上 下
28 / 95

爵位授与、陞爵

しおりを挟む
 ていうか私なんかこの国で相当神格化されてない?この国のほぼ全員がニシゾノ神教に入ってるからそりゃそうなのかもしれないが、別に私は神でも何でもないただの日本人なのだが。
 まあそんなことはいい。こちらとしても支持率が高いほうが動きやすいし、何かこれによって不都合が生じているわけでもないし、とりあえずは今のままで大丈夫だろう。

 ところで、この国も結構経済発展してきたわけだが、貴族が他国に比べて少ないのだ。国の要職についている大臣の人たちもほとんどの人がいまだ平民。相当頑張って手柄を挙げている人もいるのでそろそろ別の人たちにも爵位を与えようと思う。
 そして、フィネメイゼを伯爵へ陞爵させようと思う。フェルイツも陞爵させたいのだが、それは次回に取っておくことにする。一気に2人陞爵は個人的にやめた方がいい気がするんだよね。特に理由はないけど。
 
 新しく爵位を与えるのは経済大臣のメッペイフとフィネメイゼの補佐をしているリッペン、そして郵政大臣であるリフレインの3人だ。
 最近、フィネメイゼの負担がとてつもないことになっているのに気が付いたので、前側2人はフィネメイゼの負担軽減の為でもある。もともと2人とも大臣ではあったのだが、爵位がないために動きにくかったようだ。そのためフィネメイゼに頼っていた部分があったらしい。
 こちらも郵政大臣のリフレインはこの前の地主の件と言い、非常によく頑張ってくれているので文句なしだろう。配達員や手紙のチェックをする人など、相当多くの人をまとめる腕前は私も参考にしたいところがある。



「面を上げよ。メッペイフ、リッペン、そしてリフレインの3名に子爵の位を授ける。メッペイフはメッペイフ・ヘルメース、リッペンはリッペン・アルキストス、そしてリフレインはリフレイン・ベレロポーンと名乗るように。」
「「「ハッ!陛下の為、国の為、そして民の為により一層尽くすことを誓います!」」」
「では、今後も国のために頑張ってくれ。」

 私一応女性だから女王みたいな感じなんだけど、小説の国王って男性ばっかだったからどうやって話せばいいかわからないんだよね。どうしても男性のしゃべり方になっちゃう。

「続いて、フィネメイゼ・アルキメデスの陞爵へ移る。フィネメイゼ子爵は大臣の中でも最も量が多く、大変であった仕事を自身の体調が悪くなるまで行った。できれば私は体調が悪くなる前に休んでほしいのだが。しかし、その働きには目を見張るものがあり、国のために尽くしてくれているフィネメイゼ子爵を伯爵へと陞爵させようと思う。異論のある者はいるか?」

 もちろん異論などあるわけがない。大臣からはこの国の最高権力者はフィネメイゼみたいに見えていただろう。基本的に他の大臣への連絡はフィネメイゼを通して行っていたからだ。
 その働きは皆知っているわけだ。
 しかし、予想とは異なり、伯爵への陞爵に対する反対意見が出た。

「申し上げますが陛下、フィネメイゼ子爵の活躍から見るに伯爵では足りないのではないのではありませんか?」

 その言葉に一斉にこの場がざわつく。

「静かに。」

 そうか、私は伯爵で行くつもりだったのだが、先ほど提案してくれた大臣やほかの多くの大臣も伯爵じゃあ低いと感じているのか。
 私は彼女が実際に書類仕事をしているところはほとんど見たことがないのだが、彼女はいつも夜遅くまで仕事をし、朝早くからまた仕事を開始しているそうだ。
 まあみんなが言っているんだし、まあいいか!フィネメイゼは確かに頑張っているし、彼女の性格ならきっと任せても問題ないだろう。逆にプレッシャーで押しつぶされないか心配だが、それはまた一緒に遊んで解決しよう。

