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1.出会い
一人同士
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カリナとランチを共にして1ヶ月。
放課後もよく遊ぶようになった。
話していても共感できることが多くてあたし達ちょっと似てるのかも、と思ったり。
「そういえばミラノはバイトとかしないの?」
「うーん、特に考えてないかな。
カリナは家の近くのハンバーガー屋さんだもんね。」
高3だしそろそろ進路も決めなきゃならないけど何も考えてないんだよな…。
「そう。
でも大学はここから離れたところに行く予定だから年内には辞めなきゃ。」
授業もなんの科目でも先生たちは口うるさく進路進路って。
特に学びたい分野もないしあたしは就職かな…。
「大学かぁ。カリナ頭いいもんね。」
「そんなことないよ。
毎回テスト前なんて徹夜だし。」
放課後はどこかに遊びに行くことよりもカフェでこうやって話すことのほうが多い。
そして…カリナとゆったりのカフェでお茶をしている時、よく視線を感じる。
「カリナ。あの男知り合い?」
「どの人?」
私は左斜め後ろの席を男に見えないように自分の胸の前で指差した。
「…いや、全く知らない人。
どうして?」
…あの男あたし達がいまいるこのカフェに行くたびに必ずいる。
「本当に知らない?
あの人毎回あたしたちがいるとき毎回いる気がするんだけど…。」
「うん。
もしかしてミラノのフォロワーって可能性はない?
9000人もいたら向こうの顔なんてわからないよね?」
ありえなくもない話だけど…。
「でもあたしもカリナもストーリーにも今ここにいるとか上げてないからね。
…偶然?」
「まぁ何もして来ないんだし、あんまり気にしなくていいんじゃないかな?」
カリナのひとことに腑に落ちないながらも頷き、今日もティータイムを堪能した。
「もう18時半か。
バスの時間だし帰ろうかな。」
カリナとはバスが別なのでお店の前で別れる。
次は金曜日に一緒に服を見に行く約束をした。
「あの、すみません。」
バス停でバスを待っていると突然男性に話しかけられた。
「…なんですか?」
それはあのカフェで私達が行くたびに見かけるあの男だった。
「ミラノさんですよね?
僕、ライアンって言います。」
「はぁ。」
「一緒にいた子のことで聞きたいことがありまして…。」
狙いはカリナだったんだ。
まぁでも直接カリナに何かしたわけじゃないし犯罪に結びつくとかそういうんじゃなさそうだよね…。
「カリナのことですか?
もしあの子とお近づきになりたいとか思ってるんなら…自分から話しかけたほうがいいんじゃないかな。
あなたいつもこのカフェいますよね?」
ライアンと名乗った男はバツの悪そうな顔をした。
「そんなことできたら苦労しませんよ…。」
ライアンはあたしの足元にヘナヘナと座り込んだ。
「だからってあたしがカリナのことをべらべらと他人に話すのも違うと思いません?」
ライアンがあたしを見上げて確かに、と頷いて立ち上がった。
「その角度から見上げるのやめて。パンツが見える。」
「み、見てません!」
バスが来るまで時間があったのでライアンと少し話してみた。
ライアンは今二十歳。
ハルキと同い年でこんなにも女性慣れしてないんだ…と思ったのは置いといて…。
ライアンはカフェから近い大学に通っているらしい。
時折見せてくれた笑顔も可愛い感じだし、背もそれなりに高い。
ルックスも…悪くない。
話してみて優しい感じの人だなと思った。
悪い人ではなさそうだし、常識もありそう。
「ふーん。なんかライアンって普通の大学生って感じだね。」
「ミラノさんに言われると複雑な気持ちだな…。」
思ったことをそのまま言うと苦笑いされてしまった。
「あたしは普通のつもりなんだけど…。
しいて言うんならSNSのフォロワーが多い。
でもそれだけだよ。
ライアンもあたしのフォロワーだったんだもんね。」
「うん。
何度か話しかけようとしたんだけど友達と楽しんでるときに話しかけたら失礼かなって思って…。」
スマホを開いてライアンのSNSのアカウント名を聞いてフォローをする。
「いまフォローしておいたから承認しておいて。
なにかあったらDMで連絡しよう。」
「え!?いいの!?」
ライアンがあたしの顔とスマホを交互に何度も見るのがなんかコミカルで笑えた。
「うん。ライアンいい人そうだし。
よろしくね。
じゃあ帰るから、また。」
ライアンに手を振りちょうど来たバスに乗り込んだ。
放課後もよく遊ぶようになった。
話していても共感できることが多くてあたし達ちょっと似てるのかも、と思ったり。
「そういえばミラノはバイトとかしないの?」
「うーん、特に考えてないかな。
カリナは家の近くのハンバーガー屋さんだもんね。」
高3だしそろそろ進路も決めなきゃならないけど何も考えてないんだよな…。
「そう。
でも大学はここから離れたところに行く予定だから年内には辞めなきゃ。」
授業もなんの科目でも先生たちは口うるさく進路進路って。
特に学びたい分野もないしあたしは就職かな…。
「大学かぁ。カリナ頭いいもんね。」
「そんなことないよ。
毎回テスト前なんて徹夜だし。」
放課後はどこかに遊びに行くことよりもカフェでこうやって話すことのほうが多い。
そして…カリナとゆったりのカフェでお茶をしている時、よく視線を感じる。
「カリナ。あの男知り合い?」
「どの人?」
私は左斜め後ろの席を男に見えないように自分の胸の前で指差した。
「…いや、全く知らない人。
どうして?」
…あの男あたし達がいまいるこのカフェに行くたびに必ずいる。
「本当に知らない?
