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大きな仕事
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最近私の仕事があまりない。私のもとで働いている大臣、というか主にフィネメイゼがが優秀すぎて、私にほとんど仕事が回ってこないのだ。
回ってくるのは書類のチェックの仕事のみ。それも私の確認が必要な書類のみで、私は地球でめちゃくちゃ本を読んでいたので書類のチェックもめちゃくちゃ早くこなすことができる。
そのために仕事は30分もあればすべて片付いてしまうのだ。
最近は自分の時間が多く取れる。私がこんなにだらけていいものかと思ってしまうのだが、周りの大臣からは「王様は王様らしく一番上でふんぞり返っていて下さい!そちらの方が安心します。」と言われてしまう。
主にそれもフィネメイゼからなのだが。
ちなみに、今までの私の仕事はどこへ行ったかというと、またもや登場、すべてフィネメイゼに回ったのである。
フィネメイゼは私の補佐としてバリバリ働いてくれている。でも、以前より大幅に仕事が減り、それが不安らしい。「仕事が少なすぎて逆に不安になってきます。私は無能なのでしょうか。」と愚痴をこぼす始末。
いや、無能じゃないから今ここにいるのだが……。
そんなフィネメイゼがこの前、遂に爆発し、「私がやります!王様は王様らしく一番上でふんぞり返っていて下さい!」と、私の仕事をすべて搔っ攫っていったのだ。
私が座って今このような脳内会話を繰り広げている今も隣でフィネメイゼは仕事をしている。
……そんなフィネメイゼに対して、私は少し考えがあるのだ。でもそれは非常に大変な仕事で、不安なところも多い。まあフィネメイゼなら大丈夫だろう。
「ねえフィネメイゼ。とても大きくて大変な仕事をしてみないかい?」
「やりたいです!!」
「即答か……。内容は聞かなくていいのかい?」
「大丈夫です。私は陛下のことを信頼していますから。」
「わかった。じゃあ、フィネメイゼに西側にそこそこ大きめの領地を上げるから、そこの領主になってくれる?」
「ふぇ!?りょ、領地ですか……。」
フィネメイゼは予想外の仕事に素っ頓狂な声を上げ、少し冷静になったかと思ったら険しい表情をしながら頭を抱え考えている。その様子が面白いので私は少し意地悪をすることにした。
「あれ?信頼してくれているのだろ?私もフィネメイゼのことを信頼しているから任せているんだよ。」
「くッ!?断れない……。やります……。詳細をお願いします。」
「うん!」
フィネメイゼに与える西側の領地はフィヨルナンド王国と接しているところだ。そのフィヨルナンドの王様がなかなかひどい人で、民たちを奴隷とでも思っているのだろうかと言わんばかりの税をかけ、負担を強いているらしい。
しかし、自分は周りにたくさんの女たちを侍らせ、散財しまくりの豪遊をしているらしい。
そんな国王に対して民たちは不満がたまりまくっており、いつ反乱がおきてもおかしくないという情勢だ。
これは私の国にとってあまりよろしいことではない。フィヨルナンド王国と面している西側は、反乱が発生した場合に巻き込まれる可能性が高く、そこに住んでいる民たちは非常に不安な日々を送っているらしい。
そこでフィネメイゼに領主になってもらい、王国が君たちをしっかりと守る。というのをアピールしたいわけだ。
「あの、もし領主になった場合は私はここから出ていくことになるのですか?」
「出て行きたい?」
「……できればここに残りたいとは思っています。」
「うん!その答えが聞けてうれしいよ。フィネメイゼには領主の仕事もしてもらうけど今の仕事も続けてほしいと持っているんだ。」
「しかし、ここでは領地の運営がなかなか厳しいところもあるのではないでしょうか。」
「そこらへんは大丈夫でしょう。これからフィネメイゼに与える土地も今は私が治めてるわけで、この王城から治めてるでしょ?」
「確かに。だったら私に領地を与える必要はないのではないでしょうか。」
「それは先ほども話したでしょ。少しでも不安を和らげるための措置だよ。あとね、個人的にもフィネメイゼが土地を治めるところが見たい。」
「そうですか……。でしたら受けることにします。」
ということで、フィネメイゼに領地を与えることに決まった。
フィネメイゼとはしっかりじっくりと話し合いをして、領地をもらったら今私の代わりにやっている仕事はすべて以前のように私がする。そしてその分フィネメイゼは自分の領地の仕事をする。
同じ部屋で基本的には作業をするので困ったときには互いに相談する。
そして一応私の補佐であるけど、領地に行くのであれば一声かけてもらえるなら自由に言ってもらっても構わない。何ならしばらく領地に滞在してもいい。
といった感じの約束なようなものを行った。
私は本当にフィネメイゼのことを信頼しているし、フィネメイゼも私のことを信頼してくれている。彼女なら安心して任せられるし、ほかの大臣や貴族たち、民衆たちから批判も湧くこともないだろう。彼女の活躍は国民なら誰しもが知っているからだ。
これからフィネメイゼは領主として自分で人を雇わないといけない。きっと小さいだろうが、軍隊だって持つはずだ。その面接には私も同行するし、そのほかにも全力でサポートをしていくつもりだ。
フィネメイゼは私の部下だし、大切な友達なのだ。応援したいよね。
