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55話目 バトルロワイアル⑰ メアリー
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ユウヒがものすごい速度で戦っているのが見える。
しかし、私は鍛冶関係以外のスキルを手に入れることはできない。
ユウヒと出会ってから、ユウヒパーティーを組むようになってから、私は少しでもユウヒについていけるよう、必死になって特訓をした。
体力をつけ、反射神経を鍛えて様々な人の動画を見たり自分の動きを動画に取ったりしながら研究を重ねた。
ようやくたどり着いたこの最後の試合。
ユウヒが努力をしてきたのは知っているし、私だってユウヒに負けないほど努力をした。
2人で決勝の座に立ちたい。
相手は侍と格闘家というあまり見ない組み合わせだ。
私は大剣使い。
弱い相手なら大剣でも2人以上の相手ができるのだが今回の相手は強い。
きっと大剣1本で裁くのは無理だろう。
ではどうするか。
簡単なことだ。
私は大剣使いだが、本職は鍛冶師である。
鍛冶師というのは大槌というハンマーのようなものを使うのだ。
しかもそれならスキルを獲得することができる。
大剣は両手のスロットを利用する。
大剣を持っている状態では大槌は装備できない。
「「大剣を捨てた!?」」
大剣を捨てる判断を取った。
私はアイテムボックスから大槌を取り出して二刀流のように装備する。
「さあ!!鍛冶師の実力見せてやるわ!!」
私の鍛冶師のレベルは100を超えている。
1発1発の重みは非常に強く、力加減をミスって練習用の鉄剣を破壊したことがあった。
しかし、今回は力加減なんて言うものは必要ないのだ。
私は本気で大槌を振るう。
私の振るった大槌は格闘家のメルの腕に当たり、ものすごい音を立てながら相手は吹っ飛んで行った。
私はすぐに後ろを向いて、裏を取ろうとしていた侍に蹴りを入れる。
それをぎりぎりで避けた侍のSakuraは大きく振りかぶって私に攻撃を仕掛ける。
私は力を横に逃がすようにして攻撃をかわした。
そうしている間にも後ろからメルが迫ってきている。
私は侍の腹のあたりを力強く蹴り、一気に方向転換してメルの方へ向かった。
走りながらSakuraに向かって左の大槌を投げた。
右の大槌をインベントリにしまって跳び蹴りを当てる。
左の足で着地して右足を大きく上に振り上げる。
その右足をメルはつかみ、大きく回転させるように私を投げる。
私は造形スキルを使って地面を盛り上げさせ、再びメルの方へアタックした。
その時に大槌をインベントリから取り出して右に装備、メルの胴体へ攻撃を加えた。
メルは私の手首を抑えてそれを止めた。
それを受けて私は大槌をインベントリに戻して、大剣を取り出した。
メルは少し距離を置いたのだが大剣は刃渡りが長いためにギリギリで攻撃が当たった。
大剣を後ろへ向かって飛ばしてSakuraをけん制する。
メルは私の頬に向かってパンチを与えに来たが、私はそれをよけ、足をすくうように蹴った。
メルのバランスが崩れたので相手の顔ほどの高さへ飛びあがり、一発蹴りを入れた。
すると、今まで様子をうかがっていたSakuraがやって来たので私は大槌を取り出す。
Sakuraは刀を軽く持ち直して、私を切りつける。
私はそれを左に軽く跳ねるようにして相手の攻撃をよけ、思いっきりの力を込めて日本刀を攻撃した。
日本刀は火花を上げ、途中から半分に折れた。
勝ったと思った。
その一瞬の甘えが命取りだったのかもしれない。
Sakuraは半歩右足を突き出し、私の服の左袖、そして右襟を掴んだ。
(これは!?)