あの人毎回あたしたちがいるとき毎回いる気がするんだけど…。」
「うん。
もしかしてミラノのフォロワーって可能性はない?
9000人もいたら向こうの顔なんてわからないよね?」
ありえなくもない話だけど…。
「でもあたしもカリナもストーリーにも今ここにいるとか上げてないからね。
…偶然?」
「まぁ何もして来ないんだし、あんまり気にしなくていいんじゃないかな?」
カリナのひとことに腑に落ちないながらも頷き、今日もティータイムを堪能した。
「もう18時半か。
バスの時間だし帰ろうかな。」
カリナとはバスが別なのでお店の前で別れる。
次は金曜日に一緒に服を見に行く約束をした。
「あの、すみません。」
バス停でバスを待っていると突然男性に話しかけられた。
「…なんですか?」
それはあのカフェで私達が行くたびに見かけるあの男だった。
「ミラノさんですよね?
僕、ライアンって言います。」
「はぁ。」
「一緒にいた子のことで聞きたいことがありまして…。」
狙いはカリナだったんだ。
まぁでも直接カリナに何かしたわけじゃないし犯罪に結びつくとかそういうんじゃなさそうだよね…。
「カリナのことですか?
もしあの子とお近づきになりたいとか思ってるんなら…自分から話しかけたほうがいいんじゃないかな。
あなたいつもこのカフェいますよね?」
ライアンと名乗った男はバツの悪そうな顔をした。
「そんなことできたら苦労しませんよ…。」
ライアンはあたしの足元にヘナヘナと座り込んだ。
「だからってあたしがカリナのことをべらべらと他人に話すのも違うと思いません?」
ライアンがあたしを見上げて確かに、と頷いて立ち上がった。
「その角度から見上げるのやめて。パンツが見える。」
「み、見てません!」
バスが来るまで時間があったのでライアンと少し話してみた。
ライアンは今二十歳。
ハルキと同い年でこんなにも女性慣れしてないんだ…と思ったのは置いといて…。
ライアンはカフェから近い大学に通っているらしい。
時折見せてくれた笑顔も可愛い感じだし、背もそれなりに高い。
ルックスも…悪くない。
話してみて優しい感じの人だなと思った。
悪い人ではなさそうだし、常識もありそう。
「ふーん。なんかライアンって普通の大学生って感じだね。」
「ミラノさんに言われると複雑な気持ちだな…。」
思ったことをそのまま言うと苦笑いされてしまった。
「あたしは普通のつもりなんだけど…。
しいて言うんならSNSのフォロワーが多い。
でもそれだけだよ。
ライアンもあたしのフォロワーだったんだもんね。」
「うん。
何度か話しかけようとしたんだけど友達と楽しんでるときに話しかけたら失礼かなって思って…。」
スマホを開いてライアンのSNSのアカウント名を聞いてフォローをする。
「いまフォローしておいたから承認しておいて。
なにかあったらDMで連絡しよう。」
「え!?いいの!?」
ライアンがあたしの顔とスマホを交互に何度も見るのがなんかコミカルで笑えた。
「うん。ライアンいい人そうだし。
よろしくね。
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