30 / 95
フィネメイゼという一人の少女
しおりを挟む
私の名前はフィネメイゼと申します。大きな商会の跡取りとして育てられていた私は経理や書類仕事などが出来ます。しかし、私が継ぐ予定であった商会は他のお店により潰されてしまい、路頭に迷っていました。
そんな私の目に入った一つの人材募集用紙。それは私の人生を大きく変えたものでした。
その募集を出していたのは『ニシゾノ王国』と呼ばれる、最近できたばかりのあたらあしい国でした。一切名前も聞いたことのないような人が突然国王になったので、私はどうせすぐ潰れるだろうとしか思っていませんでした。
しかし、今はとにかくお金を稼がなければいけないので、私はそこを受けてみることにしたのです。
もし、ここで受けていなかったら私の人生はどうなっていたのだろうか、と今でもよく考えます。私の人生は大きく変わった。いい意味でです。
私は運良くその国で雇われることとなりました。正直言って新しく出来たばっかであっても、ちゃんとした国であることには変わりないわけで、絶対受かるわけ無いと思っていたのです。国の採用試験なんか倍率はえげつないわけです。面接でも「お金がなかったからです!」とか言ってしまったし。
そうして初めての出勤日になりました。すでに王城内に用意されていた寮のようなところに住んでいた私は、あまり出勤といった感覚は正直ありませんでしたが。
初めての仕事を終えて寮に戻ったときには、いえ、寮には戻りませんでした。私は国から新しく用意された、それも王宮内にある大きな広い部屋へ移動することになったのです。
私が貴族になったからでした。
正直何を言っているのかわからないでしょう。正直私もわかりません。平民であった私はあっという間に貴族になったのですから。しかも、なにか功績を上げたわけでもなく。
それからというもの、私は貴族として、ニシゾノ王国国王陛下に使えるものとして、非常によく働きました。朝から晩まで、寝る間も惜しんで働きました。
貴族として、大臣として人一倍働かないといけないと思ったからです。
陛下は非常に優しく、平民にも私達にも平等に優しく接してくださいます。小さな冗談を混ぜたり、少しでも国民が過ごしやすい国を築けるよう、本気で国務に当たる姿には感動したのを覚えています。
そんなある日、私のチェックミスにより、大きな事件が発生してしまったのです。
陛下は「そこまで責任を感じなくてもいい。」と優しいお声をかけてくださいましたが、私のミスであることには変わりありませんでした。
ことが片付き、少し安心してしまったのでしょうか。私は陛下の前で倒れてしまったのです。
目が覚めたとき、そこには陛下がいらっしゃいました。どうやら私が起きるまでそばにいてくださったようです。
私の倒れた原因は『過労』。陛下は「自分の体を大切にしてね。」と優しい言葉をかけてくださいました。
そして陛下は「フィネメイゼ、お出かけしよっか。」とおっしゃいました。
そうして私は陛下と陛下の護衛であるレイナとともに川へキャンプへ出かけたのです。
それは非常に楽しく、私は心の底からの休息を得ました。
私は陛下や周りの方々に迷惑をかけながらも、今日まで頑張ってきました。
侯爵へと爵位が上がるとき、周りの方々からの優しい声を聞き、私は涙がこぼれました。
そんな私が領地をもらうことになりました。
それは突然のことで驚きましたが、今後も国のため、民のため、そして陛下のために全力で仕事に望むつもりです。
そんな私の目に入った一つの人材募集用紙。それは私の人生を大きく変えたものでした。
その募集を出していたのは『ニシゾノ王国』と呼ばれる、最近できたばかりのあたらあしい国でした。一切名前も聞いたことのないような人が突然国王になったので、私はどうせすぐ潰れるだろうとしか思っていませんでした。
しかし、今はとにかくお金を稼がなければいけないので、私はそこを受けてみることにしたのです。
もし、ここで受けていなかったら私の人生はどうなっていたのだろうか、と今でもよく考えます。私の人生は大きく変わった。いい意味でです。
私は運良くその国で雇われることとなりました。正直言って新しく出来たばっかであっても、ちゃんとした国であることには変わりないわけで、絶対受かるわけ無いと思っていたのです。国の採用試験なんか倍率はえげつないわけです。面接でも「お金がなかったからです!」とか言ってしまったし。
そうして初めての出勤日になりました。すでに王城内に用意されていた寮のようなところに住んでいた私は、あまり出勤といった感覚は正直ありませんでしたが。
初めての仕事を終えて寮に戻ったときには、いえ、寮には戻りませんでした。私は国から新しく用意された、それも王宮内にある大きな広い部屋へ移動することになったのです。
私が貴族になったからでした。
正直何を言っているのかわからないでしょう。正直私もわかりません。平民であった私はあっという間に貴族になったのですから。しかも、なにか功績を上げたわけでもなく。
それからというもの、私は貴族として、ニシゾノ王国国王陛下に使えるものとして、非常によく働きました。朝から晩まで、寝る間も惜しんで働きました。
貴族として、大臣として人一倍働かないといけないと思ったからです。
陛下は非常に優しく、平民にも私達にも平等に優しく接してくださいます。小さな冗談を混ぜたり、少しでも国民が過ごしやすい国を築けるよう、本気で国務に当たる姿には感動したのを覚えています。
そんなある日、私のチェックミスにより、大きな事件が発生してしまったのです。
陛下は「そこまで責任を感じなくてもいい。」と優しいお声をかけてくださいましたが、私のミスであることには変わりありませんでした。
ことが片付き、少し安心してしまったのでしょうか。私は陛下の前で倒れてしまったのです。
目が覚めたとき、そこには陛下がいらっしゃいました。どうやら私が起きるまでそばにいてくださったようです。
私の倒れた原因は『過労』。陛下は「自分の体を大切にしてね。」と優しい言葉をかけてくださいました。
そして陛下は「フィネメイゼ、お出かけしよっか。」とおっしゃいました。
そうして私は陛下と陛下の護衛であるレイナとともに川へキャンプへ出かけたのです。
それは非常に楽しく、私は心の底からの休息を得ました。
私は陛下や周りの方々に迷惑をかけながらも、今日まで頑張ってきました。
侯爵へと爵位が上がるとき、周りの方々からの優しい声を聞き、私は涙がこぼれました。
そんな私が領地をもらうことになりました。
それは突然のことで驚きましたが、今後も国のため、民のため、そして陛下のために全力で仕事に望むつもりです。
11
お気に入りに追加
2,702
あなたにおすすめの小説
みんなで転生〜チートな従魔と普通の私でほのぼの異世界生活〜
ノデミチ
ファンタジー
西門 愛衣楽、19歳。花の短大生。
年明けの誕生日も近いのに、未だ就活中。
そんな彼女の癒しは3匹のペット達。
シベリアンハスキーのコロ。
カナリアのカナ。
キバラガメのキィ。
犬と小鳥は、元は父のペットだったけど、母が出て行ってから父は変わってしまった…。
ペットの世話もせず、それどころか働く意欲も失い酒に溺れて…。
挙句に無理心中しようとして家に火を付けて焼け死んで。
アイラもペット達も焼け死んでしまう。
それを不憫に思った異世界の神が、自らの世界へ招き入れる。せっかくだからとペット達も一緒に。
何故かペット達がチートな力を持って…。
アイラは只の幼女になって…。
そんな彼女達のほのぼの異世界生活。
テイマー物 第3弾。
カクヨムでも公開中。
25歳のオタク女子は、異世界でスローライフを送りたい
こばやん2号
ファンタジー
とある会社に勤める25歳のOL重御寺姫(じゅうおんじひめ)は、漫画やアニメが大好きなオタク女子である。
社員旅行の最中謎の光を発見した姫は、気付けば異世界に来てしまっていた。
頭の中で妄想していたことが現実に起こってしまったことに最初は戸惑う姫だったが、自身の知識と持ち前の性格でなんとか異世界を生きていこうと奮闘する。
オタク女子による異世界生活が今ここに始まる。
※この小説は【アルファポリス】及び【小説家になろう】の同時配信で投稿しています。
虚無からはじめる異世界生活 ~最強種の仲間と共に創造神の加護の力ですべてを解決します~
すなる
ファンタジー
追記《イラストを追加しました。主要キャラのイラストも可能であれば徐々に追加していきます》
猫を庇って死んでしまった男は、ある願いをしたことで何もない世界に転生してしまうことに。
不憫に思った神が特例で加護の力を授けた。実はそれはとてつもない力を秘めた創造神の加護だった。
何もない異世界で暮らし始めた男はその力使って第二の人生を歩み出す。
ある日、偶然にも生前助けた猫を加護の力で召喚してしまう。
人が居ない寂しさから猫に話しかけていると、その猫は加護の力で人に進化してしまった。
そんな猫との共同生活からはじまり徐々に動き出す異世界生活。
男は様々な異世界で沢山の人と出会いと加護の力ですべてを解決しながら第二の人生を謳歌していく。
そんな男の人柄に惹かれ沢山の者が集まり、いつしか男が作った街は伝説の都市と語られる存在になってく。
(
田舎で師匠にボコされ続けた結果、気づいたら世界最強になっていました
七星点灯
ファンタジー
俺は屋上から飛び降りた。いつからか始まった、凄惨たるイジメの被害者だったから。
天国でゆっくり休もう。そう思って飛び降りたのだが──
俺は赤子に転生した。そしてとあるお爺さんに拾われるのだった。
──数年後
自由に動けるようになった俺に対して、お爺さんは『指導』を行うようになる。
それは過酷で、辛くて、もしかしたらイジメられていた頃の方が楽だったかもと思ってしまうくらい。
だけど、俺は強くなりたかった。
イジメられて、それに負けて自殺した自分を変えたかった。
だから死にたくなっても踏ん張った。
俺は次第に、拾ってくれたおじいさんのことを『師匠』と呼ぶようになり、厳しい指導にも喰らいつけるようになってゆく。
ドラゴンとの戦いや、クロコダイルとの戦いは日常茶飯事だった。
──更に数年後
師匠は死んだ。寿命だった。
結局俺は、師匠が生きているうちに、師匠に勝つことができなかった。
師匠は最後に、こんな言葉を遺した。
「──外の世界には、ワシより強い奴がうじゃうじゃいる。どれ、ワシが居なくなっても、お前はまだまだ強くなれるぞ」
俺はまだ、強くなれる!
