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地主会議
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王城に戻ったら各地の地主が集まっていた。ということで今日は地主会議を実施します。
参加者は地主総勢147名、私にレイナにフィネメイゼ、そしてゲルツにフェルイツの総勢152名である。
「地主の数、多くない?」
私がそういうと地主の皆さんが青い顔をした。そして、代表者と思わしき人物が私に聞いてきた。
「と、言いますと、地主の数を減らそうということですか?」
「そうなるね。さすがに多すぎるんだよね。」
「ちょっと待ってくれ!私たちにも生活が!」
「それはわかっている。だから提案があるのだ。今、持っている土地をすべて国に献上するのであれば、金貨500枚を渡そう。」
それを聞いて会場はざわざわし出した。何せ金貨500枚である。50枚ではない。500枚だ。金貨500枚というのは日本円にすると5000万円にもなるほどの大金である。日本で5000万円があったらどうかはわからないのだが、もしこの世界で金貨500枚を持っていたら一生遊んで暮らせるだろう。
ざわざわするのもしょうがない。
「静かに。献上するもしないもそなたたちの自由だ。しかし、今後また同じような会議があって献上するように今度は"命令"をしたとして、その時にも500枚を払うというのは約束しない。」
「お、おれは献上するぞ!!」
1人がそういったのを皮切りに次々と声が上がっていく。
「静かに!土地の献上を行うものは今から回す紙に署名をしてそこにいるフィメネイゼ・アルキメデス子爵に提出してくれ。書類を提出したものには後日しっかりと金貨を送る。しかし、土地の所有権は書類提出時点ですべて国の物となる。あ、家に関しては後日測量へ向かうのでその時に申告してくれ。また、虚偽申告や書類の詐称を行った場合は命を保証はしない。今王城はこの前の件でそういうことに敏感なのだ。頼んだぞ。」
ほとんどの人が書類を記入して退室していった。
残ったのは3人の地主である。名前はヘル、オポポホポヌス、レッヌーンだ。この3人は非常に多くの土地を所有している。そのためにそれを手放したくはなかったのだろう。
「ふん、どこから来たのか知らんが、ここはもとよりわしらの土地だ。金貨500枚程度じゃ渡すことはできぬ。」
「まったく、その通りだ。わしたちは他の国の貴族と大差ないほどの範囲の土地を持っておる。貴族にするのがいいのではないのか?」
は?何を言い出すかと思ったら貴族にしてくれだ?でも実際に他国の領地が少ない貴族と同じくらいの土地は持っている。でもこういうのを貴族にするのはちょっと……。
「あなた方は土地を王国に渡すつもりはないわけですね?」
「そうだ。貴族になるなら考えんこともないが。」
「わかりました。」
そういうと3人は成功だといわんばかりのそぶりを見せ、目をキラキラと輝かせている。しかし、そういう意味でわかりましたといったわけではない。
「でしたら土地は譲らなくても結構です。では今後の方針について話し合いましょう。」
「おい!ちょっと待ってくれ!わしらに爵位は?」
「え?渡しませんが?」
「なんだと!この野郎!なめた真似しやがって!」
そうして1人が勢いよく立ち上がってこちらへ襲い掛かって来た。
しかし、私に触れることができるわけがなく、あっという間にレイナに抑えられていた。
「お前、立場わかってるの?」
「レイナ、いい。」
そういうと、レイナは残念そうな表情を見せて拘束を解いた。
「ふん、ガキが。なめた真似しやがって。」
あ?うちのレイナに何言ったんだこいつ。
「先ほどから気になっていましたが、あなた方は貴族ではありません。私は別に恐怖政治を敷きたいわけではないのでそのようなことはしませんが、国によってはあなた方の言動は死刑となる場合がありますよ。」
「ッ!?でも!そのガキは平民だろ?同じじゃないか!」
「いいえ、違いますが。彼女はレイナ・ニシゾノ。私の養子であり、成人し次第公爵の位を授ける予定のある、立派な貴族の一人ですよ。あなたは貴族に対して暴言を吐いたのです。この意味がお分かりで?」
「くッ、こいつが貴族だと?嘘もほどほどにしてくれ!!」
はあ、なんなんだこいつは!!
