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168話目 4層配信②
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昨日使った門は北側だったので、南側の門から外に出ることにする。
この村は一面のジャングルの中にある村のため、出る方角が変わったところで見た目上の変化はほとんどない。
強いて言えば、昨日は道と言えるほどの小さい通路があったのだが、今回はそれがない。
草木をかけわけ、人1人通れるくらいの隙間を這うように進みながら動いていく必要があるために、4人で行動するにはあまり向いていない。
途中ではぐれる可能性が高いし、移動系のスキルを持っていない人に難易度が高すぎる。
そのため、1人で行動している今くらいしか行くタイミングはないだろう。
「いやぁ、やっぱりあまり行きたくはないよね」
まだ1日しか経っていないということもあり、正直あまり気が乗らない。
睡眠は嫌なことを忘れる作用があるというが、そんな1回の睡眠で忘れられるほど負った傷は軽くはないのだ。
:頑張れ!
:お宝が眠ってるかもしれないよ
:4層を配信する人ってホントにいないから、こうやって配信してくれるのはうれしいよ
:行っている人も少ないんだから、アイテム取り放題だよ
「そうだよねぇ……、人の流れを見ると大体が北側の門からだから、多分ほとんど南側来てないよね。よしッ、ここでくよくよしてても時間の無駄だし、さっさと行っちゃおう」
そう、多少ぬかるんだ地面を力強く踏みこみ、1歩1歩前へと進んでいく。
「ほッ、よいしょと」
木々に手を当てながら、軽くジャンプをするように飛び越えていく。
倒れた大木には、びっしりと苔が付いていて少しでも気を抜くと滑って転んでしまいそうだ。
ジャングルの中は相変わらず、動物の鳴き声やどこからともなく聞こえてくる水の音で満たされている。
障害物に遮られ、強い風が吹くことはない。
ふたをするように空にかかった葉っぱの蓋から、雫がしたたり落ちては私に当たる。
私に当たらなかった雫は、地面に落ちると小さく音を立てて、土の中へとしみこんでいく。
そのせいか、辺りには至る所に水たまりのようなものができている。
昨日に比べて植物が濡れているように見えるため、昨晩は雨が降ったのだろう。
ジャングルの気候は比較的変わりやすく、途中ぽつぽつと雨が降ってくるかもしれない。
持ってきておいた雨合羽がアイテムボックスに入っているのを確認し、歩いていく。
「はぁ、もしこれで湿気が少なかったら良いハイキングになるのに……」
そう言いながら、こちらへと向かってきていた例の虫型モンスターを切り捨てる。
こういうのは敵を目視しなければなんてことはないのだ。
:ノールック……
:一応4層のモンスターだから強いはずなんだけどなぁ
:4層に100層のボスが降臨してるみたいだわ
:虫さんカワイソス
:こんなにスパスパと倒せるんだから気持ちいいだろうな
「確かに手間取るよりは気持ちいいけど、相手が相手だから……」
:あ
:そうだね
:武器に着くの嫌だわ
:たしかに
:ゴ〇ブリだもんね
リスナーと会話をしながら気ままにジャングルを歩いていると、遠くの方に光の刺す少し開けたところが見えてきた。
「ん?あれはなんだ?」
超加速のスキルも混ぜながら素早く進んでいくと、このジャングルのど真ん中に1つの遺跡のようなものが佇んでいる。
「ん?遺跡だ」
:おっ!
:きた!
:面白くなってまいりました!
:これまだ情報ないでしょ?
:初発見だ!
:歴史的発見では!?