外の世界には、師匠よりも強い人がうじゃうじゃいる!
──俺はその言葉を聞いて、外の世界へ出る決意を固めた。
だけど、この時の俺は知らなかった。
まさか師匠が、『かつて最強と呼ばれた冒険者』だったなんて。
おばさん、異世界転生して無双する(꜆꜄꜆˙꒳˙)꜆꜄꜆オラオラオラオラ
Crosis
ファンタジー
新たな世界で新たな人生を_(:3 」∠)_
【残酷な描写タグ等は一応保険の為です】
後悔ばかりの人生だった高柳美里(40歳)は、ある日突然唯一の趣味と言って良いVRMMOのゲームデータを引き継いだ状態で異世界へと転移する。
目の前には心血とお金と時間を捧げて作り育てたCPUキャラクター達。
そして若返った自分の身体。
美男美女、様々な種族の|子供達《CPUキャラクター》とアイテムに天空城。
これでワクワクしない方が嘘である。
そして転移した世界が異世界であると気付いた高柳美里は今度こそ後悔しない人生を謳歌すると決意するのであった。
レベルカンストとユニークスキルで異世界満喫致します
風白春音
ファンタジー
俺、猫屋敷出雲《ねこやしきいずも》は新卒で入社した会社がブラック過ぎてある日自宅で意識を失い倒れてしまう。誰も見舞いなど来てくれずそのまま孤独死という悲惨な死を遂げる。
そんな悲惨な死に方に女神は同情したのか、頼んでもいないのに俺、猫屋敷出雲《ねこやしきいずも》を勝手に転生させる。転生後の世界はレベルという概念がある世界だった。
しかし女神の手違いか俺のレベルはカンスト状態であった。さらに唯一無二のユニークスキル視認強奪《ストック》というチートスキルを持って転生する。
これはレベルの概念を超越しさらにはユニークスキルを持って転生した少年の物語である。
※俺TUEEEEEEEE要素、ハーレム要素、チート要素、ロリ要素などテンプレ満載です。
※小説家になろうでも投稿しています。
これダメなクラス召喚だわ!物を掌握するチートスキルで自由気ままな異世界旅
聖斗煉
ファンタジー
クラス全体で異世界に呼び出された高校生の主人公が魔王軍と戦うように懇願される。しかし、主人公にはしょっぱい能力しか与えられなかった。ところがである。実は能力は騙されて弱いものと思い込まされていた。ダンジョンに閉じ込められて死にかけたときに、本当は物を掌握するスキルだったことを知るーー。
異世界でフローライフを 〜誤って召喚されたんだけど!〜
はくまい
ファンタジー
ひょんなことから異世界へと転生した少女、江西奏は、全く知らない場所で目が覚めた。
目の前には小さなお家と、周囲には森が広がっている。
家の中には一通の手紙。そこにはこの世界を救ってほしいということが書かれていた。
この世界は十人の魔女によって支配されていて、奏は最後に召喚されたのだが、宛先に奏の名前ではなく、別の人の名前が書かれていて……。
「人違いじゃないかー!」
……奏の叫びももう神には届かない。
家の外、柵の向こう側では聞いたこともないような獣の叫ぶ声も響く世界。
戻る手だてもないまま、奏はこの家の中で使えそうなものを探していく。
植物に愛された奏の異世界新生活が、始まろうとしていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる