目線が度々変わります。
※登場人物の紹介が途中から増えるかもです。
※火曜日20:00
金曜日19:00
日曜日17:00更新
蔑まれ王子と愛され王子
あぎ
BL
蔑まれ王子と愛され王子
蔑まれ王子
顔が醜いからと城の別邸に幽閉されている。
基本的なことは1人でできる。
父と母にここ何年もあっていない
愛され王子
顔が美しく、次の国大使。
全属性を使える。光魔法も抜かりなく使える
兄として弟のために頑張らないと!と頑張っていたが弟がいなくなっていて病んだ
父と母はこの世界でいちばん大嫌い
※pixiv掲載小説※
自身の掲載小説のため、オリジナルです
兄弟がイケメンな件について。
どらやき
BL
平凡な俺とは違い、周りからの視線を集めまくる兄弟達。
「関わりたくないな」なんて、俺が一方的に思っても"一緒に居る"という選択肢しかない。
イケメン兄弟達に俺は今日も翻弄されます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる