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リバーシのルールを広めよう!
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リバーシを作るのは極めて簡単だ。
少し大きめの板に8×8の正方形の盤を作って、裏表を白と黒に塗り分けた円盤状の石を64個用意すればいいのだ。
円盤状の石は今のこの世界の技術だと量産はできないだろうから、貴族用ではない一般流通用の物は基本的にはバラバラの形状になるだろう。
技術が安定してきたらちゃんとしたのを作る。それまでは我慢してほしいな。
私はリバーシは祖父母の家でやったくらいで、細かいことはわからない。
しかも祖父母が相当強くて私全然勝てなかったんだよね。角を取ればいいって聞くけど、角をとっても負ける時は全然負ける。
私にはちょっと難しいかもしれない。
リバーシのほかにも将棋を流通させるのが小説での流行りだけど、多分将棋みたいな形式のやつは難しくてあまり広まらないんじゃないかなと思う。
まずはリバーシを流通させて、こんな感じのボードゲームに少しずつならしてあげたほうがいいのかなと思っている。
リバーシは木で作っていく。私の国は結構森が多くて、木がたくさん生えている。森林が消滅するのは嫌なので、しっかりと切ったらそこに苗木を植えるのを義務付ける。
森や山の木というのは自然災害を防止するうえでの重要な役割を担っている。それを減らすわけにはいかないのだ。
「陛下、リバーシの試作品が完成しました!」
試作品はすぐに完成した。
山間の村に頼んで付近の木を利用しながら作ってもらったのだ。
よく私が使っていたようなものとは違って盤は緑色じゃないけれど、しっかりと線は掘ってあるから実用上は大丈夫だろう。
石には裏と表で違う色が塗ってある。大丈夫だろう。
「うん、いい感じだと思う。これと似たような感じの量産型ってどのくらい作れる?」
「えーっと、そうですね……。作りが粗くていいのであれば村全体で一日に20個ほどかと。」
「わかった。じゃあしばらくは貴族用とかそういうのは無しで一般流通用の物をメインでたくさん作ってくれる?」
「了解しました。」
「じゃあ、週に1度回収に向かわせる。作ったものはすべて買い取るから気にせずジャンジャン作ってね。」
さて、リバーシのルールを広めていこうではないか。
フェッペルゲンの中心部にあるフェルイツ公園。その公園の中には大きな広間があり、人々はそこでお話をしたりしながら親睦を深めている。
ある日、そこにとある遊具を持って現れた一人の少女がいた。
「国王陛下……。」
護衛もつけず、たった一人で現れたその少女がこの国の国王である、ニシゾノ・チナリであることはその場にいた全員が分かっただろう。
「えっと、歓談中にすみません。もしよかったら新しく開発した遊具で一緒に遊びませんか?」
(そりゃそうですよね……。いきなり国王が出てきて一緒に遊ぼうだなんて。)
案の定、広場は静けさに包まれ、人々は皆呆然としていた。
誰も頭を下げないあたり、本気で驚いているのだろう。別に頭を下げる必要はないんだけどね。堅苦しくていやだわ。
「陛下、わしと遊んでくださるかい?」
静けさを突き破るように出てきたのはフェルイツ公園広場に毎日のように足を運んでいる初老のおじさんで、皆からはおじじと呼ばれて親しまれている。
「おお!ありがたいです!やりましょう!」
「もうへとへとだよ。全然勝てないし。」
まだ太陽が頂点に達していない頃に広場に着いたのだが、王宮に戻って来たのは暗くなってからであった。
結局あの後広場では大盛り上がりでリバーシの試合が始まった。私は8時間近くひたすらにリバーシを打ち続けた。
初めて見る娯楽道具に国民の目は釘付けで、帰ると言い出せるような雰囲気ではなかったのだ。
国民の人たちともリバーシを通じて仲良くなり、困っていることや要望などの話も同時に聞けた。ああやって町に降りて国民と交流するのは楽しい。
