病弱な私はVRMMOの世界で生きていく。

べちてん

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129話目 まだまだ歩く

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標高が高くなってくると草木は成長しにくくなり、森林限界を超えると高木が生育できずに、森が形成されない。

つまり先ほどまで私たちが居た場所は森林限界を超えるほどの高さであったということだ。

森林限界は場所によって異なるため、一概にどの程度の高さかというのは言えないものの、まあ2000mほどだと考えていいだろう。

そんな気の遠くなるような山下りも終わりが近づいてきた。

頂上で非常に小さく見えていた森の木々たちは徐々に近く、大きくなってきている。

辺りに生えていた低木もいつの間にか高木に変化し、地面はごつごつした岩ではなくふかふかした土である。

土の上には木から落ちてきた枝や枯れ葉が散乱していたが、先ほどまでの地形に比べたら非常に歩きやすい。

先ほどまで一部崖のようなところを通り、急こう配の中を歩いてきていたが、今では非常になだらかな下り坂になっている。

スキルなどを使いながら非常にハイペースで下ってきたためか、太陽が頭のてっぺんに着くごろにはここまで下ることができた。

メアリーに声をかけられて一同は付近に横倒しになっていた倒木に腰を掛ける。

「相当下って来ただろうから、マップを確認するわね。」

そういうと、メアリーも倒木に腰を掛けてマップを開いた。

どうやら現在地は山の麓付近の森の中で、すでに明日のフィールドの範囲内に入っているようだ。

「よし、すでに明日のフィールドの範囲には入っているけど、できるだけ森の中心部まで歩いていくことにするわ。」

ここら辺にある洞窟の中に入って1日やり過ごすのもいいが、おそらく私たちと同様に明日のフィールド外にいた人たちがここら辺を通るだろう。

そうなってくると接敵する可能性が非常に高くなってくる。

また、日中草原にいるチームが森の中に戻ってきて休憩を取る可能性があるため、森の草原よりは危ない。

そうなってくると森の真ん中あたりで休むというのが最も良い選択だろう。

目標を達成しているということが分かると一気に腰は重くなっていくものだ。

ただ、あくまで私たちが達成した目標は明日のフィールドの範囲内に入るという非常に小さな目標だ。

私たちがこの試合で目指している最終的な目標は優勝。

私たちは優勝に向けて再び歩み始めた。
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