そして足元に力を入れると、私のことを放り投げたのだ。
「背負い投げ!!」
相手の力強い声とともに私が地面に強く打ち付けられた音が響く。
『侍』という職業を見てこの可能性を考慮しておくべきだった。
侍と柔道は意外と関係が深いのだ。
私はここでやられるだろう。
けれど、私が落ちた後ユウヒの仕事を少しでも軽くするためには1人くらいは持っていきたい。
私は右腕に思いっきり力を入れて今、こちらに走ってきていた格闘家のメルに向かって大槌を投げた。
その瞬間、Sakuraは折れた剣の下半分を使って私の首を切り落としたのだった。
「ユウヒ、後は頼んだ!」
しかし、私は鍛冶関係以外のスキルを手に入れることはできない。
ユウヒと出会ってから、ユウヒパーティーを組むようになってから、私は少しでもユウヒについていけるよう、必死になって特訓をした。
体力をつけ、反射神経を鍛えて様々な人の動画を見たり自分の動きを動画に取ったりしながら研究を重ねた。
ようやくたどり着いたこの最後の試合。
ユウヒが努力をしてきたのは知っているし、私だってユウヒに負けないほど努力をした。
2人で決勝の座に立ちたい。
相手は侍と格闘家というあまり見ない組み合わせだ。
私は大剣使い。
弱い相手なら大剣でも2人以上の相手ができるのだが今回の相手は強い。
きっと大剣1本で裁くのは無理だろう。
ではどうするか。
簡単なことだ。
私は大剣使いだが、本職は鍛冶師である。
鍛冶師というのは大槌というハンマーのようなものを使うのだ。
しかもそれならスキルを獲得することができる。
大剣は両手のスロットを利用する。
大剣を持っている状態では大槌は装備できない。
「「大剣を捨てた!?」」
大剣を捨てる判断を取った。
私はアイテムボックスから大槌を取り出して二刀流のように装備する。
「さあ!!鍛冶師の実力見せてやるわ!!」
私の鍛冶師のレベルは100を超えている。
1発1発の重みは非常に強く、力加減をミスって練習用の鉄剣を破壊したことがあった。
しかし、今回は力加減なんて言うものは必要ないのだ。
私は本気で大槌を振るう。
私の振るった大槌は格闘家のメルの腕に当たり、ものすごい音を立てながら相手は吹っ飛んで行った。
私はすぐに後ろを向いて、裏を取ろうとしていた侍に蹴りを入れる。
それをぎりぎりで避けた侍のSakuraは大きく振りかぶって私に攻撃を仕掛ける。
私は力を横に逃がすようにして攻撃をかわした。
そうしている間にも後ろからメルが迫ってきている。
私は侍の腹のあたりを力強く蹴り、一気に方向転換してメルの方へ向かった。
走りながらSakuraに向かって左の大槌を投げた。
右の大槌をインベントリにしまって跳び蹴りを当てる。
左の足で着地して右足を大きく上に振り上げる。
その右足をメルはつかみ、大きく回転させるように私を投げる。
私は造形スキルを使って地面を盛り上げさせ、再びメルの方へアタックした。
その時に大槌をインベントリから取り出して右に装備、メルの胴体へ攻撃を加えた。
メルは私の手首を抑えてそれを止めた。
それを受けて私は大槌をインベントリに戻して、大剣を取り出した。
メルは少し距離を置いたのだが大剣は刃渡りが長いためにギリギリで攻撃が当たった。
大剣を後ろへ向かって飛ばしてSakuraをけん制する。
メルは私の頬に向かってパンチを与えに来たが、私はそれをよけ、足をすくうように蹴った。
メルのバランスが崩れたので相手の顔ほどの高さへ飛びあがり、一発蹴りを入れた。
すると、今まで様子をうかがっていたSakuraがやって来たので私は大槌を取り出す。
Sakuraは刀を軽く持ち直して、私を切りつける。
私はそれを左に軽く跳ねるようにして相手の攻撃をよけ、思いっきりの力を込めて日本刀を攻撃した。
日本刀は火花を上げ、途中から半分に折れた。
勝ったと思った。
その一瞬の甘えが命取りだったのかもしれない。
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そして足元に力を入れると、私のことを放り投げたのだ。
「背負い投げ!!」
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侍と柔道は意外と関係が深いのだ。
私はここでやられるだろう。
けれど、私が落ちた後ユウヒの仕事を少しでも軽くするためには1人くらいは持っていきたい。
私は右腕に思いっきり力を入れて今、こちらに走ってきていた格闘家のメルに向かって大槌を投げた。
その瞬間、Sakuraは折れた剣の下半分を使って私の首を切り落としたのだった。
「ユウヒ、後は頼んだ!」
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