中学婿日記

紅野 雪菜

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第०章―酔夢凋落―

clause ekam 「奇妙な眼差し」

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そんな見られてたら飲み難いんだが…
じーっとした視線を感じつつ口を付ける。

あれからずっと俺を観察するみたく、ずっっと俺の事を見て来て、かと云って会話の一つも交さず沈黙が続き、居た堪れなくなり部屋から、アイツから離れる様にトイレに籠もった。
だだっ広い部屋が窮屈に感じる程、静寂が肌を撫でていた。



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スマホはどっかに逝ったので、取り敢えず、所持していた懐中時計を確認する

古臭いとは思うが祖父の旧友である人が、まだその価値すら見定めれなれない小学生に譲ってくれたものだ。
時刻は午前2時過ぎ。

まだ頭がこんがらがっているのか、状況が上手く掴めない
背負っていたボディバッグから、いつも書いている日記と万年筆を取り出し、状況を整理する

遡る事、数十ヶ月前─
小学生を生活を順風満帆に終え、中学に進学した。が、親が引っ越しするとの事で皆が行く中学とは別の中学に行く事になった。
その事は、卒業前から告げられていて、どうしようもない事なので"そうなのだろう"と成り行きに身を任せていた。
別に悲しくは無かったし、寧ろ新しい環境に心を少し弾ませていた

だがその期待は、数ヶ月後に砕け落ちる
端的に言えば、

環境に馴染めなかった──

全ての事が創作物の世界の様に上手く行くのだとそう信じていた。
楽観的な思考は、炯々とした学校生活を思い描いていた。

今思えば、もうどう修復可能では無いし、思い出すのも厭悪してしまう

田舎からやってきた、まだ社会を知らない。常識を知らない男が社会不適合者として己の認識を改めさせられた壊想かいそうの記憶
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