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50話目 バトルロワイアル⑫ 朝日とディオメーデース
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本当にパーティー数が少なくなった。
私たちはあの後もう1日あの穴内で過ごしたのだが、その間にパーティーは私たちを含めて10個まで減った。
残り10個になったということで、一気にフィールドは縮まり、私たちが居るここ、草原の真ん中が最終決戦地となるようだ。
「どうする?まだ籠っとく?そっちのほうが勝つ確率はぐんと上がるだろうけど。」
「いや、出よう。さすがにそれは私のプライドが許さないし、これで勝ったとしても批判が集まるだけでしょう。」
「ユウヒならそういうと思った。出ようか。」
そういって私たちは穴から出ることにした。
今の時刻は午前5時で、ほかのパーティーはまだ動き始めていないだろう。
基本的に私たちは日が昇ってから少し時間がたったころにいつも動き始めていた。
このイベント中で最も早いスタートだ。
「おぉ……。」
遠くの山脈から登ってくる朝日は、これがゲームであるとわかっていても思わず声が漏れてしまうほどに美しかった。
昨晩は雨が降ったのだろう。
あたりはうっすらと霧に覆われていて、葉についている水滴が朝日を反射し、幻想的な雰囲気が醸し出されている。
一昨日のこともあって、心にあった錘が一気に外れた私には、その光景はさらに美しく見えた。
「んっ~~!はぁっ!」
私は深呼吸をしながらゆっくりと伸びをする。
それを真似するかのようにメアリーも伸びをし、私を見た。
私たちは顔を見合わせて笑った。
きっと今日でイベントの優勝チームが決まるのだろう。
初めのほうは不安だった。
しかし、今の私たちには不安なんてものは一切ない。
私たちなら優勝できる。
ただそれだけだ。
「メアリー、この後どうする?」
「そうだね、もうここで待機する感じでいいと思う。無理に動かなくても敵はやってくるでしょう。」
その言葉の通り、10分ほどたったころにパーティーが現れた。
「ゲッ、よりにもよってSunsetかよ。今の状態にピッタリじゃねえか。」
こうして私たちのチーム名を少しいじりながらやって来たのはチーム「ディオメーデース」だ。
ディオメーデースとはギリシャ神話における戦いの神アレースに勝利したといわれている人間の名前だ。
その言葉の通り、このチームは今まで危なげなく戦いを勝ち抜いており、パーティーキル数においては私たちに次ぐ3位となっている。
「いくら第1回優勝者だとしても4対2だ。負けるわけはないわな。」
「言ってくれるじゃない。私たちに勝てるとでも?」
「へっ、余裕だね。行くぞお前ら!」
……、
リーダーがかっこよく試合へ流れを運んだと思ったのだが、呼びかけてもパーティーメンバーは動かない。
「い、行くぞ!おい!何やってるんだ!」
「あ、あの!ユウヒさん!私ユウヒさんのファンなんです!!握手してください!!」
「「「は?」」」
あまりに突然のこと過ぎて心の底声が出てしまった。
なに?ファンだ?