私は領地の運営に口を出すかもしれないが、そこまで大きな口を出すつもりはない。フィネメイゼが好きなようにやってくれて構わない。きっとフィネメイゼならいい感じに治めていくだろう。
回ってくるのは書類のチェックの仕事のみ。それも私の確認が必要な書類のみで、私は地球でめちゃくちゃ本を読んでいたので書類のチェックもめちゃくちゃ早くこなすことができる。
そのために仕事は30分もあればすべて片付いてしまうのだ。
最近は自分の時間が多く取れる。私がこんなにだらけていいものかと思ってしまうのだが、周りの大臣からは「王様は王様らしく一番上でふんぞり返っていて下さい!そちらの方が安心します。」と言われてしまう。
主にそれもフィネメイゼからなのだが。
ちなみに、今までの私の仕事はどこへ行ったかというと、またもや登場、すべてフィネメイゼに回ったのである。
フィネメイゼは私の補佐としてバリバリ働いてくれている。でも、以前より大幅に仕事が減り、それが不安らしい。「仕事が少なすぎて逆に不安になってきます。私は無能なのでしょうか。」と愚痴をこぼす始末。
いや、無能じゃないから今ここにいるのだが……。
そんなフィネメイゼがこの前、遂に爆発し、「私がやります!王様は王様らしく一番上でふんぞり返っていて下さい!」と、私の仕事をすべて搔っ攫っていったのだ。
私が座って今このような脳内会話を繰り広げている今も隣でフィネメイゼは仕事をしている。
……そんなフィネメイゼに対して、私は少し考えがあるのだ。でもそれは非常に大変な仕事で、不安なところも多い。まあフィネメイゼなら大丈夫だろう。
「ねえフィネメイゼ。とても大きくて大変な仕事をしてみないかい?」
「やりたいです!!」
「即答か……。内容は聞かなくていいのかい?」
「大丈夫です。私は陛下のことを信頼していますから。」
「わかった。じゃあ、フィネメイゼに西側にそこそこ大きめの領地を上げるから、そこの領主になってくれる?」
「ふぇ!?りょ、領地ですか……。」
フィネメイゼは予想外の仕事に素っ頓狂な声を上げ、少し冷静になったかと思ったら険しい表情をしながら頭を抱え考えている。その様子が面白いので私は少し意地悪をすることにした。
「あれ?信頼してくれているのだろ?私もフィネメイゼのことを信頼しているから任せているんだよ。」
「くッ!?断れない……。やります……。詳細をお願いします。」
「うん!」
フィネメイゼに与える西側の領地はフィヨルナンド王国と接しているところだ。そのフィヨルナンドの王様がなかなかひどい人で、民たちを奴隷とでも思っているのだろうかと言わんばかりの税をかけ、負担を強いているらしい。
しかし、自分は周りにたくさんの女たちを侍らせ、散財しまくりの豪遊をしているらしい。
そんな国王に対して民たちは不満がたまりまくっており、いつ反乱がおきてもおかしくないという情勢だ。
これは私の国にとってあまりよろしいことではない。フィヨルナンド王国と面している西側は、反乱が発生した場合に巻き込まれる可能性が高く、そこに住んでいる民たちは非常に不安な日々を送っているらしい。
そこでフィネメイゼに領主になってもらい、王国が君たちをしっかりと守る。というのをアピールしたいわけだ。
「あの、もし領主になった場合は私はここから出ていくことになるのですか?」
「出て行きたい?」
「……できればここに残りたいとは思っています。」
「うん!その答えが聞けてうれしいよ。フィネメイゼには領主の仕事もしてもらうけど今の仕事も続けてほしいと持っているんだ。」
「しかし、ここでは領地の運営がなかなか厳しいところもあるのではないでしょうか。」
「そこらへんは大丈夫でしょう。これからフィネメイゼに与える土地も今は私が治めてるわけで、この王城から治めてるでしょ?」
「確かに。だったら私に領地を与える必要はないのではないでしょうか。」
「それは先ほども話したでしょ。少しでも不安を和らげるための措置だよ。あとね、個人的にもフィネメイゼが土地を治めるところが見たい。」
「そうですか……。でしたら受けることにします。」
ということで、フィネメイゼに領地を与えることに決まった。
フィネメイゼとはしっかりじっくりと話し合いをして、領地をもらったら今私の代わりにやっている仕事はすべて以前のように私がする。そしてその分フィネメイゼは自分の領地の仕事をする。
同じ部屋で基本的には作業をするので困ったときには互いに相談する。
そして一応私の補佐であるけど、領地に行くのであれば一声かけてもらえるなら自由に言ってもらっても構わない。何ならしばらく領地に滞在してもいい。
といった感じの約束なようなものを行った。
私は本当にフィネメイゼのことを信頼しているし、フィネメイゼも私のことを信頼してくれている。彼女なら安心して任せられるし、ほかの大臣や貴族たち、民衆たちから批判も湧くこともないだろう。彼女の活躍は国民なら誰しもが知っているからだ。
これからフィネメイゼは領主として自分で人を雇わないといけない。きっと小さいだろうが、軍隊だって持つはずだ。その面接には私も同行するし、そのほかにも全力でサポートをしていくつもりだ。
フィネメイゼは私の部下だし、大切な友達なのだ。応援したいよね。
私は領地の運営に口を出すかもしれないが、そこまで大きな口を出すつもりはない。フィネメイゼが好きなようにやってくれて構わない。きっとフィネメイゼならいい感じに治めていくだろう。
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