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学院見学③
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1限目を見に向かうといっても、引き続き1年1組である。
1年1組の1限目の授業は魔法基礎で、先生は騎士団から学院へと転属になった、ケップルという女性の先生だ。
実際に騎士団にいた時に見ているのだが、魔法の腕は非常によく、人付き合いも上手な素晴らしい人である。騎士団では、王国騎士団第一機動隊第二中隊第一魔法小隊、通称121魔法小隊の隊長を任せていた。
この121魔法小隊は14人からなる非常に小さな隊なのだが、最も多く手柄を立てていた魔法小隊で、フィヨルナンド王国で反乱が発生したときに、最も早く国境へ到着したところだ。
この学院では、魔法関係の最重要職へと就かせている。
「はい、授業始めるよ~!」
私たちが教室へと戻ってきて、こちらを見ながら生徒たちはざわざわしていたのだが、彼女が入ってきて一声かけただけで、あっという間に教室内は静かになった。
「今日は、陛下や殿下、アルキメデス侯爵がいらっしゃっている。陛下は私よりも魔法がお上手ですので、本日は最初に、陛下に魔法を見せていただきましょう!」
「え!?聞いてないんだけど!!」
「言ってないですから!」
開始早々、私たちの間でそのような会話が繰り広げられ、生徒やレイナなど、周りの人は笑っている。
私はこの件に関して本当に何も聞いていない。ケップルはあったときからこのようなことをする人なのだ。
私が初めて騎士団を見学に行ったとき、最も最初に私の存在に気が付いて駆け寄り、ひたすらに魔法を見せてくれと頼み込んできた。
よその国なら相当無礼な行為だけれど、私は別に気にしてはいないのでおっけーです。
「じゃあ陛下!お願いします!」
私は何を見せようか考えながら、階段を下って生徒たちの前へ行く。
(ちょっと厨二病心くすぐる、かっこいい奴を見せようかな!)
「こんにちは!私はニシゾノ王国国王の、ニシゾノ・チナリです。急に言われたので、何も準備してなかったんだけど、今日はかっこいい魔法を一つ見せようと思います!」
私がそういうと、生徒たちから「おぉ!」と声が漏れる。
……フィネメイゼにやにやしてるの見えてるからな。
まあいい。
私は無詠唱でサクッと土魔法を使って複数の的を作る。
この時点ですでに相当上位のことのようで、驚いている人は多い。
「では、いまからやりますね。一応的の近くからは離れたほうがいいかもしれない。」
私がそういうと、的の近くにいた人も、的の近くではなかった人も全員私の後ろ側に回り、ケップルが魔法障壁を展開する。
「いや!そんなに爆発しないから!って!!」
ふと教室後方に目をやると、2人そろって魔法障壁を展開していた。
「じゃあ、行きます!」
体の中にある魔力を、塊にして具現化するようなイメージ。
少しずつ魔力の圧縮を弱め、うまく調整しながらシャボン玉のように魔力球を作っていく。
その魔力球を、体の腰あたりで等間隔に並ぶようにする。
(よし、できた。あとはこれを放つだけ!)
私は一気にその魔力球を的に向かって放つ!
魔力球は一直線に的まで飛んで行き、ものすごい轟音を立てながら的は砕け散る。
的の周りには私が魔法障壁をかけていたために、破片が飛び散ったり建物が傷つくことはないのだが、ものすごい音と振動が伝わってくる。
生徒たちからはものすごい歓声が上がった。
ちなみに、魔力の具現化から的に当たるまでにかかった時間は1秒にも満たない。
「ありがとうございました。ではみんな、席に戻って!」
そういうと、生徒たちはそれぞれ席に着席していった。
「では、陛下に今の魔法の解説をしていただきましょう!」
「へ?」
またもや無茶ぶりが登場したのだが、来るだろうなと予想していたので、何とか乗り越えることができた。
そんなこんなで、1限目の見学が終了した。
1年1組の1限目の授業は魔法基礎で、先生は騎士団から学院へと転属になった、ケップルという女性の先生だ。
実際に騎士団にいた時に見ているのだが、魔法の腕は非常によく、人付き合いも上手な素晴らしい人である。騎士団では、王国騎士団第一機動隊第二中隊第一魔法小隊、通称121魔法小隊の隊長を任せていた。
この121魔法小隊は14人からなる非常に小さな隊なのだが、最も多く手柄を立てていた魔法小隊で、フィヨルナンド王国で反乱が発生したときに、最も早く国境へ到着したところだ。
この学院では、魔法関係の最重要職へと就かせている。
「はい、授業始めるよ~!」
私たちが教室へと戻ってきて、こちらを見ながら生徒たちはざわざわしていたのだが、彼女が入ってきて一声かけただけで、あっという間に教室内は静かになった。
「今日は、陛下や殿下、アルキメデス侯爵がいらっしゃっている。陛下は私よりも魔法がお上手ですので、本日は最初に、陛下に魔法を見せていただきましょう!」
「え!?聞いてないんだけど!!」
「言ってないですから!」
開始早々、私たちの間でそのような会話が繰り広げられ、生徒やレイナなど、周りの人は笑っている。
私はこの件に関して本当に何も聞いていない。ケップルはあったときからこのようなことをする人なのだ。
私が初めて騎士団を見学に行ったとき、最も最初に私の存在に気が付いて駆け寄り、ひたすらに魔法を見せてくれと頼み込んできた。
よその国なら相当無礼な行為だけれど、私は別に気にしてはいないのでおっけーです。
「じゃあ陛下!お願いします!」
私は何を見せようか考えながら、階段を下って生徒たちの前へ行く。
(ちょっと厨二病心くすぐる、かっこいい奴を見せようかな!)
「こんにちは!私はニシゾノ王国国王の、ニシゾノ・チナリです。急に言われたので、何も準備してなかったんだけど、今日はかっこいい魔法を一つ見せようと思います!」
私がそういうと、生徒たちから「おぉ!」と声が漏れる。
……フィネメイゼにやにやしてるの見えてるからな。
まあいい。
私は無詠唱でサクッと土魔法を使って複数の的を作る。
この時点ですでに相当上位のことのようで、驚いている人は多い。
「では、いまからやりますね。一応的の近くからは離れたほうがいいかもしれない。」
私がそういうと、的の近くにいた人も、的の近くではなかった人も全員私の後ろ側に回り、ケップルが魔法障壁を展開する。
「いや!そんなに爆発しないから!って!!」
ふと教室後方に目をやると、2人そろって魔法障壁を展開していた。
「じゃあ、行きます!」
体の中にある魔力を、塊にして具現化するようなイメージ。
少しずつ魔力の圧縮を弱め、うまく調整しながらシャボン玉のように魔力球を作っていく。
その魔力球を、体の腰あたりで等間隔に並ぶようにする。
(よし、できた。あとはこれを放つだけ!)
私は一気にその魔力球を的に向かって放つ!
魔力球は一直線に的まで飛んで行き、ものすごい轟音を立てながら的は砕け散る。
的の周りには私が魔法障壁をかけていたために、破片が飛び散ったり建物が傷つくことはないのだが、ものすごい音と振動が伝わってくる。
生徒たちからはものすごい歓声が上がった。
ちなみに、魔力の具現化から的に当たるまでにかかった時間は1秒にも満たない。
「ありがとうございました。ではみんな、席に戻って!」
そういうと、生徒たちはそれぞれ席に着席していった。
「では、陛下に今の魔法の解説をしていただきましょう!」
「へ?」
またもや無茶ぶりが登場したのだが、来るだろうなと予想していたので、何とか乗り越えることができた。
そんなこんなで、1限目の見学が終了した。
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