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131話目 以前とは異なって
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「ユウヒ!?お前ら!相手はFoxAgainだ!気を引き締めていけ!!」
単純に私が有名すぎるのか、以前戦ったことがあるから覚えていたのかはわからないが、私が木の上から相手に飛び込んで行った瞬間、リーダーから大きな声が上がった。
すると!
「ユウヒ様!?」
「ユウヒ様だ!!」
出たよ。
私たちは敵同士だというのに、そこには一切武器を握らずにこちらに手を振ってくるリーダー以外の3人の姿があった。
リーダーは目を見開いて驚いていた。
まあこんなに油断してくれているのならありがたい。
私は空中を強く蹴りさらに加速をして、一気に相手のリーダーへと飛び込んでいった。
相手のリーダーは槍使いだ。
以前戦った時にも思ったのだが、双剣と槍では明らかに槍が有利だ。
リーチが長い分遠くから攻撃が通る槍と、リーチがすごく短く、近くまで寄らないと攻撃を当てることすら叶わない双剣。
相手の距離で戦われたら勝ち目などない。
ただ、私はそんなもので負けるほど弱いわけではない。
槍の攻撃できる部分は基本的には先の方についている穂の部分のみ。
超接近戦に持ち込むことができれば、相手は一度大きく槍を下げるか自身が後退しない限り柄の部分でのみでしか攻撃ができない。
柄の部分は金属なこともあるが、基本的には木でできている。
柄で殴られたところでレベル100越えの私にはダメージはほとんど入らない。
左側の短剣で相手の槍の穂の部分を弾き、そのまま柄に沿うように一気に首元まで飛び込んでいく。
相手はすぐに槍を後ろへと引き、右わきの下側へと下げていくと同時に大きく右足を後ろへと下げた。
その速度は以前戦ったよりも明らかに早くなっているように感じた。
ただ、すでに私は相手の首元までたどり着いていたため、右で逆手に握っていた短剣を思いっきり相手の首元に突き刺した。
―――のだが、手に伝わって来たのは思っていたような感触とは異なるものだった。
金属と金属がぶつかるときに発せられる甲高い音を鳴らしながら私の手に伝わって来たのは、片手剣の感触だ。
私にとっては不幸だが、相手にとっては幸。
相手の片手剣使いが私の攻撃をぎりぎりで防ぐことに成功したのだ。
(私のファンじゃなかったのかよ!!)
内心そう思っていたが、これはただのお遊び試合ではない。
大会優勝をかけた大事な大事な戦いなのだ。
以前とは異なってこのことをしっかり理解していた3人は、先ほどまでのオタク対応を早いうちに切り上げ、全員武器を取り戦闘モードになっていた。
とりあえず跳躍を使って大きく後ろへ下がりながら、空中でナイフを相手のリーダーの方へと投げた。
ただ、相手に刺さるはずもなく槍を使って落とされえてしまった。
「ウォーターボム!」
「ウィンドカッター!」
私が空中へと跳んだ瞬間、ここぞとばかりに魔法使いの2人が私に攻撃魔法を仕掛けてきた。
左右からはさむように飛んできた魔法を自慢の双剣でササッと裁いて、先ほどまで乗っていた木の枝へと着地した。
私が枝の上に足をかけた瞬間、枝の下を高速で短めの槍の形をした岩が飛んで行った。
軽く後ろに目をやると、そこには3人の姿があった。
「待たせた!」
ようやくメアリーたちが追い付いてきたのであった。
単純に私が有名すぎるのか、以前戦ったことがあるから覚えていたのかはわからないが、私が木の上から相手に飛び込んで行った瞬間、リーダーから大きな声が上がった。
すると!
「ユウヒ様!?」
「ユウヒ様だ!!」
出たよ。
私たちは敵同士だというのに、そこには一切武器を握らずにこちらに手を振ってくるリーダー以外の3人の姿があった。
リーダーは目を見開いて驚いていた。
まあこんなに油断してくれているのならありがたい。
私は空中を強く蹴りさらに加速をして、一気に相手のリーダーへと飛び込んでいった。
相手のリーダーは槍使いだ。
以前戦った時にも思ったのだが、双剣と槍では明らかに槍が有利だ。
リーチが長い分遠くから攻撃が通る槍と、リーチがすごく短く、近くまで寄らないと攻撃を当てることすら叶わない双剣。
相手の距離で戦われたら勝ち目などない。
ただ、私はそんなもので負けるほど弱いわけではない。
槍の攻撃できる部分は基本的には先の方についている穂の部分のみ。
超接近戦に持ち込むことができれば、相手は一度大きく槍を下げるか自身が後退しない限り柄の部分でのみでしか攻撃ができない。
柄の部分は金属なこともあるが、基本的には木でできている。
柄で殴られたところでレベル100越えの私にはダメージはほとんど入らない。
左側の短剣で相手の槍の穂の部分を弾き、そのまま柄に沿うように一気に首元まで飛び込んでいく。
相手はすぐに槍を後ろへと引き、右わきの下側へと下げていくと同時に大きく右足を後ろへと下げた。
その速度は以前戦ったよりも明らかに早くなっているように感じた。
ただ、すでに私は相手の首元までたどり着いていたため、右で逆手に握っていた短剣を思いっきり相手の首元に突き刺した。
―――のだが、手に伝わって来たのは思っていたような感触とは異なるものだった。
金属と金属がぶつかるときに発せられる甲高い音を鳴らしながら私の手に伝わって来たのは、片手剣の感触だ。
私にとっては不幸だが、相手にとっては幸。
相手の片手剣使いが私の攻撃をぎりぎりで防ぐことに成功したのだ。
(私のファンじゃなかったのかよ!!)
内心そう思っていたが、これはただのお遊び試合ではない。
大会優勝をかけた大事な大事な戦いなのだ。
以前とは異なってこのことをしっかり理解していた3人は、先ほどまでのオタク対応を早いうちに切り上げ、全員武器を取り戦闘モードになっていた。
とりあえず跳躍を使って大きく後ろへ下がりながら、空中でナイフを相手のリーダーの方へと投げた。
ただ、相手に刺さるはずもなく槍を使って落とされえてしまった。
「ウォーターボム!」
「ウィンドカッター!」
私が空中へと跳んだ瞬間、ここぞとばかりに魔法使いの2人が私に攻撃魔法を仕掛けてきた。
左右からはさむように飛んできた魔法を自慢の双剣でササッと裁いて、先ほどまで乗っていた木の枝へと着地した。
私が枝の上に足をかけた瞬間、枝の下を高速で短めの槍の形をした岩が飛んで行った。
軽く後ろに目をやると、そこには3人の姿があった。
「待たせた!」
ようやくメアリーたちが追い付いてきたのであった。
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