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27話目 TFT②

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「はぁ、バラのように美しい君を見ていると思わずため息が出てしまう。」

キランッ、と効果音が鳴りそうな男が次の対戦相手だ。

口に赤いバラ加えてる人初めて見たよ。

しゃべりにくくないのかな……。

「チッ!あぁ!これしゃべりにくい!!」

今舌打ちしたよね!?

しかもバラ投げたし!!

やっぱしゃべりにくいんじゃん!!

投げ捨てるなら初めからしなければいいのに!!

「俺はね!優勝を目指しているんだ!こんなところでお前みたいなガキンチョに負けるわけにはいかないんだ。」

……。

「投げナイフ」

「ギャー!」

弱かった。



「投げナイフ」

「投げナイフ」

「投げナイフ」



いやみんな弱すぎだろ……。

なんか気が付いたら6試合目まで来ちゃったよ私……。

なんかさ、もっとこうスキルを組み合わせてがつがつ戦う感じを私は予想していたの!

何ならそれを楽しみにしていたまであるのに。

すべて投げナイフで1発!!

弱すぎるって!!!

始めに戦ったおじさん強かったんだな。

ちょっと見直した。

でも多分次の対戦相手は大丈夫。

試合見てた感じ相当強そうだしいい感じに戦えると思う。



「まったく、弱くないか?対戦相手。」

え!同感です!!

「そう!!わかります!!1層のモンスターみたいな弱さしてますよね!」

「おお!嬢ちゃんわかってるじゃないか!!」

「本当の戦いを客どもに見せてやりましょうよ!!」

「おう!」

この試合は楽しくなりそうだ!!



相手の武器は片手剣。

まあよくあるタイプのプレイヤーだと思う。

正直片手剣タイプのプレイヤーはここまで5人戦ったうちの3人だった。

マジで数が多いんだなと思う。

でもこの人と向かい合ってみてわかる。

確かにこいつは強いだろう。

でもあくまで今まで戦った5人よりも強いってだけ。

正直メアリーが大剣持った時のほうが強そうなオーラ出てるから私の敵でもないと思うんだよね。

まあでも油断はせずにやっていきます。

相手の格好がすごく軽そうなので結構素早く動き回る感じかなと思う。

だからここは私が相手よりもっと早く動き回ってこの場の主導権を握る。

超加速、跳躍、空中ジャンプを組み合わせて相手の周りを飛び回る。

(ここだ!)

一瞬の隙を見つけて一気に相手の懐へ飛び込む。

カキーーーーーーーーンッ!!!

あたりに甲高い金属音が鳴り響く。

(ほほぉ……、防いだぞこいつ!!)

見事に私の攻撃を防いだのだ。

「あんたなかなかやるね。」

「俺結構素早さで押す感じだったんだけど俺の素早さじゃちょっとついていけないよ。だから完全に受けに入っただけ。正直片手剣使いとしては失格レベルかな。」

まあでも私も結構力を入れて攻撃したのでそれを止められただけで相当すごいと思う。

「嬢ちゃんは本気を出さないの?」

「え?」

「もう片方の剣、抜いたら?」

私は今の攻撃を2本の剣ではやっていない。

速さに全振りするために抜いてなかったんだけど、多分もう1回同じことをしても攻撃は防がれると思う。

「わかった。抜くね。」

私がもう1つの剣を引き抜こうとしたその瞬間、一気に相手がこちらに飛び込んできた。

まあ正直予想はできてた。

なので引き抜いたもう1つの剣と合わせて2つの剣で対応する。

それにしても相手の剣は結構早い。

片手剣でそこまでのスピードを出すのには相当苦労しただろう。

さすがに私はプレイ時間が相当長い双剣使いだからさばけるが、あまりやりこんでいない双剣使いくらいだったら速度は余裕で越えられるだろう。

「おい、あれ見えるか?」

「いや、見えないな。どっちも剣が早すぎる。」

観客から見るともう何が起こっているかわからない。

ひたすらに腕を振る2人は見えているのだが早すぎて剣の動きが追えないのだ。

会場にはひたすらに剣が合わさる音が響く。



「おっ、攻撃が止んだぞ!」

その瞬間、会場は大きな歓声に包まれた。

「この接戦を制したのは!ユウヒ!!!」
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