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謁見が終わって
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今私は王宮の中に用意された来賓用の部屋にいます。
来賓用の部屋は適度に広く、あたりには豪華な装飾がちりばめられている。絵も飾ってあるが、私は絵の知識を持っていないためそれを見てもあまり何も感じない。きれいだなー程度だ。
部屋の前には警備員が待機しており、厳重に私は守られている。
そうか。私は王になったんだ。
私はその部屋のソファーに座っている。
目の前にある机の上にはたくさんの豪華なお菓子が置かれているが、もちろん今は食べれるような気分ではない。口にしてものどを通ることはないだろう。
とりあえず先ほどメイドさんが用意してくださった紅茶を一口飲んで気持ちを落ち着かせ、今の状況を整理することにした。
「いや~、マジか……。なんか王様になっちゃったよ……。」
ていうかこれってなかなかひどい話だと思う。私何も聞いてないのになんか勝手に領地与えられて国王にされたんだよ?しかも勝手に崇める対象にされてるし。どういうことやねん。
「いいじゃん。なんか面白そうじゃない?僕の代わりにこの世界管理する?」
「いやだよ!!!!マジでヤダ!お前がちゃんとやれ!仕事しろ馬鹿!!」
「おぉ……、ひどい言われようだ。」
「あぁ、でもほんとにどうしよう……。」
確かに領地を経営するとかいう小説もあった。でもそれは初めから領主の子供とか国王の子供とかに転生したり、めちゃくちゃ強い力で大手柄を挙げて爵位をもらって領地をもらうとかじゃん?ちがうじゃん!私何もしてないのに。
別に私はめちゃくちゃステータス高いけど、神の御使いとかいう称号持ってるけど、異世界から来たけど、神様と話せるけど別にただの一般人なわけだ。
いやまて、あぁ。一般人はめちゃくちゃ高いステータスも持たないし神の御使いでもないし異世界からも来ないし神様とも話せないのか……。
特に神様とも話せるというのがなかなか大変なのかもしれない。
そのせいで私は崇める対象にされたのだろう。別に私は神でも何でもないのに。
コンコンコンッ
私が1人でに落ち込んでいると部屋の扉が叩かれた。
「チナリ様、失礼いたします。国王陛下がお呼びですので、付いてきてください。」
私は呼びに来てくれたメイドさんについて行って近くにある応接室のほうまで移動する。
「では、私はこれにて失礼いたします。」
「はい。どうもありがとうございました。」
メイドさんは少し驚いたような表情を見せた後にすたすたと戻っていった。
あ、そうか。私は王様だからこんな感じにお礼をしてはいけないんだ。めんどくさいな、王様って。ちゃんと感謝もできないなんて。やっぱり私には王様は向いていないよ。
扉の前でぐずぐずしていても何も進まない。なので私は扉を3回ノックした後静かに応接室の中へ入っていった。
応接室はとても広く、私が待機していた来賓用の部屋と同じように、豪華な装飾がちりばめられていた。
部屋の真ん中には大きなソファーとテーブルが配置してあり、そのテーブルの上には私を含め、人数分の紅茶が置いてある。
大事な話をすることがあるからだろう。窓はついておらず、外から中の様子をうかがうことができない。一応扉の前に先ほどの部屋よりも厳重に警備員が配備されているが、防音の魔法具が使われているようで外に声が漏れることはない。
部屋の中にはこの国の王様を含め、4人の王様が待機しており、私が部屋に入るとすぐに4人とも立ち上がり、深々と頭を下げてきた。
「勝手なことをして大変申し訳ない。」
「え、いえいえ。全然大丈夫ですので、頭を上げてください。」
国王とは、その国で最も偉い人であり、何をしても基本的には許されるものだ。謝るなんてしてはいけない。極端に言えば国王が頭を下げるということはその国は謝った相手に服従します。という意味と同じなのだ。
なのに4人は私に頭を下げてきた。
ああ、そりゃそうだろう。神様とも話せるし、危害を加えたら国を滅ぼすだなんていわれてしまっているのだ。
「どうしてこのようなことになってしまったのか。詳しく経緯を説明する。」
そういうと国王陛下はこうなってしまった経緯を詳しく話し始めた。
来賓用の部屋は適度に広く、あたりには豪華な装飾がちりばめられている。絵も飾ってあるが、私は絵の知識を持っていないためそれを見てもあまり何も感じない。きれいだなー程度だ。
部屋の前には警備員が待機しており、厳重に私は守られている。
そうか。私は王になったんだ。
私はその部屋のソファーに座っている。
目の前にある机の上にはたくさんの豪華なお菓子が置かれているが、もちろん今は食べれるような気分ではない。口にしてものどを通ることはないだろう。
とりあえず先ほどメイドさんが用意してくださった紅茶を一口飲んで気持ちを落ち着かせ、今の状況を整理することにした。
「いや~、マジか……。なんか王様になっちゃったよ……。」
ていうかこれってなかなかひどい話だと思う。私何も聞いてないのになんか勝手に領地与えられて国王にされたんだよ?しかも勝手に崇める対象にされてるし。どういうことやねん。
「いいじゃん。なんか面白そうじゃない?僕の代わりにこの世界管理する?」
「いやだよ!!!!マジでヤダ!お前がちゃんとやれ!仕事しろ馬鹿!!」
「おぉ……、ひどい言われようだ。」
「あぁ、でもほんとにどうしよう……。」
確かに領地を経営するとかいう小説もあった。でもそれは初めから領主の子供とか国王の子供とかに転生したり、めちゃくちゃ強い力で大手柄を挙げて爵位をもらって領地をもらうとかじゃん?ちがうじゃん!私何もしてないのに。
別に私はめちゃくちゃステータス高いけど、神の御使いとかいう称号持ってるけど、異世界から来たけど、神様と話せるけど別にただの一般人なわけだ。
いやまて、あぁ。一般人はめちゃくちゃ高いステータスも持たないし神の御使いでもないし異世界からも来ないし神様とも話せないのか……。
特に神様とも話せるというのがなかなか大変なのかもしれない。
そのせいで私は崇める対象にされたのだろう。別に私は神でも何でもないのに。
コンコンコンッ
私が1人でに落ち込んでいると部屋の扉が叩かれた。
「チナリ様、失礼いたします。国王陛下がお呼びですので、付いてきてください。」
私は呼びに来てくれたメイドさんについて行って近くにある応接室のほうまで移動する。
「では、私はこれにて失礼いたします。」
「はい。どうもありがとうございました。」
メイドさんは少し驚いたような表情を見せた後にすたすたと戻っていった。
あ、そうか。私は王様だからこんな感じにお礼をしてはいけないんだ。めんどくさいな、王様って。ちゃんと感謝もできないなんて。やっぱり私には王様は向いていないよ。
扉の前でぐずぐずしていても何も進まない。なので私は扉を3回ノックした後静かに応接室の中へ入っていった。
応接室はとても広く、私が待機していた来賓用の部屋と同じように、豪華な装飾がちりばめられていた。
部屋の真ん中には大きなソファーとテーブルが配置してあり、そのテーブルの上には私を含め、人数分の紅茶が置いてある。
大事な話をすることがあるからだろう。窓はついておらず、外から中の様子をうかがうことができない。一応扉の前に先ほどの部屋よりも厳重に警備員が配備されているが、防音の魔法具が使われているようで外に声が漏れることはない。
部屋の中にはこの国の王様を含め、4人の王様が待機しており、私が部屋に入るとすぐに4人とも立ち上がり、深々と頭を下げてきた。
「勝手なことをして大変申し訳ない。」
「え、いえいえ。全然大丈夫ですので、頭を上げてください。」
国王とは、その国で最も偉い人であり、何をしても基本的には許されるものだ。謝るなんてしてはいけない。極端に言えば国王が頭を下げるということはその国は謝った相手に服従します。という意味と同じなのだ。
なのに4人は私に頭を下げてきた。
ああ、そりゃそうだろう。神様とも話せるし、危害を加えたら国を滅ぼすだなんていわれてしまっているのだ。
「どうしてこのようなことになってしまったのか。詳しく経緯を説明する。」
そういうと国王陛下はこうなってしまった経緯を詳しく話し始めた。
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