「ちょ、ちょっとまてよヤム!今はそんなこと言っている場合じゃ……」
「なによそんなことって!あんたも私がユウヒさんのことが好きなこと、いや!愛していることを知っているでしょう!」
「いや、知ってるけど……、ちょっと!お前らもなんか言ってやってくれ!!」
「「僕とも握手してください!!」」
「はぁぁぁああ!?」
「ユウヒ、あんた人気者だね。」
「あ、あはは……。」
「ごめんなお前ら。前言撤回だ。全然余裕じゃなかった。」
同情するよ。
とりあえず一通り握手をし、気が済んだようだったのでちゃんと試合が始まった。
相手は私と握手ができたことによって士気が向上、やる気満々である。
しかし、どうやらそのやる気は私へと向いているわけではなく、私とペアを組んでいるメアリーに対する嫉妬と混じり、メアリーのほうに向いているようであった。
リーダー対私、メアリー対3人ということになった。
私たちはあの後もう1日あの穴内で過ごしたのだが、その間にパーティーは私たちを含めて10個まで減った。
残り10個になったということで、一気にフィールドは縮まり、私たちが居るここ、草原の真ん中が最終決戦地となるようだ。
「どうする?まだ籠っとく?そっちのほうが勝つ確率はぐんと上がるだろうけど。」
「いや、出よう。さすがにそれは私のプライドが許さないし、これで勝ったとしても批判が集まるだけでしょう。」
「ユウヒならそういうと思った。出ようか。」
そういって私たちは穴から出ることにした。
今の時刻は午前5時で、ほかのパーティーはまだ動き始めていないだろう。
基本的に私たちは日が昇ってから少し時間がたったころにいつも動き始めていた。
このイベント中で最も早いスタートだ。
「おぉ……。」
遠くの山脈から登ってくる朝日は、これがゲームであるとわかっていても思わず声が漏れてしまうほどに美しかった。
昨晩は雨が降ったのだろう。
あたりはうっすらと霧に覆われていて、葉についている水滴が朝日を反射し、幻想的な雰囲気が醸し出されている。
一昨日のこともあって、心にあった錘が一気に外れた私には、その光景はさらに美しく見えた。
「んっ~~!はぁっ!」
私は深呼吸をしながらゆっくりと伸びをする。
それを真似するかのようにメアリーも伸びをし、私を見た。
私たちは顔を見合わせて笑った。
きっと今日でイベントの優勝チームが決まるのだろう。
初めのほうは不安だった。
しかし、今の私たちには不安なんてものは一切ない。
私たちなら優勝できる。
ただそれだけだ。
「メアリー、この後どうする?」
「そうだね、もうここで待機する感じでいいと思う。無理に動かなくても敵はやってくるでしょう。」
その言葉の通り、10分ほどたったころにパーティーが現れた。
「ゲッ、よりにもよってSunsetかよ。今の状態にピッタリじゃねえか。」
こうして私たちのチーム名を少しいじりながらやって来たのはチーム「ディオメーデース」だ。
ディオメーデースとはギリシャ神話における戦いの神アレースに勝利したといわれている人間の名前だ。
その言葉の通り、このチームは今まで危なげなく戦いを勝ち抜いており、パーティーキル数においては私たちに次ぐ3位となっている。
「いくら第1回優勝者だとしても4対2だ。負けるわけはないわな。」
「言ってくれるじゃない。私たちに勝てるとでも?」
「へっ、余裕だね。行くぞお前ら!」
……、
リーダーがかっこよく試合へ流れを運んだと思ったのだが、呼びかけてもパーティーメンバーは動かない。
「い、行くぞ!おい!何やってるんだ!」
「あ、あの!ユウヒさん!私ユウヒさんのファンなんです!!握手してください!!」
「「「は?」」」
あまりに突然のこと過ぎて心の底声が出てしまった。
なに?ファンだ?
「ちょ、ちょっとまてよヤム!今はそんなこと言っている場合じゃ……」
「なによそんなことって!あんたも私がユウヒさんのことが好きなこと、いや!愛していることを知っているでしょう!」
「いや、知ってるけど……、ちょっと!お前らもなんか言ってやってくれ!!」
「「僕とも握手してください!!」」
「はぁぁぁああ!?」
「ユウヒ、あんた人気者だね。」
「あ、あはは……。」
「ごめんなお前ら。前言撤回だ。全然余裕じゃなかった。」
同情するよ。
とりあえず一通り握手をし、気が済んだようだったのでちゃんと試合が始まった。
相手は私と握手ができたことによって士気が向上、やる気満々である。
しかし、どうやらそのやる気は私へと向いているわけではなく、私とペアを組んでいるメアリーに対する嫉妬と混じり、メアリーのほうに向いているようであった。
リーダー対私、メアリー対3人ということになった。
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