「皆の意見はわかった。フィネメイゼ・アルキメデスを侯爵への陞爵としよう。異論があるものはいるか?」

 次こそはほんとに静かになった。

「では、フィネメイゼ。これからも侯爵として国のために頑張ってくれ。」
「陛下の為、国の為、そして民の為により一層尽くすことを誓います。」

 そう力強く宣言するフィネメイゼの目にはうっすらと涙が浮かんでいたように感じる。これほどまでに部下に信頼されている上司はいないだろう。

「また、調査の結果、フィネメイゼ侯爵の仕事量がほかの大臣に比べて著しく多いということが判明した。フィネメイゼ侯爵の今までの仕事をほかの大臣へ分配、これからは税の管理、そして私の補佐として国の管理に尽力してもらう。頼んだぞ。」

 そういって私は立ち上がり、この部屋から退出した。
 先ほども言った通り、フィネメイゼの仕事を調査した結果、明らか1人だけ量がおかしかったのだ。ほんとに努力家だし、何でもできてしまう有能な彼女だからこそ、私もみんなも頼ってしまう場面が多かったのだろう。今後も私はガンガン頼っていくが。何なら頼りやすくするために補佐にしたんだけどね。

 ちなみに、フィネメイゼの補佐をしていたリッペンには書類管理の仕事を引き継いでもらうことになった。相当重要な仕事だから頑張ってほしいと思う。
 これでこの国にいる貴族は私やレイナを含めて10人だ。これで私の仕事もちょっとは楽になるだろう。え?変わらないって?……まあいいや。私こういう仕事嫌いじゃないし、レイナとかフィネメイゼとか、頼れる仲間たちはいっぱいいる。
 みんなで協力して、この国を世界一の国まで成長させようじゃないか!やるならとことんやるよ!!
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

お花畑な母親が正当な跡取りである兄を差し置いて俺を跡取りにしようとしている。誰か助けて……

karon
ファンタジー
我が家にはおまけがいる。それは俺の兄、しかし兄はすべてに置いて俺に勝っており、俺は凡人以下。兄を差し置いて俺が跡取りになったら俺は詰む。何とかこの状況から逃げ出したい。

5歳で前世の記憶が混入してきた  --スキルや知識を手に入れましたが、なんで中身入ってるんですか?--

ばふぉりん
ファンタジー
 「啞"?!@#&〆々☆¥$€%????」   〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜  五歳の誕生日を迎えた男の子は家族から捨てられた。理由は 「お前は我が家の恥だ!占星の儀で訳の分からないスキルを貰って、しかも使い方がわからない?これ以上お前を育てる義務も義理もないわ!」    この世界では五歳の誕生日に教会で『占星の儀』というスキルを授かることができ、そのスキルによってその後の人生が決まるといっても過言では無い。  剣聖 聖女 影朧といった上位スキルから、剣士 闘士 弓手といった一般的なスキル、そして家事 農耕 牧畜といったもうそれスキルじゃないよね?といったものまで。  そんな中、この五歳児が得たスキルは  □□□□  もはや文字ですら無かった ~~~~~~~~~~~~~~~~~  本文中に顔文字を使用しますので、できれば横読み推奨します。  本作中のいかなる個人・団体名は実在するものとは一切関係ありません。  

ぬいぐるみばかり作っていたら実家を追い出された件〜だけど作ったぬいぐるみが意志を持ったので何も不自由してません〜

望月かれん
ファンタジー
 中流貴族シーラ・カロンは、ある日勘当された。理由はぬいぐるみ作りしかしないから。 戸惑いながらも少量の荷物と作りかけのぬいぐるみ1つを持って家を出たシーラは1番近い町を目指すが、その日のうちに辿り着けず野宿をすることに。 暇だったので、ぬいぐるみを完成させようと意気込み、ついに夜更けに完成させる。  疲れから眠りこけていると聞き慣れない低い声。 なんと、ぬいぐるみが喋っていた。 しかもぬいぐるみには帰りたい場所があるようで……。     天真爛漫娘✕ワケアリぬいぐるみのドタバタ冒険ファンタジー。  ※この作品は小説家になろう・ノベルアップ+にも掲載しています。

