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23話目 巻物
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「おう嬢ちゃんおかえり。原因はわかったか?」
「はい、わかりました。近いうちに風は止むと思いますよ。」
「そうかそうか!それは安心だ。ありがとう。」
『クエストが完了しました。』
お、出た出た。
正直結構簡単なクエストだったな。
なんかドラゴンとかが出てきて退治するとかギミックを解いて風を止めるとかそういう感じのやつを想定していたからなぁ。
まあ楽だったからいいか。
「嬢ちゃん、よかったらこれを持って行ってくれ。」
「はい。ありがとうございます!」
そういっておじさんから渡されたのは多分お金が入った袋と巻物だった。
「その巻物拾ったんだけど使い道がわからないから持ってってくれ。」
お!?これは強いスキルの予感がする!!
「ありがとうございます!!!」
そうして私はうっきうきで元オアシスを後にした。
ちなみに強風は2日後には止み、オアシスにも少しずつ水が戻っていってるらしい。
「さて!この巻物はなんだろな。」
私はアイテムボックスから巻物を取り出す。
「って!どうしてうちの店でやるんだ!!」
「あ、ごめんごめん。私プレイヤーホーム持ってないからちょうどいいところがなくて!」
プレイヤーホームとはお金を払うと買うことができる家だ。
結構上位のプレイヤーだったら持ってる人も多いけど私は買ってない。
こういう時に頼りになる建物が既に存在するからだ。
その名は『メアリー武具店』。
あの1層攻略者の1人が運営している素晴らしき武器屋である。
実際名前がホームページに載ってから客足が伸びているらしく、本人は「大儲け大儲け!ウヒヒ~!!」と大盛り上がりである。
「で、今日はどんな用なの?」
メアリーは不機嫌そうな顔で言うが声のトーンは完全にうれしそうなトーンをしている。
隠しきれていない。かわいいな。
「2層でクエストを受けてクリアしたんだけどその報酬に巻物をもらったの。多分スキルだろうから開けようと思ったんだけどちょうどいい場所がなくてここに来たんだ。」
「ふ~ん。中身は言われてないってことね?」
「うん。多分1回しか発生しないクエストだと思うから相当いいスキルが入ってると思うんだけど……。」
すると興味を持ったのかメアリーがこっちによって来た。
「ちょっと私にも見せて。」
「いいよ~。じゃあ開けるからね。」
巻物を開けた瞬間スキル取得の音声が流れた。
「スキル『造形』を獲得しました。」
「なんか造形っていうスキルらしい。」
「造形?なんか作るってことかな。」
多分あってるだろう。
名前的には何かを形作るスキルだと思う。
「ちょっと確認してみるね。」
そういって私はスキルスロットからスキルの効果を見てみる。
造形:物体を操り形を作るスキル。
「物体を操り形を作るスキルって書いてあるんだけどどういうことだ?」
「あれじゃない?地形をいじって柱を出したりとかできるみたいな?」
「あ~、ちょっとやって見ていい?」
「え?ちょ、ほどほどにお願いね。」
許可は得たので少し使ってみることにします。
まあ一般の客が入れるスペースにやったらそれこそほんとに迷惑になっちゃうので裏のほうに移動する。
裏の普段メアリーが作業をするスペースの床はよくある土間スペースみたいな石の床になっているので多分フィールドと同じ効果が出るでしょう。
多分作りたいものをイメージして発動するとそれができるみたいな感じだと思うので小さな柱をイメージしてみる。
「造形」
実際にスキルを発動してみると地面が盛り上がって小さな柱ができた。
「「おぉ。」」
これもっと大きくしたらめちゃくちゃ使えるかもしれない。
「これもっと大きくしたらめちゃくちゃ使えそうだね。」
「うんメアリー、今私も同じこと考えてた。」
「あ、そう?なんか嫌だわ。私もユウヒと同レベルってこと?」
「ちょっ、何それ失礼な!」
「フッ、冗談よ。」
なんか嘲笑われた気がしてちょっと悔しい。
「なんか檻みたいなのをイメージしたらモンスターを捕まえられるんじゃない?」
「おお!!それはいい!!ちょっと実際にやってみる。」
檻を正確にイメージして「造形」と唱える。
すると地面がみるみる盛り上がって檻ができた。
「ちょっとユウヒ!なんで私を閉じ込めるの!」
「うへへ~、できたできた!メアリー??出してほしい??」
「は?早く出しなさいよ。」
おおっ……、ちょっと私今命の危険感じたんだけど……。
なんか空気が一瞬で冷え切ったぞ。
「あ、えっと……、マジすんませんでした。」
「はぁ。まあいいわ。」
するとメアリーはにやりと笑ってある言葉を口にした。
「造形」
!?!?!?
「え?????どういうこと?あんた持ってたの??」
私の周りの地面がみるみる盛り上がっていつの間にか私は檻の中に入れられてしまった。
「アハハハハッ!!無様ねユウヒ!!!」
「おいここから出せ!!!てかなんで持ってるんだ!!!」
「なんかさっきユウヒが巻物開けた時私もスキル取得したんだよ。多分一緒に見てたからじゃないかな。」
「クッソ。早くここから出してくれ!!」
「あ!私仕事思いだした!!また後でね!!」
「えっ!ちょっとメアリー!!」
私が解放されたのはその日の夜だった。
「ユウヒごめんよ。」
「もうメアリーなんて知らないから!!」
「はいはい。私が悪かったです。ていうか普通にワープ機能で町の中心戻ればよかったのに。」
「あっ……。」
「はい、わかりました。近いうちに風は止むと思いますよ。」
「そうかそうか!それは安心だ。ありがとう。」
『クエストが完了しました。』
お、出た出た。
正直結構簡単なクエストだったな。
なんかドラゴンとかが出てきて退治するとかギミックを解いて風を止めるとかそういう感じのやつを想定していたからなぁ。
まあ楽だったからいいか。
「嬢ちゃん、よかったらこれを持って行ってくれ。」
「はい。ありがとうございます!」
そういっておじさんから渡されたのは多分お金が入った袋と巻物だった。
「その巻物拾ったんだけど使い道がわからないから持ってってくれ。」
お!?これは強いスキルの予感がする!!
