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48話目 バトルロワイアル⑩ 休息と公式配信
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「さっきの戦いで結構疲れたわ。ちょっとここらへんで休憩したいかも。」
まだ今日の行動を開始してから2時間ほどしかたっていないのだが、すでに私たちの体力や精神力はかなり削られている。
先ほどの戦いはこれほどまでに精神を擦り減らす熱い戦いだったのだ。
「そうね。私も結構疲れてきたから休もうか。」
さすがに草原には洞窟は本当に存在しないので造形を使って地面に穴を掘る。
穴を掘りながら「初日とかにも普通にこうやってやればよかったじゃん。」って思ったのだが、口には出さないでおいた。
多分メアリーも同じこと思っているんだろうな。
私たちは2人が入っても狭くないほどの広さの穴を掘って、ふたをするように造形で上をふさいだ。
私たちの造形では草を生やすことができず、この草原では目立ってしまうので大きめの岩を作って置いておいた。
これで違和感はないはずだ。
「疲れたね。」
「ほんとね。正直初めのほう隠れてなかったら負けてたかもしれないわ。」
まったくその通りだと思った。
こういうイベントでは体力をできるだけ温存しておくのが大切なのだと身を持って感じた。
「ユウヒ、武器出して。」
「ん?なんで?。」
ぼーっと天井の隅っこを見つめていたらメアリーが声をかけてきた。
「ちょっとしたメンテナンスだよ。」
どうやら先ほどの戦いで少し傷がついた武器を直してくれるみたいだ。
そういえばメアリーの本職は鍛冶師だった。
私たちの洞穴に、やすり掛けの音が響き渡る。
すると、突然私たちの近くにカメラのようなものが出現した。
「あ!配信カメラだ。何でこんなところに?」
これは配信カメラで、このゲームの公式配信の映像配信用カメラだ。
つまり、今私たちは公式配信に乗っているということだ。
「なんでこんなところに来たんだろう。普通は対戦しているところへ行くのでは?」
「なんか注目チーム紹介みたいな感じで飛んで来たんじゃない?」
「じゃあとりあえずピースでもしとこうよ!」
そういって私はメアリーに抱き着いてカメラに向かってピースをする。
「ちょ、ちょっと!私今あなたの武器を研いでいるのだけど!!」
「いいからいいから!メアリーも、ピース!」
「えぇ……、まあいいけど。」
そういうとメアリーもぎこちなく左手でピースを作る。
のちにこのゲームにおいて伝説のワンシーンと言われるのだが……、まあ今はいいだろう。
「ということで、各所で発生していた戦いも落ち着いてきたところで、注目パーティーの今を見ていきましょう。残念ながらストリーマーズは敗退してしまいましたので、labyrinthとSunsetの2チームを紹介していきます。ではまずはlabyrinthから。」
そうして公式配信のカメラは1回目大会の上位勢のみで作られたパーティー、labyrinthの様子を映す。
「これは、今は森の中を歩いているようです。」
どうやら1試合終えて今は森の中をゆっくり歩いているようだ。
10分前に公式配信に映っていた試合で、圧勝で相手をなぎ倒す姿はファンを大いに盛り上がらせた。
「解説の御座衛門さん、今このパーティーはどういった状況でしょうか。」
「はい、先ほど配信にも映っておりました試合を終えて、現在エリアにもすでに入っていますので、とりあえず探索している。といった感じではないでしょうか。」
「はい、そうですね。labyrinthは今のイベント最多のキル数を誇っているチームで1人もかけることなく、この最終局面までやってきております!残りパーティー数は100を切っている今、この後どのように行動するのか注目ですね。」
「そうですね。割とアグレッシブに動いていましたから体力的な面では少し心配ですが、圧倒的な実力は見ていて非常に面白いですね。」
「はい。ありがとうございます。では次のパーティー、Sunsetを紹介します!現在、残っているパーティーは初めから4人だったパーティーがほとんどで、初めから2人だったパーティーとしては唯一生き残っているパーティーです。では、カメラで映していきます。」
すると、カメラは洞窟の中を映した。
「これは……、洞窟?ですかね。いや、出口がないので地面に穴を掘ったのでしょうか。」
「そのようですね。先ほどのsyamoさんとの戦いでそこそこ疲弊したでしょうから、今は休んでいるといった感じでしょうか。」
「そうですね。いや~、このチーム非常に面白いですね。武器の修理をしていますよ!このイベント中に武器の修理というのはほかのパーティーではあまり見ないでしょう!」
あまりにイベントの内容と会っていない武器修理という映像が出ているため配信を見ていたプレイヤーから思わず笑みがこぼれる。
なぜかほのぼのしているのだ。
「初めのほうはパーティー数が減るまで洞窟に身を潜めていましたが、3日目あたりから一気に殺戮を開始、今ではキル数がlabyrinthに次いで2位になっています。2人のパーティーで、しかも2日を洞窟で過ごしていたのですが、この成績はやはり素晴らしいものですよね。」
「はい。やはりそのようにたくさん戦っていると武器も傷んできますからね。メアリー選手は本職鍛冶師ですので、しかも相当腕利きの鍛冶師です。このような場面でも修理できるのですね。」
「いやー、素晴らしいですね。」
すると、画面の中のユウヒはどうやらこのカメラに気が付いたようだ。
「お、カメラに気が付いたようですね!お!おおっ!!」
すると、突然ユウヒはメアリーに抱き着いてピースを送る。
突然始まった百合シーンに見ていたプレイヤーたちから大きな歓声が上がる。
この映像はあっという間に切り抜かれ、拡散された。
SNSのトレンドにはSunsetというパーティー名と、ユウヒ、メアリー両選手の名前、そして極上百合という単語が上がった。
まだ今日の行動を開始してから2時間ほどしかたっていないのだが、すでに私たちの体力や精神力はかなり削られている。
先ほどの戦いはこれほどまでに精神を擦り減らす熱い戦いだったのだ。
「そうね。私も結構疲れてきたから休もうか。」
さすがに草原には洞窟は本当に存在しないので造形を使って地面に穴を掘る。
穴を掘りながら「初日とかにも普通にこうやってやればよかったじゃん。」って思ったのだが、口には出さないでおいた。
多分メアリーも同じこと思っているんだろうな。
私たちは2人が入っても狭くないほどの広さの穴を掘って、ふたをするように造形で上をふさいだ。
私たちの造形では草を生やすことができず、この草原では目立ってしまうので大きめの岩を作って置いておいた。
これで違和感はないはずだ。
「疲れたね。」
「ほんとね。正直初めのほう隠れてなかったら負けてたかもしれないわ。」
まったくその通りだと思った。
こういうイベントでは体力をできるだけ温存しておくのが大切なのだと身を持って感じた。
「ユウヒ、武器出して。」
「ん?なんで?。」
ぼーっと天井の隅っこを見つめていたらメアリーが声をかけてきた。
「ちょっとしたメンテナンスだよ。」
どうやら先ほどの戦いで少し傷がついた武器を直してくれるみたいだ。
そういえばメアリーの本職は鍛冶師だった。
私たちの洞穴に、やすり掛けの音が響き渡る。
すると、突然私たちの近くにカメラのようなものが出現した。
「あ!配信カメラだ。何でこんなところに?」
これは配信カメラで、このゲームの公式配信の映像配信用カメラだ。
つまり、今私たちは公式配信に乗っているということだ。
「なんでこんなところに来たんだろう。普通は対戦しているところへ行くのでは?」
「なんか注目チーム紹介みたいな感じで飛んで来たんじゃない?」
「じゃあとりあえずピースでもしとこうよ!」
そういって私はメアリーに抱き着いてカメラに向かってピースをする。
「ちょ、ちょっと!私今あなたの武器を研いでいるのだけど!!」
「いいからいいから!メアリーも、ピース!」
「えぇ……、まあいいけど。」
そういうとメアリーもぎこちなく左手でピースを作る。
のちにこのゲームにおいて伝説のワンシーンと言われるのだが……、まあ今はいいだろう。
「ということで、各所で発生していた戦いも落ち着いてきたところで、注目パーティーの今を見ていきましょう。残念ながらストリーマーズは敗退してしまいましたので、labyrinthとSunsetの2チームを紹介していきます。ではまずはlabyrinthから。」
そうして公式配信のカメラは1回目大会の上位勢のみで作られたパーティー、labyrinthの様子を映す。
「これは、今は森の中を歩いているようです。」
どうやら1試合終えて今は森の中をゆっくり歩いているようだ。
10分前に公式配信に映っていた試合で、圧勝で相手をなぎ倒す姿はファンを大いに盛り上がらせた。
「解説の御座衛門さん、今このパーティーはどういった状況でしょうか。」
「はい、先ほど配信にも映っておりました試合を終えて、現在エリアにもすでに入っていますので、とりあえず探索している。といった感じではないでしょうか。」
「はい、そうですね。labyrinthは今のイベント最多のキル数を誇っているチームで1人もかけることなく、この最終局面までやってきております!残りパーティー数は100を切っている今、この後どのように行動するのか注目ですね。」
「そうですね。割とアグレッシブに動いていましたから体力的な面では少し心配ですが、圧倒的な実力は見ていて非常に面白いですね。」
「はい。ありがとうございます。では次のパーティー、Sunsetを紹介します!現在、残っているパーティーは初めから4人だったパーティーがほとんどで、初めから2人だったパーティーとしては唯一生き残っているパーティーです。では、カメラで映していきます。」
すると、カメラは洞窟の中を映した。
「これは……、洞窟?ですかね。いや、出口がないので地面に穴を掘ったのでしょうか。」
「そのようですね。先ほどのsyamoさんとの戦いでそこそこ疲弊したでしょうから、今は休んでいるといった感じでしょうか。」
「そうですね。いや~、このチーム非常に面白いですね。武器の修理をしていますよ!このイベント中に武器の修理というのはほかのパーティーではあまり見ないでしょう!」
あまりにイベントの内容と会っていない武器修理という映像が出ているため配信を見ていたプレイヤーから思わず笑みがこぼれる。
なぜかほのぼのしているのだ。
「初めのほうはパーティー数が減るまで洞窟に身を潜めていましたが、3日目あたりから一気に殺戮を開始、今ではキル数がlabyrinthに次いで2位になっています。2人のパーティーで、しかも2日を洞窟で過ごしていたのですが、この成績はやはり素晴らしいものですよね。」
「はい。やはりそのようにたくさん戦っていると武器も傷んできますからね。メアリー選手は本職鍛冶師ですので、しかも相当腕利きの鍛冶師です。このような場面でも修理できるのですね。」
「いやー、素晴らしいですね。」
すると、画面の中のユウヒはどうやらこのカメラに気が付いたようだ。
「お、カメラに気が付いたようですね!お!おおっ!!」
すると、突然ユウヒはメアリーに抱き着いてピースを送る。
突然始まった百合シーンに見ていたプレイヤーたちから大きな歓声が上がる。
この映像はあっという間に切り抜かれ、拡散された。
SNSのトレンドにはSunsetというパーティー名と、ユウヒ、メアリー両選手の名前、そして極上百合という単語が上がった。
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