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87話目 ボス戦
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いかにもボス部屋らしい、大きなドアは軽く押しただけで簡単に開いた。
扉の先にあったのは、ただっ広い大きな空間で、そこにモンスターの存在は確認できなかった。
「ん?なにもいない―――」
音符猫がそう言いかけた時、それを遮るかのようにアルミが声を張り上げた。
「音符さん!上!」
「上?ッ!?」
アルミに言われて上を見ると、そこにはとにかく大きなモンスターが天井に張り付いている姿があった。
「これは?蜘蛛か?」
このダンジョンのボスはジャイアントダートスパイダー。
とにかく大きな蜘蛛型のそのモンスターは、名前にダートが入っている通り、土を使って攻撃してくる。
室内を縦横無尽に駆け巡り、強力な攻撃を打ち出してくるそのモンスターは、討伐難易度が極めて高い。
しかし、相性次第では結構簡単に倒せたりする。
私は職業が双剣使いで、攻撃を当てるには、基本的には近くへ近づかないといけない。
このモンスターは天井にくっついたり壁にくっついたりと、とにかく動き回る。
私の職業とは相性が悪かった。
だが、音符猫とアルミの2人はどうだろう。
2人も職業は魔法使い。
とはいっても、アルミの方は支援系だから、あまり攻撃はできないかもしれない。
まあ、音符猫は単体でも相当強い部類に入るプレイヤーだ。
そこにアルミの強力な支援が加われば、こんなボスくらい軽々倒せるだろう。
そして、自分でいうのもなんだが、何かがあっても私がいるという安心感もあるのだ。
「よし、じゃあ早速戦ってみてね!」
「よし!行くよ!」
「はい!」
そう元気よく返事したアルミは、音符猫に向かって支援魔法をかけた。
かけた支援魔法は防御力増加、魔法攻撃力増加の2つ。
「ありがと!」
音符猫は腰のあたりについていた杖を両手で握り、ジャイアントダートスパイダーへ照準を合わせた。
「炎弾!」
そう詠唱すると、3つほどの火球が飛んで行き、相手の背中あたりに当たった。
このゲームにいて、基本的に魔法の詠唱はいらない。
しかし、詠唱をすると魔法の威力が上がる。
また、強力な魔法になってくると、詠唱が必ず必要になるものもある。
その詠唱というのは、全部暗記しないといけないのだから、魔法使いは大変だ。
「音符さん!あいつ落とします!」
「え?落とせるの!?」
「多分。とりあえずやってみます!!」
「了解!」
アルミの使う杖は非常に短めの物。
しかし、使われている素材が非常にレアな素材で、威力はそこらに売っている大きな杖よりも断然高い。
また、この杖を使うと支援系の魔法の威力が1割増加するらしい。
アルミはその杖を片手で軽く握った。
「重力を司る聖霊よ。我が元に集い、かの者を地へと引き付けろ。グラブニュート!」
アルミがそう唱えると、ジャイアントダートスパイダーの足元に大きな魔法陣ができ、あっという間に地面へと叩きつけられた。
彼女が発動したグラブニュートという魔法は、初級、中級、上級、超級とある中の上級で、相手にかかる重力を10倍に引き上げるというものである。
上級の中でも超級に近いレベルで強力だとされている魔法で、入手方法がいまだ確立していない魔法だ。
叩きつけられたジャイアントダートスパイダーは、腹を天に向け、足をパタパタともがいていた。
扉の先にあったのは、ただっ広い大きな空間で、そこにモンスターの存在は確認できなかった。
「ん?なにもいない―――」
音符猫がそう言いかけた時、それを遮るかのようにアルミが声を張り上げた。
「音符さん!上!」
「上?ッ!?」
アルミに言われて上を見ると、そこにはとにかく大きなモンスターが天井に張り付いている姿があった。
「これは?蜘蛛か?」
このダンジョンのボスはジャイアントダートスパイダー。
とにかく大きな蜘蛛型のそのモンスターは、名前にダートが入っている通り、土を使って攻撃してくる。
室内を縦横無尽に駆け巡り、強力な攻撃を打ち出してくるそのモンスターは、討伐難易度が極めて高い。
しかし、相性次第では結構簡単に倒せたりする。
私は職業が双剣使いで、攻撃を当てるには、基本的には近くへ近づかないといけない。
このモンスターは天井にくっついたり壁にくっついたりと、とにかく動き回る。
私の職業とは相性が悪かった。
だが、音符猫とアルミの2人はどうだろう。
2人も職業は魔法使い。
とはいっても、アルミの方は支援系だから、あまり攻撃はできないかもしれない。
まあ、音符猫は単体でも相当強い部類に入るプレイヤーだ。
そこにアルミの強力な支援が加われば、こんなボスくらい軽々倒せるだろう。
そして、自分でいうのもなんだが、何かがあっても私がいるという安心感もあるのだ。
「よし、じゃあ早速戦ってみてね!」
「よし!行くよ!」
「はい!」
そう元気よく返事したアルミは、音符猫に向かって支援魔法をかけた。
かけた支援魔法は防御力増加、魔法攻撃力増加の2つ。
「ありがと!」
音符猫は腰のあたりについていた杖を両手で握り、ジャイアントダートスパイダーへ照準を合わせた。
「炎弾!」
そう詠唱すると、3つほどの火球が飛んで行き、相手の背中あたりに当たった。
このゲームにいて、基本的に魔法の詠唱はいらない。
しかし、詠唱をすると魔法の威力が上がる。
また、強力な魔法になってくると、詠唱が必ず必要になるものもある。
その詠唱というのは、全部暗記しないといけないのだから、魔法使いは大変だ。
「音符さん!あいつ落とします!」
「え?落とせるの!?」
「多分。とりあえずやってみます!!」
「了解!」
アルミの使う杖は非常に短めの物。
しかし、使われている素材が非常にレアな素材で、威力はそこらに売っている大きな杖よりも断然高い。
また、この杖を使うと支援系の魔法の威力が1割増加するらしい。
アルミはその杖を片手で軽く握った。
「重力を司る聖霊よ。我が元に集い、かの者を地へと引き付けろ。グラブニュート!」
アルミがそう唱えると、ジャイアントダートスパイダーの足元に大きな魔法陣ができ、あっという間に地面へと叩きつけられた。
彼女が発動したグラブニュートという魔法は、初級、中級、上級、超級とある中の上級で、相手にかかる重力を10倍に引き上げるというものである。
上級の中でも超級に近いレベルで強力だとされている魔法で、入手方法がいまだ確立していない魔法だ。
叩きつけられたジャイアントダートスパイダーは、腹を天に向け、足をパタパタともがいていた。
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