「ありがとうございます!!!」
そうして私はうっきうきで元オアシスを後にした。
ちなみに強風は2日後には止み、オアシスにも少しずつ水が戻っていってるらしい。
「さて!この巻物はなんだろな。」
私はアイテムボックスから巻物を取り出す。
「って!どうしてうちの店でやるんだ!!」
「あ、ごめんごめん。私プレイヤーホーム持ってないからちょうどいいところがなくて!」
プレイヤーホームとはお金を払うと買うことができる家だ。
結構上位のプレイヤーだったら持ってる人も多いけど私は買ってない。
こういう時に頼りになる建物が既に存在するからだ。
その名は『メアリー武具店』。
あの1層攻略者の1人が運営している素晴らしき武器屋である。
実際名前がホームページに載ってから客足が伸びているらしく、本人は「大儲け大儲け!ウヒヒ~!!」と大盛り上がりである。
「で、今日はどんな用なの?」
メアリーは不機嫌そうな顔で言うが声のトーンは完全にうれしそうなトーンをしている。
隠しきれていない。かわいいな。
「2層でクエストを受けてクリアしたんだけどその報酬に巻物をもらったの。多分スキルだろうから開けようと思ったんだけどちょうどいい場所がなくてここに来たんだ。」
「ふ~ん。中身は言われてないってことね?」
「うん。多分1回しか発生しないクエストだと思うから相当いいスキルが入ってると思うんだけど……。」
すると興味を持ったのかメアリーがこっちによって来た。
「ちょっと私にも見せて。」
「いいよ~。じゃあ開けるからね。」
巻物を開けた瞬間スキル取得の音声が流れた。
「スキル『造形』を獲得しました。」
「なんか造形っていうスキルらしい。」
「造形?なんか作るってことかな。」
多分あってるだろう。
名前的には何かを形作るスキルだと思う。
「ちょっと確認してみるね。」
そういって私はスキルスロットからスキルの効果を見てみる。
造形:物体を操り形を作るスキル。
「物体を操り形を作るスキルって書いてあるんだけどどういうことだ?」
「あれじゃない?地形をいじって柱を出したりとかできるみたいな?」
「あ~、ちょっとやって見ていい?」
「え?ちょ、ほどほどにお願いね。」
許可は得たので少し使ってみることにします。
まあ一般の客が入れるスペースにやったらそれこそほんとに迷惑になっちゃうので裏のほうに移動する。
裏の普段メアリーが作業をするスペースの床はよくある土間スペースみたいな石の床になっているので多分フィールドと同じ効果が出るでしょう。
多分作りたいものをイメージして発動するとそれができるみたいな感じだと思うので小さな柱をイメージしてみる。
「造形」
実際にスキルを発動してみると地面が盛り上がって小さな柱ができた。
「「おぉ。」」
これもっと大きくしたらめちゃくちゃ使えるかもしれない。
「これもっと大きくしたらめちゃくちゃ使えそうだね。」
「うんメアリー、今私も同じこと考えてた。」
「あ、そう?なんか嫌だわ。私もユウヒと同レベルってこと?」
「ちょっ、何それ失礼な!」
「フッ、冗談よ。」
なんか嘲笑われた気がしてちょっと悔しい。
「なんか檻みたいなのをイメージしたらモンスターを捕まえられるんじゃない?」
「おお!!それはいい!!ちょっと実際にやってみる。」
檻を正確にイメージして「造形」と唱える。
すると地面がみるみる盛り上がって檻ができた。
「ちょっとユウヒ!なんで私を閉じ込めるの!」
「うへへ~、できたできた!メアリー??出してほしい??」
「は?早く出しなさいよ。」
おおっ……、ちょっと私今命の危険感じたんだけど……。
なんか空気が一瞬で冷え切ったぞ。
「あ、えっと……、マジすんませんでした。」
「はぁ。まあいいわ。」
するとメアリーはにやりと笑ってある言葉を口にした。
「造形」
!?!?!?
「え?????どういうこと?あんた持ってたの??」
私の周りの地面がみるみる盛り上がっていつの間にか私は檻の中に入れられてしまった。
「アハハハハッ!!無様ねユウヒ!!!」
「おいここから出せ!!!てかなんで持ってるんだ!!!」
「なんかさっきユウヒが巻物開けた時私もスキル取得したんだよ。多分一緒に見てたからじゃないかな。」
「クッソ。早くここから出してくれ!!」
「あ!私仕事思いだした!!また後でね!!」
「えっ!ちょっとメアリー!!」
私が解放されたのはその日の夜だった。
「ユウヒごめんよ。」
「もうメアリーなんて知らないから!!」
「はいはい。私が悪かったです。ていうか普通にワープ機能で町の中心戻ればよかったのに。」
「あっ……。」
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