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127話目 二日目
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「よし、準備はいい?」
あれから5分以内に全員の準備は整い、日が明ける前にさっさと下ってしまうことにした。
屋根を取ると空にはたくさんの星がキラキラと輝いていた。
私はVRMMOというものを知らなければ、この世界が現実の世界であるということを言われたら信じてしまうだろう。
それほどリアルで美しい景色なのだ。
もし雪山の山頂を通るチームがいた場合、私たちの拠点はここに私たちが居たということを実物として主張する。
少しでも足取りを掴ませないためにも、私たちの癒しの空間はすでに破壊しており、そこにはまるで何にもなかったかのような状態になっている。
「よし、ユウヒが先頭でお願い。私が一番後方から行くわ。」
先頭と最後方は造形が使える私とメアリーが担当することにした。
雪山の場合は足が深く埋まって身動きが取れなくなってしまう可能性があるし、雪崩が発生して一気に下まで落ちてしまう可能性がある。
そのため、造形で地面を固めながら進んでいくのだ。
暗い中で明かりを灯してしまうと非常に目立つ。
こういう時に造形は便利だ。
「じゃあ進むね。」
いつまでも山頂でぐずぐずはしていない。
そうしている間にも刻一刻と太陽は私たちに顔を見せようとしている。
マップの端、東側の山脈の輪郭は、太陽の光を受けて明るくくっきりと見えている。
あと1時間以内にはあたりも明るくなってくるだろう。
1時間で下ることが無理なことはわかっているので、焦らずにゆっくりと下っていくのだが。
明るくなってもできるだけ目立たないようにメアリーはローブを作ったのだから。
私の作った階段状の道の上を、真ん中の2人は自身の魔法用の杖を使いながら下っていく。
最後方にいるメアリーは、私が造形で作った階段を崩しながら下っている。
私たちの2日目は、山下りから始まった。
あれから5分以内に全員の準備は整い、日が明ける前にさっさと下ってしまうことにした。
屋根を取ると空にはたくさんの星がキラキラと輝いていた。
私はVRMMOというものを知らなければ、この世界が現実の世界であるということを言われたら信じてしまうだろう。
それほどリアルで美しい景色なのだ。
もし雪山の山頂を通るチームがいた場合、私たちの拠点はここに私たちが居たということを実物として主張する。
少しでも足取りを掴ませないためにも、私たちの癒しの空間はすでに破壊しており、そこにはまるで何にもなかったかのような状態になっている。
「よし、ユウヒが先頭でお願い。私が一番後方から行くわ。」
先頭と最後方は造形が使える私とメアリーが担当することにした。
雪山の場合は足が深く埋まって身動きが取れなくなってしまう可能性があるし、雪崩が発生して一気に下まで落ちてしまう可能性がある。
そのため、造形で地面を固めながら進んでいくのだ。
暗い中で明かりを灯してしまうと非常に目立つ。
こういう時に造形は便利だ。
「じゃあ進むね。」
いつまでも山頂でぐずぐずはしていない。
そうしている間にも刻一刻と太陽は私たちに顔を見せようとしている。
マップの端、東側の山脈の輪郭は、太陽の光を受けて明るくくっきりと見えている。
あと1時間以内にはあたりも明るくなってくるだろう。
1時間で下ることが無理なことはわかっているので、焦らずにゆっくりと下っていくのだが。
明るくなってもできるだけ目立たないようにメアリーはローブを作ったのだから。
私の作った階段状の道の上を、真ん中の2人は自身の魔法用の杖を使いながら下っていく。
最後方にいるメアリーは、私が造形で作った階段を崩しながら下っている。
私たちの2日目は、山下りから始まった。
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