7個のチート能力は貰いますが、6個は別に必要ありません

ひむよ
ファンタジー
「お詫びとしてどんな力でも与えてやろう」 目が覚めると目の前のおっさんにいきなりそんな言葉をかけられた藤城 皐月。 この言葉の意味を説明され、結果皐月は7個の能力を手に入れた。 だが、皐月にとってはこの内6個はおまけに過ぎない。皐月にとって最も必要なのは自分で考えたスキルだけだ。 だが、皐月は貰えるものはもらうという精神一応7個貰った。 そんな皐月が異世界を安全に楽しむ物語。 人気ランキング2位に載っていました。 hotランキング1位に載っていました。 ありがとうございます。

異世界召喚失敗から始まるぶらり旅〜自由気ままにしてたら大変なことになった〜

ei_sainome
ファンタジー
クラスメイト全員が異世界に召喚されてしまった! 謁見の間に通され、王様たちから我が国を救って欲しい云々言われるお約束が…始まらない。 教室内が光ったと思えば、気づけば地下に閉じ込められていて、そこには誰もいなかった。 勝手に召喚されたあげく、誰も事情を知らない。未知の世界で、自分たちの力だけでどうやって生きていけというのか。 元の世界に帰るための方法を探し求めて各地を放浪する旅に出るが、似たように見えて全く異なる生態や人の価値観と文化の差に苦悩する。 力を持っていても順応できるかは話が別だった。 クラスメイトたちにはそれぞれ抱える内面や事情もあり…新たな世界で心身共に表面化していく。 ※ご注意※ 初投稿、試作、マイペース進行となります。 作品名は今後改題する可能性があります。 世界観だけプロットがあり、話の方向性はその場で決まります。 旅に出るまで(序章)がすごく長いです。 他サイトでも同作を投稿しています。 更新頻度は1〜3日程度を目標にしています。

集団転移した商社マン ネットスキルでスローライフしたいです!

七転び早起き
ファンタジー
「望む3つのスキルを付与してあげる」 その天使の言葉は善意からなのか? 異世界に転移する人達は何を選び、何を求めるのか? そして主人公が○○○が欲しくて望んだスキルの1つがネットスキル。 ただし、その扱いが難しいものだった。 転移者の仲間達、そして新たに出会った仲間達と異世界を駆け巡る物語です。 基本は面白くですが、シリアスも顔を覗かせます。猫ミミ、孤児院、幼女など定番物が登場します。 ○○○「これは私とのラブストーリーなの!」 主人公「いや、それは違うな」

[完結]前世引きこもりの私が異世界転生して異世界で新しく人生やり直します

mikadozero
ファンタジー
私は、鈴木凛21歳。自分で言うのはなんだが可愛い名前をしている。だがこんなに可愛い名前をしていても現実は甘くなかった。 中高と私はクラスの隅で一人ぼっちで生きてきた。だから、コミュニケーション家族以外とは話せない。 私は社会では生きていけないほどダメ人間になっていた。 そんな私はもう人生が嫌だと思い…私は命を絶った。 自分はこんな世界で良かったのだろうかと少し後悔したが遅かった。次に目が覚めた時は暗闇の世界だった。私は死後の世界かと思ったが違かった。 目の前に女神が現れて言う。 「あなたは命を絶ってしまった。まだ若いもう一度チャンスを与えましょう」 そう言われて私は首を傾げる。 「神様…私もう一回人生やり直してもまた同じですよ?」 そう言うが神は聞く耳を持たない。私は神に対して呆れた。 神は書類を提示させてきて言う。 「これに書いてくれ」と言われて私は書く。 「鈴木凛」と署名する。そして、神は書いた紙を見て言う。 「鈴木凛…次の名前はソフィとかどう?」 私は頷くと神は笑顔で言う。 「次の人生頑張ってください」とそう言われて私の視界は白い世界に包まれた。 ーーーーーーーーー 毎話1500文字程度目安に書きます。 たまに2000文字が出るかもです。

処理中です...