「わかりました。もういいです。私は私自身に吐かれた暴言を罪に問おうとする気はありませんが、私の大事な娘に対して吐かれた暴言を見逃すわけにはいきません。あなたの行為は他国では国家反逆の罪に問われます。そのため、あなたの身柄を国家反逆の罪で拘束します。」
「なッ!!おい!!!放せ!やめてくれ!」
何かほざいていたが気にせず牢屋へ入れといてもらうことにした。さっきも言った通り私は恐怖政治を敷くつもりはないし、国民に私を神のように扱えという気はない。あれ、すでに神のように扱われてる?いや、私が指示したことではないのでセーフだ。しかし、この国が王国という体制をとっている以上身分というのは存在するのだ。貴族、いや王族である私たちに歯向かったのだから当然の仕打ちなのだろう。
はぁ、なんかこういうの慣れてきちゃったな。なんかよくいる悪役の国王みたい。
「で、2人はどうする?」
「「ひッ!」」
その後彼らは貴族云々とか偉そうなことをいうことはなく、会議が行われた。
会議の結果、彼らは王国に忠誠を誓うという形で地主を続けることを許可した。それから、土地の賃料はできるだけ安くしてもらうように交渉、値段の変更の際には必ず国への報告を行うということになった。そのほかにもこまごまとした規約を設け、破った場合には持っている土地すべてを王国所有とするという形になった。
地主会議が終わり、次は例の男の件なのだが、裁判にかけさせた結果、土地を押収、一家全員を教会へ入れさせるということになった。
これでも死刑でないだけ非常に甘い判決だという。
参加者は地主総勢147名、私にレイナにフィネメイゼ、そしてゲルツにフェルイツの総勢152名である。
「地主の数、多くない?」
私がそういうと地主の皆さんが青い顔をした。そして、代表者と思わしき人物が私に聞いてきた。
「と、言いますと、地主の数を減らそうということですか?」
「そうなるね。さすがに多すぎるんだよね。」
「ちょっと待ってくれ!私たちにも生活が!」
「それはわかっている。だから提案があるのだ。今、持っている土地をすべて国に献上するのであれば、金貨500枚を渡そう。」
それを聞いて会場はざわざわし出した。何せ金貨500枚である。50枚ではない。500枚だ。金貨500枚というのは日本円にすると5000万円にもなるほどの大金である。日本で5000万円があったらどうかはわからないのだが、もしこの世界で金貨500枚を持っていたら一生遊んで暮らせるだろう。
ざわざわするのもしょうがない。
「静かに。献上するもしないもそなたたちの自由だ。しかし、今後また同じような会議があって献上するように今度は"命令"をしたとして、その時にも500枚を払うというのは約束しない。」
「お、おれは献上するぞ!!」
1人がそういったのを皮切りに次々と声が上がっていく。
「静かに!土地の献上を行うものは今から回す紙に署名をしてそこにいるフィメネイゼ・アルキメデス子爵に提出してくれ。書類を提出したものには後日しっかりと金貨を送る。しかし、土地の所有権は書類提出時点ですべて国の物となる。あ、家に関しては後日測量へ向かうのでその時に申告してくれ。また、虚偽申告や書類の詐称を行った場合は命を保証はしない。今王城はこの前の件でそういうことに敏感なのだ。頼んだぞ。」
ほとんどの人が書類を記入して退室していった。
残ったのは3人の地主である。名前はヘル、オポポホポヌス、レッヌーンだ。この3人は非常に多くの土地を所有している。そのためにそれを手放したくはなかったのだろう。
「ふん、どこから来たのか知らんが、ここはもとよりわしらの土地だ。金貨500枚程度じゃ渡すことはできぬ。」
「まったく、その通りだ。わしたちは他の国の貴族と大差ないほどの範囲の土地を持っておる。貴族にするのがいいのではないのか?」
は?何を言い出すかと思ったら貴族にしてくれだ?でも実際に他国の領地が少ない貴族と同じくらいの土地は持っている。でもこういうのを貴族にするのはちょっと……。
「あなた方は土地を王国に渡すつもりはないわけですね?」
「そうだ。貴族になるなら考えんこともないが。」
「わかりました。」
そういうと3人は成功だといわんばかりのそぶりを見せ、目をキラキラと輝かせている。しかし、そういう意味でわかりましたといったわけではない。
「でしたら土地は譲らなくても結構です。では今後の方針について話し合いましょう。」
「おい!ちょっと待ってくれ!わしらに爵位は?」
「え?渡しませんが?」
「なんだと!この野郎!なめた真似しやがって!」
そうして1人が勢いよく立ち上がってこちらへ襲い掛かって来た。
しかし、私に触れることができるわけがなく、あっという間にレイナに抑えられていた。
「お前、立場わかってるの?」
「レイナ、いい。」
そういうと、レイナは残念そうな表情を見せて拘束を解いた。
「ふん、ガキが。なめた真似しやがって。」
あ?うちのレイナに何言ったんだこいつ。
「先ほどから気になっていましたが、あなた方は貴族ではありません。私は別に恐怖政治を敷きたいわけではないのでそのようなことはしませんが、国によってはあなた方の言動は死刑となる場合がありますよ。」
「ッ!?でも!そのガキは平民だろ?同じじゃないか!」
「いいえ、違いますが。彼女はレイナ・ニシゾノ。私の養子であり、成人し次第公爵の位を授ける予定のある、立派な貴族の一人ですよ。あなたは貴族に対して暴言を吐いたのです。この意味がお分かりで?」
「くッ、こいつが貴族だと?嘘もほどほどにしてくれ!!」
はあ、なんなんだこいつは!!
「わかりました。もういいです。私は私自身に吐かれた暴言を罪に問おうとする気はありませんが、私の大事な娘に対して吐かれた暴言を見逃すわけにはいきません。あなたの行為は他国では国家反逆の罪に問われます。そのため、あなたの身柄を国家反逆の罪で拘束します。」
「なッ!!おい!!!放せ!やめてくれ!」
何かほざいていたが気にせず牢屋へ入れといてもらうことにした。さっきも言った通り私は恐怖政治を敷くつもりはないし、国民に私を神のように扱えという気はない。あれ、すでに神のように扱われてる?いや、私が指示したことではないのでセーフだ。しかし、この国が王国という体制をとっている以上身分というのは存在するのだ。貴族、いや王族である私たちに歯向かったのだから当然の仕打ちなのだろう。
はぁ、なんかこういうの慣れてきちゃったな。なんかよくいる悪役の国王みたい。
「で、2人はどうする?」
「「ひッ!」」
その後彼らは貴族云々とか偉そうなことをいうことはなく、会議が行われた。
会議の結果、彼らは王国に忠誠を誓うという形で地主を続けることを許可した。それから、土地の賃料はできるだけ安くしてもらうように交渉、値段の変更の際には必ず国への報告を行うということになった。そのほかにもこまごまとした規約を設け、破った場合には持っている土地すべてを王国所有とするという形になった。
地主会議が終わり、次は例の男の件なのだが、裁判にかけさせた結果、土地を押収、一家全員を教会へ入れさせるということになった。
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