私は地球ではそのような生き方はできなかったから。
少し大きめの板に8×8の正方形の盤を作って、裏表を白と黒に塗り分けた円盤状の石を64個用意すればいいのだ。
円盤状の石は今のこの世界の技術だと量産はできないだろうから、貴族用ではない一般流通用の物は基本的にはバラバラの形状になるだろう。
技術が安定してきたらちゃんとしたのを作る。それまでは我慢してほしいな。
私はリバーシは祖父母の家でやったくらいで、細かいことはわからない。
しかも祖父母が相当強くて私全然勝てなかったんだよね。角を取ればいいって聞くけど、角をとっても負ける時は全然負ける。
私にはちょっと難しいかもしれない。
リバーシのほかにも将棋を流通させるのが小説での流行りだけど、多分将棋みたいな形式のやつは難しくてあまり広まらないんじゃないかなと思う。
まずはリバーシを流通させて、こんな感じのボードゲームに少しずつならしてあげたほうがいいのかなと思っている。
リバーシは木で作っていく。私の国は結構森が多くて、木がたくさん生えている。森林が消滅するのは嫌なので、しっかりと切ったらそこに苗木を植えるのを義務付ける。
森や山の木というのは自然災害を防止するうえでの重要な役割を担っている。それを減らすわけにはいかないのだ。
「陛下、リバーシの試作品が完成しました!」
試作品はすぐに完成した。
山間の村に頼んで付近の木を利用しながら作ってもらったのだ。
よく私が使っていたようなものとは違って盤は緑色じゃないけれど、しっかりと線は掘ってあるから実用上は大丈夫だろう。
石には裏と表で違う色が塗ってある。大丈夫だろう。
「うん、いい感じだと思う。これと似たような感じの量産型ってどのくらい作れる?」
「えーっと、そうですね……。作りが粗くていいのであれば村全体で一日に20個ほどかと。」
「わかった。じゃあしばらくは貴族用とかそういうのは無しで一般流通用の物をメインでたくさん作ってくれる?」
「了解しました。」
「じゃあ、週に1度回収に向かわせる。作ったものはすべて買い取るから気にせずジャンジャン作ってね。」
さて、リバーシのルールを広めていこうではないか。
フェッペルゲンの中心部にあるフェルイツ公園。その公園の中には大きな広間があり、人々はそこでお話をしたりしながら親睦を深めている。
ある日、そこにとある遊具を持って現れた一人の少女がいた。
「国王陛下……。」
護衛もつけず、たった一人で現れたその少女がこの国の国王である、ニシゾノ・チナリであることはその場にいた全員が分かっただろう。
「えっと、歓談中にすみません。もしよかったら新しく開発した遊具で一緒に遊びませんか?」
(そりゃそうですよね……。いきなり国王が出てきて一緒に遊ぼうだなんて。)
案の定、広場は静けさに包まれ、人々は皆呆然としていた。
誰も頭を下げないあたり、本気で驚いているのだろう。別に頭を下げる必要はないんだけどね。堅苦しくていやだわ。
「陛下、わしと遊んでくださるかい?」
静けさを突き破るように出てきたのはフェルイツ公園広場に毎日のように足を運んでいる初老のおじさんで、皆からはおじじと呼ばれて親しまれている。
「おお!ありがたいです!やりましょう!」
「もうへとへとだよ。全然勝てないし。」
まだ太陽が頂点に達していない頃に広場に着いたのだが、王宮に戻って来たのは暗くなってからであった。
結局あの後広場では大盛り上がりでリバーシの試合が始まった。私は8時間近くひたすらにリバーシを打ち続けた。
初めて見る娯楽道具に国民の目は釘付けで、帰ると言い出せるような雰囲気ではなかったのだ。
国民の人たちともリバーシを通じて仲良くなり、困っていることや要望などの話も同時に聞けた。ああやって町に降りて国民と交流するのは楽しい。
私は地球ではそのような生き方はできなかったから。
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