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2話目 体力作り

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2日目、今日はゲーム内ではあるのだが、少し運動をすることにした。

ゲームの為、多少の補助はあるのだが、プレイヤースキルと呼ばれる、プレイヤーが元から持っている能力を主に身体能力は決定されていくため、私にとってはなかなかに厳しいものがある。

ひとまず、走る練習をする。

昨日は戦闘中に盛大に転んでしまった。

敵が弱かったために何とかなったものの、今後は敵が強くなってくるだろう。

その時に転んでいては死んでしまう。

「よし、ちょっとランニングでもしてみるか。」

私は村の中をグルッと一周、ランニングすることにした。

「えっほ、えっほ!」

大きく腕を振りながら、右足、左足とハイペースで出していたのだが、少し走っただけで息が上がってしまった。

「これ、体力も現実依存なのか……。」

体力は大丈夫だと思っていたのだが、どうやらその考えは甘かったらしい。

私はリアルでずっと入院し、1日のほとんどの時間をベッドの上で過ごしている。

つまり、ほとんど動かないのだ。

そのため、通常人間が備えている筋力は衰えに衰えまくっており、体力は絶望的である。

「これ、初期値低いランキングナンバーワンなのでは?」

しかし、ゲーム内で運動をしていれば体力は伸びていくだろう。

それに関してはゲーム内だけで、リアルでは体力が増えることはないのだが、別にベッドから出ることがないので大丈夫だ。

「とりあえず筋トレでもしようかな。」

道のど真ん中で筋トレしていたら、通行人の邪魔になるし、ネットで晒しものになってしまう可能性がある。

そのため、町の中心から少し行ったところにある、芝生が広がった公園にやって来た。

ここなら筋トレをしていてもあまり違和感はないだろう。

「じゃあ早速!」

私は両手を地面につき、おなかが付かないようにする。

「で、できた。意外と簡単じゃない。」

そのまま腕を曲げて、1回、2回と腕立て伏せをしていくのだが……。

「うん、無理。」

そんないきなり腕立て伏せなんて高度な技術ができるわけはなく、数回やった時点でギブアップである。

「私こんなに体力ないのか……。」

とりあえずベンチに場所を移し、一息つくことにした。




「いやー、意外といけると思ったんだけどなぁ。」

そう呟きながら、私はゲーム内で使用することができる検索エンジンを開いた。

「えーっと、『体力 つけ方』と。なになに?サプリ?いや、これ広告の怪しいやつじゃん。これ効くの!?」

私はサプリとかそういうのを聞いてるんじゃなくて、体力付けるのに効率的な運動方法を聞いているのだ。

「えっと、ジョギングね?これなら私もできるね。でも最初は厳しいからウォーキングで。」

ランニングがいいと書いてあったのだが、先ほどやったように、走ると絶望的なので、最初はゆっくりと歩くことにした。

まあ歩くくらいなら大丈夫だよね。

私はそう思いながら村を1周、ウォーキングすることにした。




「いや、歩くという行動は意外と体力を使うのね。」

思ったより疲れた。

村は結構小さいのだが、それでも運動初心者にとっては厳しかったようだ。

でも、普段動かないので、歩いていて気持ちはよかった。

心がリフレッシュするというか、すっきりするというか。

これならゆっくり続けていけそうだ。

「よし、次はちょっとだけ走ってみようか。」

少し休憩して、今度は村ではなく、この公園内だけで走ってみることにした。




「ふぅ、ふぅ、ふぅ。結構疲れるね。」

公園内を軽く1周回って、私は先ほどのベンチに座る。

歩くのとは違って、すぐに疲れがやってくる。

脇腹が少しずつ痛くなってきて、苦しくなるのを感じた。

「スキル『加速』を習得しました。スキル『効率化』を習得しました。」

「お!スキルゲットじゃん!しかも2つも!」

私はすぐにスキルの内容を確認する。

どうやら、加速というスキルは、純粋に走るスピードが速くなるスキルらしい。

「で、この『効率化』は何を効率よくするんだ?」

効率化は、経験値ドロップやゴールドのドロップ増加、レベルアップがしやすくなって体力が付きやすくなるという神スキルであった。

どうやらこれは常時発動で、SPスキルポイントの消費もないそうだ。

「これはありがたい!」

効率化スキルがどのようなものか試してみたかったので、軽く腕立て伏せをすることにした。

先ほどと同様に両手をついてみたのだが、その時点ですでに違うのが分かった。

「きつくない。」

今ならできそう!そう思って腕立て伏せをしてみたのだが……。

「で、できた!」

できてしまったのである。

いや、ここは普通出来ないんじゃないのッ!と思ったが、できてしまったものは仕方がない。

どうやら効率化のスキルは相当すごいようだ。

幾ら腕立て伏せをしても一切疲れない。

「これ、森いけるのでは!?」
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