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王宮への呼び出し
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私の休暇期間はギルド長の訪問とともに終わりを告げた。
「チナリ、今から王宮に来なさい。これは王命だ。逆らうことはできないぞ。」
!?!?!?!?!?
どうやら私の処遇が決まったようだ。
王宮への呼び出しか……。私まだ異世界チート無双っぽいことあんまりしてないのに……。
マヨネーズ広めないといけないのに!!!
(なに馬鹿な事言ってるんですか。)
うっせぇうっせぇうっせぇわ♪
(???)
いい、無視しなさい。
どうやら王宮から馬車が来ているらしく、それに乗って迎えとのことだった。
窓から外を見ると、豪華な馬車が止まっていた。多分あれに乗るんだろう。
(椅子かった。)
別にここまでテンプレートじゃなくてもいいのにと思ったのだが、馬車のイスがかってぇかってぇかってぇわなわけで、私の旅は一番それに苦しめられた。
ここから王都まではそこそこ近く、馬車で5日ほどでつく。
私は異世界テンプレートである盗賊を期待していたのだがウッズヘルキンス伯爵領では貴重な鉱石が取れるようで、あたりの盗賊はすべて狩りつくされているらしい。道も整っているので結構快適な旅だった。
椅子は固いけど。
さすがは王宮の馬車というだけあってご飯はおいしいし、護衛も優秀な人たちばかりだった。
何の面白みもなくあっという間に王都につき、私は王宮へ入った。
さて、もちろん私が普段着ているような恰好で謁見するなどなかなか無礼な行為になるかもしれない。そのため、私は転移してきたときに来ていた学校の制服を着ることにした。
学校の制服は極めて優秀だ。大体これ着とけば何とかなる。
んっ!あれ!胸がきつい!!
(フッ)
クソッ!
問題なく入りました。胸なんかきつくありません。クソッ!!
私はまあ言ってしまえば強いだけの平民なわけだ。なので礼儀作法なんてなんも知らない。
そのため軽い説明を受けてから謁見を行うことになった。
今回はそこまで礼儀作法は気にしなくていいとのこと。
とうとう謁見の時間がやって来た。
でも緊張はしていない。いつでも神様が付いているという安心感があるのだ。
私はこっちに来てからの2か月弱で神様をものすごく信頼したし、神様も信頼してくれているだろう。
大丈夫。何かあっても神様が付いてる。
大きな広間に入るとそこにはたくさんの貴族がいた。
しかし、私は1つの疑問を持った。
玉座が4つ??
「面を上げよ。」
これはなんかゆっくり上げたほうがいいらしいので一応ゆっくり上げる。
(ちょっと!いくら何でも遅すぎ!)
ええ!?遅いほうがいいって言ったじゃん!!
王様ってすごいのだなと感じる。とにかくすごいのだ。なんというかなんというかあれなんだ!そう!圧迫感じゃなくて!
(迫力?)
そうそれ!!迫力があるのだ!!
「どうして玉座が4つあるのだろうと思っただろう。右から順にレイピア王国国王レイピア3世、フィヨルナンド王国国王フィヨルナンド8世、オースガーン王国国王オースガーン4世、そして我ヘリティア王国国王ヘリティア16世である。」
なんで4つの国の国王が集まっているのだ?
「正直に答えよ。こちらには優秀な真偽判定官が付いておる。嘘をついたらそれは王国への反逆とみなす。いいな。」
「はっ!」
なに?嘘をついたら反逆!?
なんか大変なことになったぞ!
「そなたは神の御使いなのだろう?それは間違いないのだな?」
え?どっちだ??称号はあるけど……。
(神の御使いで間違いない。)
「はい。間違いございません。」
その言葉を聞いて大広間にざわめきが広がる。
「静かに!」
はい、静まるまで1秒かかりました。
マジでほんとに静まるの早かった。
「では、そなたは神に会ったことがあるのか?」
「はい。御座います。」
「いま、話はできるか?」
「はい。可能です。」
「それは我らもできるのか?」
おい神!できる?
(いや、私はチナリとしか話すことができない。)
「いいえ、不可能だそうです。」
「そうか。それは残念だ。神はこの件に対して何か言っておるか?」
何か伝えることはある?
(ふん、そうだな。これ以上我のチナリに詮索をするのはやめたまえ。彼女に危害を加えるものなら私はこの国を滅ぼそう。とでも伝えといてくれ。)
不覚にも我のチナリという点でちょっとだけほんとにちょっとだけどきっときた。
「これ以上我のチナリに詮索をするのはやめたまえ。彼女に危害を加えるものなら私はこの国を滅ぼそう。と申しております。」
「そうか。」
そう呟くとヘリティア王国の国王は真偽判定官のほうに目をやった。どうやら真だったようだ。
「本当なのだな。我々はそなたの存在を確認してから様々な専門家を交え、そなたの今後についての話し合いを行った。神の御使いであり圧倒的な力を保有するそなたをわが国だけで管理するのは危険だと考えたのだ。」
確かにそうだ。多分神様の発言のおかげもあって私が殺されることはないだろうが……。
「よって、レイピア、フィヨルナンド、オースガーン、ヘリティアの4国より、4国との境界線付近の土地をそなた、チナリ・ニシゾノへと譲渡し、ニシゾノ王国の設立を宣言する。」
は?
「また、神の御使い様ということで、その領内に神殿を設立し、新たにニシゾノ神教を設立、4国の国教とする。反対の者はいるか?」
反対者なし。
「以上!これにて今回の謁見を終了とする。」
あ、えっと、国王になりました。
「チナリ、今から王宮に来なさい。これは王命だ。逆らうことはできないぞ。」
!?!?!?!?!?
どうやら私の処遇が決まったようだ。
王宮への呼び出しか……。私まだ異世界チート無双っぽいことあんまりしてないのに……。
マヨネーズ広めないといけないのに!!!
(なに馬鹿な事言ってるんですか。)
うっせぇうっせぇうっせぇわ♪
(???)
いい、無視しなさい。
どうやら王宮から馬車が来ているらしく、それに乗って迎えとのことだった。
窓から外を見ると、豪華な馬車が止まっていた。多分あれに乗るんだろう。
(椅子かった。)
別にここまでテンプレートじゃなくてもいいのにと思ったのだが、馬車のイスがかってぇかってぇかってぇわなわけで、私の旅は一番それに苦しめられた。
ここから王都まではそこそこ近く、馬車で5日ほどでつく。
私は異世界テンプレートである盗賊を期待していたのだがウッズヘルキンス伯爵領では貴重な鉱石が取れるようで、あたりの盗賊はすべて狩りつくされているらしい。道も整っているので結構快適な旅だった。
椅子は固いけど。
さすがは王宮の馬車というだけあってご飯はおいしいし、護衛も優秀な人たちばかりだった。
何の面白みもなくあっという間に王都につき、私は王宮へ入った。
さて、もちろん私が普段着ているような恰好で謁見するなどなかなか無礼な行為になるかもしれない。そのため、私は転移してきたときに来ていた学校の制服を着ることにした。
学校の制服は極めて優秀だ。大体これ着とけば何とかなる。
んっ!あれ!胸がきつい!!
(フッ)
クソッ!
問題なく入りました。胸なんかきつくありません。クソッ!!
私はまあ言ってしまえば強いだけの平民なわけだ。なので礼儀作法なんてなんも知らない。
そのため軽い説明を受けてから謁見を行うことになった。
今回はそこまで礼儀作法は気にしなくていいとのこと。
とうとう謁見の時間がやって来た。
でも緊張はしていない。いつでも神様が付いているという安心感があるのだ。
私はこっちに来てからの2か月弱で神様をものすごく信頼したし、神様も信頼してくれているだろう。
大丈夫。何かあっても神様が付いてる。
大きな広間に入るとそこにはたくさんの貴族がいた。
しかし、私は1つの疑問を持った。
玉座が4つ??
「面を上げよ。」
これはなんかゆっくり上げたほうがいいらしいので一応ゆっくり上げる。
(ちょっと!いくら何でも遅すぎ!)
ええ!?遅いほうがいいって言ったじゃん!!
王様ってすごいのだなと感じる。とにかくすごいのだ。なんというかなんというかあれなんだ!そう!圧迫感じゃなくて!
(迫力?)
そうそれ!!迫力があるのだ!!
「どうして玉座が4つあるのだろうと思っただろう。右から順にレイピア王国国王レイピア3世、フィヨルナンド王国国王フィヨルナンド8世、オースガーン王国国王オースガーン4世、そして我ヘリティア王国国王ヘリティア16世である。」
なんで4つの国の国王が集まっているのだ?
「正直に答えよ。こちらには優秀な真偽判定官が付いておる。嘘をついたらそれは王国への反逆とみなす。いいな。」
「はっ!」
なに?嘘をついたら反逆!?
なんか大変なことになったぞ!
「そなたは神の御使いなのだろう?それは間違いないのだな?」
え?どっちだ??称号はあるけど……。
(神の御使いで間違いない。)
「はい。間違いございません。」
その言葉を聞いて大広間にざわめきが広がる。
「静かに!」
はい、静まるまで1秒かかりました。
マジでほんとに静まるの早かった。
「では、そなたは神に会ったことがあるのか?」
「はい。御座います。」
「いま、話はできるか?」
「はい。可能です。」
「それは我らもできるのか?」
おい神!できる?
(いや、私はチナリとしか話すことができない。)
「いいえ、不可能だそうです。」
「そうか。それは残念だ。神はこの件に対して何か言っておるか?」
何か伝えることはある?
(ふん、そうだな。これ以上我のチナリに詮索をするのはやめたまえ。彼女に危害を加えるものなら私はこの国を滅ぼそう。とでも伝えといてくれ。)
不覚にも我のチナリという点でちょっとだけほんとにちょっとだけどきっときた。
「これ以上我のチナリに詮索をするのはやめたまえ。彼女に危害を加えるものなら私はこの国を滅ぼそう。と申しております。」
「そうか。」
そう呟くとヘリティア王国の国王は真偽判定官のほうに目をやった。どうやら真だったようだ。
「本当なのだな。我々はそなたの存在を確認してから様々な専門家を交え、そなたの今後についての話し合いを行った。神の御使いであり圧倒的な力を保有するそなたをわが国だけで管理するのは危険だと考えたのだ。」
確かにそうだ。多分神様の発言のおかげもあって私が殺されることはないだろうが……。
「よって、レイピア、フィヨルナンド、オースガーン、ヘリティアの4国より、4国との境界線付近の土地をそなた、チナリ・ニシゾノへと譲渡し、ニシゾノ王国の設立を宣言する。」
は?
「また、神の御使い様ということで、その領内に神殿を設立し、新たにニシゾノ神教を設立、4国の国教とする。反対の者はいるか?」
反対者なし。
「以上!これにて今回の謁見を終了とする。」
あ、えっと、国王になりました。
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