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118話目 初動
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「おお、スポーン地点は雪山かぁ。」
何の予告もなく、いきなりスタートしたSF祭バトルロワイアルプロの部、私たちのスポーン地点は雪山であった。
作戦通り、メアリーが真ん中でマップを確認し、私たちは3人で周りを見張る。
「私たちの位置はマップの右下、雪山の頂上付近で、明日のフィールド範囲にはひとまずは入ってるみたい。」
この試合では、1日ごとにフィールドが縮小していくのだが、マップを見ると明日のフィールドの範囲が円で表示されている。
どうやら私たちの居場所はそのフィールドの内側に入っているみたいで、ひとまずは安心だ。
今回の大会用のフィールドの中では最も標高の高いこの雪山の頂上。
私たちは何もせずにこのフィールドの最も高い高台を取ることができたのだ。
あたり一面を簡単に見渡せて、相手より高い位置から有利にことを進められるのは雪山の利点だ。
しかし、そんな雪山にもデメリットは存在する。
温度は設定で無効にできるため、寒さは大して問題ではない。
問題は足場の悪さにある。
雪山は、表面を雪や氷で覆われており、非常にバランスがとりにくい。
少し体勢を崩してしまうと、転んでしまったり下まで滑落してしまう可能性は十分にあるし、戦闘時にも踏ん張りが利かない。
雪山ではあまり積極的に動くというより、相手の出方を待って行動するのが初日の時点では最善の方法だろう。
明後日のフィールドがどうなるかわからない今、無理にこの場から移動する必要はない。
「よし!少なくとも今日1日はここらへんで過ごす。あたりを見渡しても敵影はない。」
どうやら私たちは運に恵まれていたらしい。
下るときに足を滑らせてダメージを負ってしまう可能性があるが、それは私たちのチームだけではない。
相手のチームも登るときや下るときにダメージを負う可能性があるわけで、無理に雪山へやっては来ないだろう。
ひとまず造形のスキルを使い、地面小さな穴を掘った。
山の天候は変わりやすい。
先ほどからも急に突風が吹いたりしている。
寒さは感じないとはいえ、ずっと寒さに晒されていると、体力は消耗していく。
少しでも体力の消耗を抑えていくために、風よけが必要なのだ。
「よし、じゃあ作戦通り、ユウヒはひとまずあたりの探索をお願いするね。」
「任せて!」
戦闘において、先に見つけることのメリットは非常に大きい。
先手必勝という言葉のある通り、先に攻撃することで隙をついたり落ち着いて狙うこともできる。
3人が先ほどの穴のあたりで今後の方針を決めている間、私はあたりの捜索をすることにしたのだ。
なぜ私が選ばれたかというと、その理由は極めて簡単である。
単純に動きが素早くて接近戦で十分戦える。
万が一にも相手に先に見つかった場合、私なら何とか乗り越えられるだろうという算段だ。
私も自分の腕にはもちろん自身があるし、雪山という足場の悪い中の戦闘では造形スキルが非常に役に立つだろう。
最善の選択だ。
加えて、私の装備は全体的に白っぽい色をしている。
そのため、雪山にうまく溶け込むことも可能だ。
また、アバターの身長も小さく、機動力に長けているため、雪山は私のフィールドだといっても過言ではないだろう。
体調不良の件もあってかあまり集中ができていなかったのだが、いざ実際に行動するとなるとその緊張感からか、一気に集中ができるようになる。
やはり、ゲームは楽しい。
何の予告もなく、いきなりスタートしたSF祭バトルロワイアルプロの部、私たちのスポーン地点は雪山であった。
作戦通り、メアリーが真ん中でマップを確認し、私たちは3人で周りを見張る。
「私たちの位置はマップの右下、雪山の頂上付近で、明日のフィールド範囲にはひとまずは入ってるみたい。」
この試合では、1日ごとにフィールドが縮小していくのだが、マップを見ると明日のフィールドの範囲が円で表示されている。
どうやら私たちの居場所はそのフィールドの内側に入っているみたいで、ひとまずは安心だ。
今回の大会用のフィールドの中では最も標高の高いこの雪山の頂上。
私たちは何もせずにこのフィールドの最も高い高台を取ることができたのだ。
あたり一面を簡単に見渡せて、相手より高い位置から有利にことを進められるのは雪山の利点だ。
しかし、そんな雪山にもデメリットは存在する。
温度は設定で無効にできるため、寒さは大して問題ではない。
問題は足場の悪さにある。
雪山は、表面を雪や氷で覆われており、非常にバランスがとりにくい。
少し体勢を崩してしまうと、転んでしまったり下まで滑落してしまう可能性は十分にあるし、戦闘時にも踏ん張りが利かない。
雪山ではあまり積極的に動くというより、相手の出方を待って行動するのが初日の時点では最善の方法だろう。
明後日のフィールドがどうなるかわからない今、無理にこの場から移動する必要はない。
「よし!少なくとも今日1日はここらへんで過ごす。あたりを見渡しても敵影はない。」
どうやら私たちは運に恵まれていたらしい。
下るときに足を滑らせてダメージを負ってしまう可能性があるが、それは私たちのチームだけではない。
相手のチームも登るときや下るときにダメージを負う可能性があるわけで、無理に雪山へやっては来ないだろう。
ひとまず造形のスキルを使い、地面小さな穴を掘った。
山の天候は変わりやすい。
先ほどからも急に突風が吹いたりしている。
寒さは感じないとはいえ、ずっと寒さに晒されていると、体力は消耗していく。
少しでも体力の消耗を抑えていくために、風よけが必要なのだ。
「よし、じゃあ作戦通り、ユウヒはひとまずあたりの探索をお願いするね。」
「任せて!」
戦闘において、先に見つけることのメリットは非常に大きい。
先手必勝という言葉のある通り、先に攻撃することで隙をついたり落ち着いて狙うこともできる。
3人が先ほどの穴のあたりで今後の方針を決めている間、私はあたりの捜索をすることにしたのだ。
なぜ私が選ばれたかというと、その理由は極めて簡単である。
単純に動きが素早くて接近戦で十分戦える。
万が一にも相手に先に見つかった場合、私なら何とか乗り越えられるだろうという算段だ。
私も自分の腕にはもちろん自身があるし、雪山という足場の悪い中の戦闘では造形スキルが非常に役に立つだろう。
最善の選択だ。
加えて、私の装備は全体的に白っぽい色をしている。
そのため、雪山にうまく溶け込むことも可能だ。
また、アバターの身長も小さく、機動力に長けているため、雪山は私のフィールドだといっても過言ではないだろう。
体調不良の件もあってかあまり集中ができていなかったのだが、いざ実際に行動するとなるとその緊張感からか、一気に集中ができるようになる。
やはり、ゲームは楽しい。
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