一気にコメントの流れが速くなる。
「歴史的発見って……、これまだ見つかってないやつみたいだね。ちょっと探索してみようか」
石を積み立てて作られている遺跡は、大きさとしては比較的小さめだ。
ただ、下に続いている階段があるようなので、地面の中ではどのような大きさになっているかはわからない。
それこそとても大きい遺跡なのかもしれないし、外見通りに小さいものなのかもしれない。
積み上げられた石のいたるところには苔が生えており、壁にはツタが張っている。
「よし、行こう」
配信のマイクが拾うくらいの大きさでそう呟いて、一気に遺跡の中側へと入っていった。
この村は一面のジャングルの中にある村のため、出る方角が変わったところで見た目上の変化はほとんどない。
強いて言えば、昨日は道と言えるほどの小さい通路があったのだが、今回はそれがない。
草木をかけわけ、人1人通れるくらいの隙間を這うように進みながら動いていく必要があるために、4人で行動するにはあまり向いていない。
途中ではぐれる可能性が高いし、移動系のスキルを持っていない人に難易度が高すぎる。
そのため、1人で行動している今くらいしか行くタイミングはないだろう。
「いやぁ、やっぱりあまり行きたくはないよね」
まだ1日しか経っていないということもあり、正直あまり気が乗らない。
睡眠は嫌なことを忘れる作用があるというが、そんな1回の睡眠で忘れられるほど負った傷は軽くはないのだ。
:頑張れ!
:お宝が眠ってるかもしれないよ
:4層を配信する人ってホントにいないから、こうやって配信してくれるのはうれしいよ
:行っている人も少ないんだから、アイテム取り放題だよ
「そうだよねぇ……、人の流れを見ると大体が北側の門からだから、多分ほとんど南側来てないよね。よしッ、ここでくよくよしてても時間の無駄だし、さっさと行っちゃおう」
そう、多少ぬかるんだ地面を力強く踏みこみ、1歩1歩前へと進んでいく。
「ほッ、よいしょと」
木々に手を当てながら、軽くジャンプをするように飛び越えていく。
倒れた大木には、びっしりと苔が付いていて少しでも気を抜くと滑って転んでしまいそうだ。
ジャングルの中は相変わらず、動物の鳴き声やどこからともなく聞こえてくる水の音で満たされている。
障害物に遮られ、強い風が吹くことはない。
ふたをするように空にかかった葉っぱの蓋から、雫がしたたり落ちては私に当たる。
私に当たらなかった雫は、地面に落ちると小さく音を立てて、土の中へとしみこんでいく。
そのせいか、辺りには至る所に水たまりのようなものができている。
昨日に比べて植物が濡れているように見えるため、昨晩は雨が降ったのだろう。
ジャングルの気候は比較的変わりやすく、途中ぽつぽつと雨が降ってくるかもしれない。
持ってきておいた雨合羽がアイテムボックスに入っているのを確認し、歩いていく。
「はぁ、もしこれで湿気が少なかったら良いハイキングになるのに……」
そう言いながら、こちらへと向かってきていた例の虫型モンスターを切り捨てる。
こういうのは敵を目視しなければなんてことはないのだ。
:ノールック……
:一応4層のモンスターだから強いはずなんだけどなぁ
:4層に100層のボスが降臨してるみたいだわ
:虫さんカワイソス
:こんなにスパスパと倒せるんだから気持ちいいだろうな
「確かに手間取るよりは気持ちいいけど、相手が相手だから……」
:あ
:そうだね
:武器に着くの嫌だわ
:たしかに
:ゴ〇ブリだもんね
リスナーと会話をしながら気ままにジャングルを歩いていると、遠くの方に光の刺す少し開けたところが見えてきた。
「ん?あれはなんだ?」
超加速のスキルも混ぜながら素早く進んでいくと、このジャングルのど真ん中に1つの遺跡のようなものが佇んでいる。
「ん?遺跡だ」
:おっ!
:きた!
:面白くなってまいりました!
:これまだ情報ないでしょ?
:初発見だ!
:歴史的発見では!?
一気にコメントの流れが速くなる。
「歴史的発見って……、これまだ見つかってないやつみたいだね。ちょっと探索してみようか」
石を積み立てて作られている遺跡は、大きさとしては比較的小さめだ。
ただ、下に続いている階段があるようなので、地面の中ではどのような大きさになっているかはわからない。
それこそとても大きい遺跡なのかもしれないし、外見通りに小さいものなのかもしれない。
積み上げられた石のいたるところには苔が生えており、壁にはツタが張っている。
「よし、行こう」
配信のマイクが拾うくらいの大きさでそう呟いて、一気に遺跡の中側へと入っていった。
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